「この国を出よ」大前 研一、柳井 正

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この国を出よ (小学館文庫)

【私の評価】★★★☆☆(75点))


■ユニクロの柳井社長と大前さんの対談です。


 対談というより、言いたいことを
 言っているという雰囲気。


 まず、柳井さんは政治と官僚に
 そうとう頭にきているようです。


役所から保護されなかった企業ほど成長する・・・
 経済大国になったのは、国民と民間企業の努力の賜物なのに、
 "お上"つまり官僚たちは、まるで自分たちの
 手柄のように錯覚している(柳井)(p57)


■日本のリスクといえば、
 尖閣諸島というよりも、
 日本国債のデフォルトでしょう。


 デフォルトになれば、
 インフレになる。


 家や金など現物を持っていない人は、
 スッカラカンでかなり苦しくなるはず。


 経営者として、国家の影響で、
 会社の経営が影響を受けるのは
 避けたいのだと思います。


・900兆円を超える世界一の残高に膨れ上がった公的債務・・・
 異常値を下げることに全力を尽くすのが
 政治家の務めであるはずです・・・
 今の日本が置かれた状況を包み隠さず説明し、
 厳しい処方箋とその先に生まれる大きな希望を
 国民に示すべきです(柳井)(p9)


■また、JALにしろ、東京電力にしろ、
 破綻するべき会社が破綻しない状況にも
 柳井さんは不信感を持っています。


 必死に適切な経営をしなくても、
 結局は助けてもらえる。


 そして復活すれば、
 自力でがんばっている
 他の企業を圧迫する。


 資本のルールを無視のうえに、
 努力した人がむくわれない社会に
 なっているということです。


・経営破綻したJAL(日本航空)へ公的資金を入れる方針にも
 異議があります・・・リストラを断行しなければ再び経営が
 行き詰るのが目に見えている会社を、ここまで擁護する
 必要が果たしてあるのでしょうか。逆に、そのあおりを受けて、
 今度はANA(全日空)が危なくなるかもしれません(柳井)(p174)


■このように問題を指摘しても、
 政治と官僚は変わらないでしょう。


 民間企業はどのようなことがあっても、
 自分の足で立たなければならないのです。


 柳井さん、
 良い本をありがとうございました。


─────────────────────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・金融機関が国債を買う元手にしているのは、
 国民の定期預金や郵便貯金です。
 国債のクラッシュによって・・・ 
 「預金封鎖の可能性が高いでしょう。・・
 その先に待っているのは、間違いなく
 「ハイパーインフレ」です(大前)(p41)


・現状に満足して「変化」や「挑戦」をやめることは、
 その時点で「負け」を意味します・・・
 危機感もなく、のほほんとしている症状は、
 かつての「イギリス病」と同じです(柳井)(p84)


・現代人がどうやって社会と接点を持つかというと、
 それは仕事にほかなりません。基本的に仕事は、
 1人ではできないものです。人が協力し合って
 何らかの成果を目指す - 
 仕事とはそういうものです(柳井)(p116)


・GEは約10年後、最終的にリーダー候補を1000人から
 約200人(2010年時点では189人と言われている)に絞り込み、
 次のステップに進みます。待っているのは、
 CEO(最高責任者)との1対1の会食です(大前)(p143)


・各国の税率引き下げ競争が激化しています。
 日本では地方税を加算した実効税率は約40%になりますが、
 ヨーロッパの平均はだいたい25%、シンガポールや
 香港、台湾などのアジア諸国にいたっては10%台まで
 下げてきています(大前)(p169)


・国際競争でメシを食べていくための武器になるのが、
 「英語力」「IT」「ファイナンス」の"三種の神器"です。
 それらをすべて駆使したものが、人を動かし結果を出す
 「リーダーシップ」となります(大前)(p188)


この国を出よ (小学館文庫)
大前 研一 柳井 正
小学館 (2013-01-04)
売り上げランキング: 378,147

【私の評価】★★★☆☆(75点)

■目次

プロローグ もう黙っていられない(柳井正)
第1章 現状分析―絶望的状況なのに能天気な日本人
第2章 政治家と官僚の罪―誰がこの国をダメにしたのか?
第3章 企業と個人の"失敗"―変化を嫌う若者だらけの国を「日本病」と呼ぶ
第4章 ビジネスマンの「稼ぐ力」―「理想の仕事」探しより「自力で食える」人間になれ
第5章 企業の「稼ぐ力」―21世紀のビジネスに「ホーム」も「アウェー」もない
第6章 国家の「稼ぐ力」―日本再生のための"経営改革案"を提示する
エピローグ 日本を出よ!そして日本へ戻れ(大前研一)


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