「アマゾンのすごいルール」佐藤 将之
2018/04/18公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
■15年間アマゾンジャパンで
働いてきた著者が教える
アマゾンの仕事のルールです。
ベンチャーらしく現状維持を否定し、
お客様のメリットを追求する
姿勢がすばらしい。
中古品の並行販売、アマゾンプライム、
amazonクラウドサービス、
商品の保管から受注・出荷・配送まで行う
FABサービスなどが生まれた
必然を感じました。
少しばかり自社が損をするとしても
お客さまが満足すれば
いずれ繁栄するということが
わかっているのです。
・ジェフ・ベゾスが手書きする「Customers Rule!(お客様が決めるんだ!)」というメッセージに、アマゾンという会社のすべてが集約されています(p204)
■印象的だったのは、
アマゾンには「仕組み」がある
という著者の言葉でした。
アマゾンにはあらゆる商品を在庫し、
2,3日でお届けする仕組みがある。
アマゾンにはお客様のメリットとなる
サービスなら短時間で決定し、
実行できる仕組みがある。
アマゾンには業績と人間性を
定量評価する仕組みがある。
こうした仕組みと組織文化を
作るのが経営者の責任であり、
日本の会社はどうなのか、
と問題提起しているわけです。
・「おもてなし」・・私はこの言葉があまり好きではありません。なぜなら,「経営者やマネジメント層が社員個々の『善意』に頼っているだけ。自分たちの本来の役割である『仕組み作り』を怠っているだけ」と感じることがあるからです(p54)
■ソニーがCDの利益にこだわって
音楽のオンライン販売に出遅れたことを
思い出しました。
チャンスは誰にでもあり、
それに気付き、行動できたのが
アマゾンだったのです。
お客様ファーストで行くかぎり
アマゾンは繁栄するのでしょう。
佐藤さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・アメリカではFBIやCIA,その他の政府機関などのサーバーもアマゾンのクラウド上にあります(p20)
・アマゾンでは「一度アマゾンに入荷した本は,たとえずっと売れなくても1冊以上在庫し続ける(p70)
・たった1回登録するだけでそれらすべてのサービスを楽しむことができる・・「Amazonプライム」はまさに「All You Can Eat」を体現したサービスといえるのです(p115)
・非常によく使われている言葉の1つ。それが「Scalable(スケーラブル)かどうか?」・・「現状の1000倍,1万倍のビジネス規模になっても,今と同じサービスレベルを保つことができるか?」という意味で使われています(p52)
・当時アマゾンはクレジットカード会社と「商品が売れた数日後にクレジットカード会社から代金が支払われる」という契約を結んでいました・・手数料はその分高くとられていると思いますが,アマゾンは「金額」よりも「キャッシュ化されるスピード」を優先していたのです(p82)
・評価軸は、2つあります。1つの軸は、「業績」です。いわゆる「KPI=Key Performance Indicator(重要業績評価)」を達成しているかどうか・・もう1つの軸は、「OLP(リーダーシップ理念)を体現できていたか?」です(p168)
・よく会議で部下と「あなたのプロジェクトのMeasure of Success(成功を計る指標)は何だろうね?」という話をしました・・アマゾンの仕事場では常に「クリアすべき棒高跳びのバー」が明確だったのです(p190)
・最も嫌われるのは"評論家"・・「・・しかたないんです」・・といった、責任転嫁の発言を繰り返すマネジャーはアマゾンではまったく評価されません(p265)
・「善意」だけで,従業員は働き続けられない。「仕組み」の土台の上で,従業員の「善意」が発揮される(p55)
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【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
序章 アマゾンを理解するための基礎知識
第1章 アマゾニアンを加速させる基本理念
第2章 アマゾンの飛躍的な成長を支えるビジネスモデル
第3章 アマゾニアンの体内に流れるリーダーシップ
第4章 優秀なアマゾニアンを獲得する人事採用
第5章 アマゾニアンをさらなる高みに引き上げる人事評価
第6章 アマゾンの成長を「仕組み化」する目標管理
第7章 世界を革新するアマゾニアンのアイデア
第8章 アマゾニアンが追い求めるスピード
第9章 シンプルに行動するアマゾニアンのコミュニケーション
終章 劇的な成長を一員として体験できたアマゾンでの15年