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「このムダな努力をやめなさい:「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ」成毛 眞

2018/04/17公開 更新
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このムダな努力をやめなさい: 「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ (知的生きかた文庫)


【私の評価】★★★★☆(80点)


要約と感想レビュー

 「偽悪者」って何?と思いながら手にした一冊です。「偽善者」とは、すべての人から嫌われたくないと思っている人。だから、「偽悪者」は、他人の感情を気にせず自分のしたいことをする人のことです。正しいより自分の楽しいを選ぶのが「偽悪者」なのです。


 つまり、他人は承認してくれないとわかっていても、自分の好きな道を選ぶのです。著者の考え方は、人生は楽しんだもの勝ちということです。素の自分でいかに自分にとって良い人生を送れるのかが重要なのです。


・世の中には、100人の知り合い全員に嫌われたくないと思う人もいれば、99人から嫌われてもたった一人から徹底的に愛されればいい、と思う人もいる。前者は「偽善者」であり、後者は「偽悪者」だ(p27)


 「偽悪者」には、世の中が見えています。正しい道を知っていても、多くの人がそれを認めてくれないこともあるでしょう。つまり、バカは死ななければ治らない、バカと議論してもバカは分からない、というのも現実なのです。だから、上司がバカなら正論を言って戦うのではなく、言っているようにやって失敗すればいいのです。


 誰も信じてくれない真実を主張して左遷されるより、素直に言われるとおりにやってみて、出世する道を選ぶのです。自分やりたいことは出世してからやるのです。逆に、「自分が正しい」と思っている人ばかりだったら、お互いに譲らないから争いが絶えず、組織は崩壊することになってしまうのです。


・ビル・ゲイツからキツく反論されたら、「いいけど、その方法は失敗するかもよ?」と一言断ってから、彼の望む通りに仕事を進めた・・心まで奴隷にならないことが重要なのだ・・「この人にはわからないか。しょうがないね」(p136)


 著者の言いたいのは、道徳や正義といった固定観念で、やることが制限されてしまうのはもったいないということです。そもそも好かれる人は何をしなくても好かれるし、嫌われる人は何をやっても嫌われるのですから、人に好かれるための努力なんて無意味なのです。ただの「いい人」は消耗品で終わります。人は思っている以上に流されやすいものだから、付き合う価値のないつまらない人間、くだらない人間とは距離を置いたほうがいいのです。


 ビジネスにおいては、成果を出すことですから、人に「好かれる」必要はないのです。それよりも「信頼される」ことが重要です。だったら、残業してまで自分の生活を会社に合わせる必要はないでしょう。家族を優先して、残業をしなくても定時で帰れるように仕事をこなすのです。それが後悔しない人生を作るのです。「反省」はしてもいい。しかし、「後悔」をしてはいけないのです。


 また、起業するなら地方から一度東京に出て資金をつくり、人脈を作ってから起業したほうがいいのではないか。運命とは、自らコントロールするものであり、精神論に振り回されない、我慢しない。頑張らない。根性で仕事をしないのが、成毛流なのです。


 「人は、もっと自分の本能を信じたほうがいい」という言葉が印象的でした。本当に頭の良い人は論理より感情、面子より実利を優先します。強いものには擦り寄り、弱く反対するものは叩き潰されるのです。心理学的な要素もある内容でした。成毛さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・ムダな努力をしない人は、有能な人物を演じるツボを心得ている。だから海外で商談するときは、ローマ史とシェークスピア、歌舞伎などの知識は最低限でも身につけて教養のある人を装う(p82)


・その人の生き方は、どんなに隠していても顔つきに出てしまう・・当選を重ねるにつれ人相が険しくなっていく。事なかれ主義の官僚は小狡い顔をしているし、金儲けしか考えていない経営者はギラギラした顔つきをしている(p103)


・国際社会では、日本のように誠意をつくした外交など、なめられっぱなしである。ビジネスにおいて、ものわかりのいいだけの上司など最悪だし、素直で従順なだけの部下も最低だ(p128)


・(北大路)魯山人はこんな言葉を残している。「わかるヤツには一言いってもわかる。わからぬヤツにはどういったってわからぬ」まさにその通りだ(p137)


・社民党の福島瑞穂でさえ、二億円もの資産がある。欲を捨てるべしと説教する僧侶も、お布施で豪邸を建て、高級車を乗り回し、祇園で豪遊している。お金よりも大切なものがあるという人に限って、お金に執着している。世の中、そんなものだ(p176)


▼引用は下記の書籍からです。
このムダな努力をやめなさい: 「偽善者」になるな、「偽悪者」になれ (知的生きかた文庫)
成毛 眞
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【私の評価】★★★★☆(80点)


目次

1章 "努力家"が知っておくべき10のこと
2章 「ムダな努力」と縁を切る、12のルール
3章 仕事は、「ラク」をしないと成果は出せない
4章 ここで分かれる「面白い人生」「つまらない人生」



著者経歴

 成毛 眞(なるけ まこと)・・・1955年北海道生まれ。元日本マイクロソフト代表取締役社長。1986年マイクロソフト株式会社入社。1991年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社「インスパイア」を設立。現在は、書評サイトHONZ代表も務める。


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