「大前研一 2020年の世界-「分断」から「連帯」へ- 大前研一ビジネスジャーナル特別号」
2020/05/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
2019年末に大前研一氏が行った経営者向けセミナーの要約版です。一流コンサルタントだけあって現状把握と提言がセットになっています。EU不安定化、中国の覇権など国際関係まで押さえているところが、大前さんの面目躍如というところでしょう。
日本については外国と比べると、明らかにユニーク(特別)だとしています。
例えば、年金の受給開始年齢は65歳となり、さらに70歳にしようという話もありますが、日本では誰も文句を言わないのです。むしろ「70歳まで働けてよかった、60でクビになると思ってた」という人さえいるのです。反対にロシアで「定年を伸ばす」とプーチン氏が発言した時には、大規模なデモが起き、仕方なくプーチンは撤回したという。
また、アメリカ人は、大きな家に住みたい、別荘も1戸ほしい、スキー場にも1戸欲しいと、アメリカ人は大体平均で3戸ぐらい家を欲しいと思っているという。一方の日本人は、自宅1戸で満足するというのです。
面白いところは、為替を円高推奨、高校まで教育義務化などすぐできそうな提言があることです。本当は大前さんは政治家になりたかったのでしょう。大前さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・一対一路とは中国の新帝国主義です。中国人の頭の中には、かつては欧米が帝国主義をやってきた、我々はその頃やられた側である、今度は自分たちがやる番だ・・こういう発想が非常に強くあります・・・実のところはお金という武力をもって次は自分たちが覇権を握る番だと主張しているのです(p13)
・日本全体の個人金融資産は約1800兆円、一人当たり約1800万円もあるのです。こういう国は購買力をつけたほうが絶対に生活水準が上がります(p50)
【私の評価】★★★★☆(81点)
目次
1 世界経済の動向~総じて下向き、巨大な富の創出が困難な時代に
2 世界情勢の動向~加速する自国第一主義とポピュリズム、世界は分断へ
3 21世紀の世界のあるべき姿~対立と分断が進む中、連帯と協調の道を模索すべし
4 日本の動向~長期政権下で"静かなる死"へ。クオリティ国家への転換を目指せ
5 2020年、日本はどうすればよいか?~抜本的な教育改革で21世紀に通用する人材を育成せよ
著者経歴
大前 研一(おおまえ けんいち)・・・1943年生まれ。経営コンサルタント。マサチューセッツ工科大学博士。日立製作所、マッキンゼー日本支社長を経て、1992年に「平成維新の会」を設立。1994年マッキンゼーを退職し、「一新塾」「アタッカーズ・ビジネス・スクール」を設立。現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長、韓国梨花女子大学国際大学院名誉教授、高麗大学名誉客員教授、(株)大前・アンド・アソシエーツ創業者兼取締役、株式会社ビジネス・ブレークスルー代表取締役会長、カリフォルニア大学ロサンゼルス校公共政策大学院教授、スタンフォード大学経営大学院客員教授等を務める。
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