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【書評】「住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち」川口 マーン 惠美

2015/02/25公開 更新
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住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち (講談社+α新書)


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー


ドイツの実情

ドイツというとベンツ、BMW,VW、シーメンス、バイエル、ドイツ銀行・・・とヨーロッパの中心国です。


移民を多く受け入れ、再生可能エネルギーを拡充し、原発廃止を決定したドイツは、どうなっているのでしょうか。


ドイツで30年生活した著者に日本と比較しながら、実態を教えてもらいましょう。


ドイツの電気代が高い本当の理由・・・税金が高いこともあるが、再生可能エネルギーに支払われている助成金が大きな理由の一つである・・大企業は、その負担を免除、あるいは、軽減されている(p61)

移民で治安悪化

興味深かったのは、日本でも検討されている大量の移民受け入れ後の話です。労働者が足りないときに外国人労働者を入れると、その時は良い。しかし、経済の波の中で不況がやってくれば、仕事がなくなる。


しかし、職を失った外国人たちは、自国には帰らない。そのため、失業率が下がりにくいだけでなく治安が悪化するのです。


1970年代、出稼ぎ労働者の数は300万人に迫ることになる・・・職がなくなれば帰るだろうとドイツ人たちが思っていた外国人労働者は、自国に帰ろうとはしなかった・・安易に外国人を入れ続けると、いずれ労働市場は破綻する(p97)

再エネ大量導入で電気料金高

ドイツでは再生可能エネルギーの大量導入でもたいへんなことになっているようです。こうした外国での再エネ導入による影響が分かっているはずなのに、同じ過ちをしてしまうのは、なぜなのか。


外国人労働者受け入れでも、欧米の状況をしっかり見て考えていきたいものです。川口さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・日本人は議論などさしおいて、一足飛びに結論を出すほうが好きだ・・日本人の手に掛れば多くのことが完璧に機能するが、その議論は禅問答のようにわかりにくい(p4)


・日本には、憲法を改正すれば軍国主義になると主張している人がいるが、あまりにも短絡的すぎる・・領土にせよ、経済的なものにせよ、自分たちの手で守らなくてはならない。それを真剣に考えないというのは、まことに無責任なことだ(p36)


・ドイツの学校は、とくに四年間の小学校が終わると、勉強をするだけのところとなる。教師は、生徒のプライベートな事柄には一切かかわらない・・まず成績がものをいい、人間性を育むといった二義的な機能は重視されない・・ドイツの教育は、全体として見るなら日本よりももっと崩壊している(p131)


・メインの休暇は三週間まとめて取る人が多く・・融通の利かないドイツ人が、休暇の配分だけはなぜか素晴らしく柔軟になり、スムーズに決めることができる(p80)


住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち (講談社+α新書)
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川口 マーン 惠美
講談社
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【私の評価】★★★★☆(83点)


目次


第1章 日本の尖閣諸島、ドイツのアルザス地方
第2章 日本のフクシマ、ドイツの脱原発
第3章 休暇がストレスのドイツ人、有休をとらない日本人
第4章 ホームレスが岩波新書を読む日本、チャンスは二度だけのドイツ
第5章 不便を愛するドイツ、サービス大国の日本
終 章 EUのドイツはアジアの日本の反面教師



著者経歴


川口マーン惠美(かわぐち まーん えみ)・・・1956年大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。1985年、ドイツ・シュツットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科卒業。シュツットガルト在住。


ドイツ関連書籍


「ドイツ人のすごい働き方―日本の3倍休んで成果は1.5倍の秘密」西村栄基
「ステートファースト 幸せな成功者になれる「頑張り方」革命」玉本潤一
「ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか」キューリング恵美子
「住んでみたドイツ8勝2敗で日本の勝ち」川口 マーン 惠美
「シン・スタンダード―日本人が生きづらいのは、日本の常識しか知らないから」谷口たかひさ


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