【書評】「今や世界5位 「移民受け入れ大国」日本の末路「移民政策のトリレンマ」が自由と安全を破壊する」三橋貴明
2026/01/29公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(89点)
要約と感想レビュー
外国人労働者は2016年から倍増
2017年の日本に戻ってみましょう。当時から日本では、建て前では「移民政策はとらない」としながら、人手不足に対応するために実質的な外国人労働者の受け入れを拡大していました。
始発の電車で見かける外国人は、技能実習生であり、コンビニエンスストアや飲食店で働く外国人労働者は、留学生のアルバイトなのです。2017年の日本の移民人口比率は1.6%で2025年は3.2%となっています。2016年に外国人労働者の数が100万人を超え、2025年には230万人と倍増しているのです。
著者は単に「人手不足解消のために、移民の受け入れが必要だ」と主張するのは、短期的な利益に目がくらんでいるだけであり、本来は、セルフレジ導入などで省力化し、時給を引き上げて日本人アルバイトを雇うのが日本発展の道だと主張するのです。
こうした「人手不足を補うための外国人労働者の短期受け入れ」が、ヨーロッパ諸国の地獄のはじまりでした。
コンビニエンスストアや飲食店に赴くと、外国人労働者の姿がやたらと目につく・・移民人口比率1.61%の状況で、このありさま(p29)
ヨーロッパでは2017年から移民制限
2017年当時、フランスではルペン党首率いる国民戦線が「フランス国民を守るために、厳しい移民制限を実施する」と主張し、極右と報道されていました。2017年オーストラリアのターンブル首相が、「海外からの技能労働者へのビザの発給を厳格化する」として、一時就労ビザを廃止し、高度なスキルを求めるビザを導入しています。
シンガポールも、2016年に就労ビザの取得条件である最低月給額を3600シンガポール・ドルに引き上げています。(現在は5600ドル)こうした背景には、移民が増えると治安が悪化するという現実があります。
フランスのイスラム教徒の人口比率が8~10%であるのに対し、刑務所内のイスラム教徒の比率は60%に達しているという。フランスでは、2015年には風刺週刊誌「シャルシー・エブド」の本社をテロリストが襲撃し12名が殺害されました。同年の、同時多発テロでは、死者130人、300人が負傷したのです。
スウェーデンの移民の人口比率は16%ですが、人口あたりの犯罪件数は日本の13倍。特に性犯罪が多く、レイプ犯罪の77%が移民によるものだったという。
その国に言語を話せない移民は、失業による絶望や閉塞感から犯罪に走る可能性が高い(p43)
移民社会の未来
さらに、移民受け入れは、その国の社会保障へのただ乗りという問題を引き起こします。スェーデンの移民は、福祉受給権を与えられるため仕事をしなくても、生活ができてしまうのです。スウェーデンにおける移民の失業率は、自国民の2.65倍だという。ノルウェーは2.83倍、フランスが1.78倍、ドイツが1.77倍で、働かない移民が多いのです。
このように移民により犯罪が増え、移民の生活保護のただ乗りが増え、実質賃金を下げるのが、移民受け入れ政策なのです。
著者は「国内に1年以上滞在する外国人」を移民と定義し、日本が2014年1年間に受け入れた移民は約34万人と計算し、ドイツ134万人、米国102万人、英国50万人、韓国41万人に次ぐ世界第5位の移民大国であるとしているのです。(現在は170万人!?)
