「悔いのない人生 死に方から生き方を学ぶ「死生学」」齋藤 孝
2016/09/26公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★★☆(82点)
■明治大学文学部教授の齋藤 孝さんが、
「死」について考えるために
吉田松陰の「留魂録」、
肥前国佐賀鍋島藩士・山本常朝の『葉隠』、
貝原益軒の『養生訓』
正岡子規の『病床六尺』、
堀辰雄の『風たちぬ』
V・E・フランクルの『夜と霧』、
学徒兵の遺書を集めた『きけわだつみのこえ』
西郷隆盛の『西郷南洲遺訓』
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』
日本最古の歴史書『古事記』
の10冊を読み解きます。
・「養生訓」巻第二の三十一
「何事も、自分の力量を知って行いなさい」。
このあとには、自分の力の及ばないところで
無理をすると、消耗して病気になるという
一節が続きます(p94)
■こうした本を読んでみると、昔から
「いかに生きていくのか」
考えてきたことがわかります。
いかに死ぬときに
後悔しないように生きるのか。
そのためには、
生きているときから、
最後の瞬間を考えておくことが
大事になります。
つまり、
「生」を考えるために
「死」を考えるのです。
・いつ死んでもいいという意識を持って日々、
ちゃんと暮らす。しっかり仕事しよう、
しっかり子育てしよう、しっかり生きよう
とする日常の意識のことを(山本)常朝
(じょうちょう)は説いていたのです(p62)
■平均寿命が80歳以上となり、
死と向き合うことが少なくなった
今だからこそ読むべき本だと思いました。
こうした本を読んで、
この人生で何をなすのか、
どう生きるのか、
時々考えたいですね。
齋藤さん、
良い本をありがとうございました。
───────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「二十一回猛士」とは、松陰が好んで使った号です。
死ぬまでに二十一回行動を全力で起こすという
決意を込めて名乗っていたといいます(p19)
・松陰は失敗を挫折とは考えていませんでした。
失敗を必要以上に恐れて何もしないのであれば、
失敗するリスクを冒してでも行動したほうがいい
と考えていました(p26)
・「死ぬ気で生きろ」と言っている人物が一方で、
「この世はしょせん一種のからくり人形の世界だ」
と言う。(p73)
・世間で最も大切だと早合点している
財産だけは全く不用で、それよりもっと
大切なのは、一生涯絶えざる、精進向上の気概、
努力奮闘の精進であって、これをその
生活習慣の中に十分染み込ませることである
本多静六『私の財産告白』(p166)
・以前、テレビの収録で・・・所さんが
「あんまり先のことを考えるやつは
俺はバカだと思うよ」と言っていました(p188)
SBクリエイティブ
売り上げランキング: 70,229
【私の評価】★★★★☆(82点)
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングへ
■目次
はじめに 〈死〉を考えることが最大の自己変革につながる理由
第1章 死の孤独と距離を置く
第2章 悔いのない最期を迎える
第3章 老いと上手に付き合う
第4章 病とともに生きる
第5章 その瞬間まで精神を保つ
第6章 遺してゆく人々のために
第7章 死者の魂に思いを馳せる
コメントする