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「ステートファースト 幸せな成功者になれる「頑張り方」革命」玉本潤一

2022/03/10公開 更新
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「ステートファースト 幸せな成功者になれる「頑張り方」革命」玉本潤一


【私の評価】★★★★★(92点)


要約と感想レビュー


著者はドイツ、ベルギーで9年間仕事をしてきました。ドイツ人は2週間のバカンスを取り、廊下で雑談ばかりして、仕事を依頼しても「できない」と断るなど、協力的ではありません。ドイツ人の仕事のスタンスにイライラしながらも、ドイツの会社はシェアNo1で業績は良かったのです。


そうしたイライラが伝わったのか、初年度は現地経営陣から総スカンをくらい、著者はひどく落ち込むことになります。2年目以降は「郷に入っては郷に従え」の気持ちで、現地従業員一人ひとりと接触し、信頼関係を積み上げていくことで、現地経営陣の信頼を獲得することに成功したというのです。


そして気づいたのは、ドイツ人は常に自分や他人の機嫌や気分を最優先しているということでした。頑張るから成果が出るのではなく、気分よい状態で仕事をするから成果が出るというのがドイツ人の考え方なのです。無駄な残業はせず、仕事が終わったらとっとと帰宅して、夏は2週間職場を離れてリフレッシュする。それで仕事で成果を出せていれば、それでいいじゃないですか、ということです。


・長時間労働をしている人ほどたくさんの仕事をしている・・・スケジュールがびっちり詰まっている人ほど優秀・・・これらは日本人独特の見方のようです(p50)


著者はこうしたドイツ人の「自分の機嫌は自分で取る」という自分の気分ファーストの生き方を「ステートファースト」と命名し、この考え方を広めるために経営者・経営幹部向けにコーチとしてコンサルティングをしています。場合によっては社外COO(最高執行責任者)としても仕事を請けているという。


この本の良いところは、そうしたクライアントとのコーチングのやり取りが150ページにもわたって掲載されていることでしょう。質問と回答を読んでいるだけでもコーチングのイメージがつかめますし、実際に自分で回答すれば、セルフコーチングしていることになるからです。もちろんお金を払ってコーチを雇ってもいいですし、自分でノートに書いて考えてもよいのです。


・人にはできるのに、自分にはできなくてイラっとすることは何ですか?(p254)


著者は、「芯」「ミッション」「ビジョン」という自分軸を作ってみよう!と提案しています。会社にミッション、ビジョンがあるのに、あなたの人生にミッションはないのですか、という問いかけです。こうした人生の本質に迫る本を私は嫌いではありません。あまり自分の人生に向き合ってこなかった人にとっては、時間をとって考えるきっかけになる一冊ではないでしょうか。


コーチを雇う前に、まずはこの本で自問してみてはどうでしょうか。現在の自分にちょっとでも不安、不満がある人におすすめの一冊です。★5としました。玉本さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・会社から2週間離れてみると・・・「自分の人生の中に仕事や会社生活がある」という意識になりました(p68)


・日本においては・・・言わなくても察することを美徳としています(p74)


・「仏頂面はやめましょう」と私がお伝えしたクライアントは・・・部下にも変わったと言われ、職場に笑顔が出始めたそうです(p81)


・多くの苦しみの根源にある「自分は不十分だ」という思い込み(p112)


・「もっと自分の人生を楽しんでいい」この言葉を自分の親に伝えたい人はけっこう多いのではないでしょうか(p305)


▼引用は、この本からです
「ステートファースト 幸せな成功者になれる「頑張り方」革命」玉本潤一
玉本 潤一、PHP研究所


【私の評価】★★★★★(92点)


目次

序章 「ステートファースト」―感情状態を最優先する新たな成果目標達成法
第1章 「ステートを最優先する生き方」のすすめ
第2章 良いステートを復活させる技術
第3章 ステートを奮い立たせる技術1―自分軸を理解する
第4章 ステートを奮い立たせる技術2―自分軸を象る
第5章 ステートを奮い立たせ続ける技術―自分軸を生き続ける



著者経歴

玉本潤一(たまもと じゅんいち)・・・エグゼクティブコーチ/LIFE SHIFT JAPAN株式会社代表取締役。1978年生まれ。2001年、ミノルタ株式会社(現・コニカミノルタ株式会社)に入社。以来17年間、情報機器事業部に所属。27歳から9年間は、ドイツとベルギーの子会社にて経営企画を担当。赴任初年度に現地経営陣から総スカンを食らうも、一人ひとりとの人間関係構築。2,000人に影響する組織再編に参画後、日本に帰国。本社にて海外各国子会社の事業管理に従事し、39歳の時には同社売上1兆円(当時)のうち30%の事業企画管理を担当。人生の節目となる40歳で、「ステートファースト」を世に広めるべく独立。現在は、経営者・経営幹部向けにエグゼクティブコーチング・経営コンサルティングを提供している。世界トップコーチのマイケル・ボルダック氏に師事。一般社団法人起活会理事。エンジェル投資家。


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