著者は、日本がこのまま移民を受け入れれば、ヨーロッパのように安全でない国か、シンガポールのように自由が制限された国か、いずれかを選ばなければならなくなると警告しています。
ちなみにシンガポールで働く女性外国人労働者は、「半年ごとに医師の検査。妊娠していたら国外追放」「結婚の禁止」と法律で決められています。
外国人の身分のまま、日本国に参政権を含めてさまざまな要求をする姿は、異様としか表現のしようがない(p47)
人手不足は経済成長のエンジン
高市政権は新たな外国人政策として、生活保護受給の要件見直しや、不法就労・滞在の防止策強化など在留管理を厳格化する「総合的対応策」を取りまとめています。やっとヨーロッパに8年遅れで、移民制限がはじまるのです。
著者は高齢化で人手不足だからこそ、セルフレジや機械化や新規参入により生産性を上げるチャンスなのに、安易に安い外国人で人手不足を埋めようとしていることに反対なのです。農業でも高齢化しているからこそ、若者や企業の農業参入をうながし、生産性を上げるチャンスなのです。
著者は1970年代の高度経済成長を、インフレと人手不足によって生産性向上のために投資が活発化することで起こる経済現象と定義しています。つまり、現在のデフレを脱却した日本は、少子高齢化によって人手不足なわけで、移民を入れなければ高度経済成長の好循環に入るチャンスだというのです。
移民を入れて、賃金を低く抑えるか、移民を入れずに賃金を高くし、生産性を上げ、経済成長を続けるるのか、私たちは選択できるのです。
8年前の書籍ですが、移民問題を指摘しているところは素晴らしいと思いました。三橋さんの本をもっと読んでみます。三橋さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・日本国民ではない在日韓国人・朝鮮人には、日本国の公的サービスを受ける資格など、本来はない。選挙権など(地方参政権であっても)、言語道断だ・・帰化すればすむ話だ(p46)
・「難民認定について、繰り返し申請できる」も同じだが、特別永住者といった奇怪な制度についても正していかなければ、わが国は「ふつうの国」になることはない。特別永住者に特権(ほかの外国人と比較し差別的な権利)を与え、それを不思議に思わない政治が続いている(p117)
・日本が財政破綻に陥る可能性はゼロ・・・財務省やマスコミが政府の負債拡大のみをクローズアップし、「国の借金で破綻する!」と叫ぶ幼稚なプロパガンダに引っかかる・・わが国の358兆円の純資産は・・世界最大なのだ・・金融機関の負債額3312兆円のほうがはるかに巨大だ(p231)
・再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)・・・FITは、わが国のエネルギー安全保障や電力サービスの安定化にまるで役立たないどころか、むしろサービス不安定化をもたらす太陽光・風力発電の電気を、需要と無関係に全量、電力会社が買い取り、消費者が「再生可能エネルギー賦課金」として代金を負担するという、とんでもない制度である(p143)
▼引用は、この本からです

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三橋貴明(著)、徳間書店
【私の評価】★★★★☆(89点)
目次
プロローグ 国境を取り戻す動きが、世界中で加速している
第1章 日本国民の安全・自由を奪い取る移民受け入れ
第2章 移民政策が日本の安全保障を破壊する
第3章 砂上の楼閣で終わる移民大国JAPAN
第4章 世界中で壁にぶつかるグローバリズムという病
第5章 日本を破滅に導くウソだらけの経済理論
第6章 日本国がめざすべき絶対的に正しい、たった一つの道
著者経歴
三橋貴明(みつはし たかあき)・・・作家・経済評論家。中小企業診断士。1994年、東京都立大学(現:首都大学東京)経済学部卒業。外資系IT企業ノーテルをはじめNEC、日本IBMなど を経て2008年に中小企業診断士として独立、三橋貴明診断士事務所を設立した。現在は、経済評論家、作家としても活躍中。2007年、インターネットの 掲示板「2ちゃんねる」において、公開データの詳細な分析によって韓国経済の脆弱な実態を暴く。
移民関連書籍
「今や世界5位 「移民受け入れ大国」日本の末路「移民政策のトリレンマ」が自由と安全を破壊する」三橋貴明
「外国人雇用のトリセツ」井上直明
「移民 難民 ドイツからの警鐘 たった10年で様変わりしたヨーロッパ」川口マーン恵美
「未来年表 人口減少危機論のウソ」高橋 洋一
「ルポ 外国人ぎらい EU・ポピュリズムの現場から見えた日本の未来」宮下 洋一
「「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本」安田 峰俊
「コンビニ外国人」芹澤 健介
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