「世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン」川口マーン惠美

|

世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン (講談社+α新書)

【私の評価】★★★★☆(85点)


■ドイツ在住30年の川口さんが
 お隣スイスに日本人が学ぶべきことを
 教えてくれる一冊です。


 スイスは日本と同じように
 地下資源がありません。
 あるのは有能な国民だけ。


 スイスは付加価値の高い製品を作り、
 多国籍企業を所有し、
 国防を強化して中立を守り、
 世界からお金を集めているのです。


・彼らは、中立を宣言したからといって
 攻撃されない保証などないということを、
 ちゃんと知っている。
 自国の国土と国民を守るためには、
 強い軍隊を持たなくてはならず、その結果、
 ようやく得られるものが平和だと考える(p146)


■スイスに学ぶべきことを
 並べてみましょう。


 20歳から34歳の男子はすべて
 スイス軍の予備役で家に銃がある。
 核シェルター普及率100%。


 移民に対しても厳密な枠を設け、
 雇用も自国民を優遇している。


 農業保護は、1990年代から
 農産物が高くなる関税から
 直接補助金に切り替え。


 鉄道、ホテルを整備して
 観光事業を強化。


・2015年2月・・どこの国から何人の移民を
 受け入れるかという枠が詳細に定められ、
 一年間に発給する労働および在留許可の
 ビザには上限が設けられた。加えて、
 人を雇うときには自国民を優遇しなければならない
 というような、「スイス・ファースト」の
 制度も盛り込まれた(p171)


■私も半年スイスで研修しましたので、
 スイスに学ぶべきことについては
 納得です。


 それにしても日本は、
 こうした学ぶべきことを学ばず、
 ドイツが失敗した移民や再エネ
 固定価格買取制度は学んでしまうなど、
 心配になります。


 川口さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・日本の貿易依存度は低い。2013年の数字を見ると、
 GDPに占める輸出依存度は、たったの14.5%・・
 これは先進国ではアメリカの9.5%に次ぐ低さだが、
 スイスは32.7%だ。ちなみにお隣の韓国は42.9%(p10)


・関税を高くした場合、農作物の価格は高止まりするので、
 農業保護は消費者の負担で行っていることになる。
 それに比べて直接補助金は、税金から捻出される・・
 物価が安いほうが国民は喜ぶ・・
 違うのは、日本はまだ多くの農作物に関税をかけている・・・
 スイスは1990年代に関税を縮小し、
 直接補助に切り替えた(p118)


・スイスでは、兵役を終えた男性のいる家庭には、
 その男性が予備役に行く年齢(20歳から34歳)
 であるあいだ、ずっと銃がある。現在は、
 銃弾は有事のときのみ支給されることになったが、
 少し前までは、銃弾も各自が保管していた(p145)


・つい最近までは、スイスの家は必ず地下に
 核シェルターを備えなければならないという法律もあった・・
 世界での核シェルターの普及率は、
 イスラエルが100%、ノルウェーが98%、
 アメリカが82%、ロシアが78%、イギリスが67%、
 シンガポールが54%、そして日本は0.02%(p148)


・わが日本は、いまごろになって本格的に
 外国人労働者を導入しようというわけだが、
 将来の問題勃発は織り込み済みなのだろうか?・・
 「労働力」を受け入れたつもりでいても、
 その「労働力」は職がなくなってもたいてい帰らない。
 それどころか、いずれ結婚し、子供を産み、
 半永久的に住み着くことになる(p180)


・ドイツの再エネ失敗に学ぶこと・・
 日本では・・あたかも再エネが原発を
 肩代わりできるように思わせる記事が目立つ・・
 日が照らず、風が吹かなければ、
 発電量は突然ゼロになる・・・
 ドイツの電気代はEUで二番目に高くなってしまった・・
 ドイツが後悔している全量固定価格20年の
 優先買取制度まで、そっくり
 真似てしまったのである(p208)


・「スイス人と本当に友達になれたとしたら、
 それは運のいい人だね」。チューリッヒに住む
 ドイツ人Fは、ちょっと皮肉を交えてそういった。
 「スイス人は礼儀正しいが、よそ者と
 親しくなることは滅多にないんだ」(p22)


・スイスの評判の悪さは、その物価の高さにもある。
 スイスでレストランに入ったドイツ人は頭を抱え、
 「高い!」と100回ぐらい言う・・・
 こんな高い物価で生活していけるというのは、
 それほど収入が高いのかと、少し妬みも混じる(p30)


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
blogranking.png


人気ブログランキングへ


世界一豊かなスイスとそっくりな国ニッポン (講談社+α新書)
川口 マーン 惠美
講談社
売り上げランキング: 41,194

【私の評価】★★★★☆(85点)

[Amazonで購入する]

[楽天ブックスで購入する]



■目次

序 章 スイスのタクシー運転手が優しいわけ
第1章 ドイツ人とスイス人の大違い
第2章 ハイジの国は国民皆兵
第3章 貧しかったスイスが豊かになった理由
第4章 スイスの社会は日本にそっくり
第5章 実はスイスより強い日本経済
終 章 「国民の幸福度」世界1位の国なら学ぶこと



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ第3位
にほんブログ村




この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読

>月別(2002年7月~)