【書評】「ルネサンスvol.9 ECOに翻弄される世界」藤井厳喜, 杉山大志, 室伏謙一、渡辺正、武田邦彦, 丸谷元人、鈴木宣弘、安田節子、井上正康、福山隆
2026/01/08公開 更新
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
地球温暖化のCO2規制は経済を破壊する
藤井厳喜さん, 杉山大志さんが書かれているので、手にした一冊です。オールドメディアで発信できないような情報を集めた小冊子となっていました。藤井厳喜さん, 杉山大志さんの主張は、地球温暖化によるカーボンニュートラルは日本の経済を破壊するということです。
藤井厳喜さんは「地球温暖化論」は、1980年代の公害問題が解決し、失業しかけた環境学者の救いのネタだったと分析しています。そこに社会主義の失敗が明らかになり、困っていた左翼勢力が参入してきたのです。
地球温暖化を看板にしてCO2の排出量を規制すれば、自由経済を圧殺することになり、社会主義経済を導入できると考えたのです。炭素税で経済が破壊されれば、国民が貧しくなり、その不満分子に社会主義政策を訴え、社会主義を魅力ある思想に見せるという戦略です。
CO2が増え、地球が温暖化すれば、寧ろ食糧が増産され、先進国が勿論、新興国の人々にも朗報だということを主張する人も一人も出てこない。それが現在のマスコミである(藤井厳喜)(p13)
地球温暖化はフェイクなのか
杉山大志さんはCO2ぜロは実現不可能で、電気料金が上昇するなど負担が顕在化すると、温暖化対策は必ず見直されるとしています。国際的には中国はCO2出し放題で、アメリカはパリ協定から離脱し、EUは完全EV化から離脱しました。しかし日本では、強固な利権があり、短期的には変更は難しい状況です。
省庁は各々の温暖化対策予算を取り、その補助金に頼る企業がある現実。研究者は政府予算を使って温暖化の危機という「成果」を報告し、メディアがそれを報道するのです。
杉山さんが指摘する温暖化の嘘の例としては、台風は増えておらず強くなってもいないこと。豪雨は観測データでは増えていないことです。猛暑も、都市熱と自然変動によるものです。
渡辺正さんは、アメリカは都市化の影響に気づき、2000年代末に都市化の影響がない「ど田舎」の114カ所の観測点だけで気温を分析し、気温が上がっていないことを確認したという。
渡辺正さんは、過去4回の間氷期(氷河期と氷河期の間の暖かい時代)にはCO2濃度は今の半分くらいだったのに、現在より気温が高かったことを説明し、大気に増えるCO2が地球を暖めるという説は、再検証が必要ではないかと問題提起するのです。
フェイクニュース・・台風は増えてもいないし強くなってもいない・・猛暑は都市熱は自然変動によるもので、温暖化のせいではない・・豪雨は観測データでは増えていない(杉山大志)(p19)
日本の食糧輸入問題
この本の後半では、日本の食糧輸入問題に焦点を当てています。
まず、鈴木宣弘さんは米国やEUでは肥育ホルモン・フリー化が進み、日本にだけ肥育ホルモン牛肉が輸出されるようになっていることを指摘します。安田節子さんは、2009年の調査で、米国産牛肉の脂身は日本産の140倍、赤身で600倍の肥育ホルモン濃度であったと指摘しています。
そのうえで1991年の牛肉輸入自由化後、輸入牛肉の消費量増加と並行して乳がん、前立腺がんが急増しているとしています。この点については、因果関係をもう少し検証して主張するべきではないでしょうか。
また、米国産の食品からアフラトキシン(発がん性の猛毒のカビ)が検出され、米国産の小麦を使う日本で売られている食パンから除草剤成分グリホサートが検出されているという。
ベトナムなどの農産物からは、大腸菌やありえない化学薬品が検出されていることも指摘しています。検疫での検査率は輸入全体のわずか7%程度で、93%は素通りで日本人の口に入っているのです。ベトナムの工場を調査に行くと、かなりの割合の肉や魚から、工場搬入時点で腐敗臭がすることに驚愕したという。
米国でも米国国内やEU向けはホルモン・フリー化が進み、日本が選択的に「ホルモン」牛肉の仕向け先となりつつあるのだ(鈴木宣弘)(p64)
オールドメディアでは報道できないこと
この本では室伏謙一さんが、変節したSDGsについて説明しています。そもそもSDGsは、1992年の国連の「環境と開発に関する会議」で環境の保護と成長の両立のための行動計画アジェンダ21でした。そのアジェンダ21に、なぜかジェンダー平等、女性の地位向上などが盛り込まれるようになった不可解ということです。
武田邦彦さんは、ペットボトルのフタ集めは、40円の税金をもらい、それでワクチンを買って開発途上国に渡していますが、送料600円でワクチン購入したほうがいいと提言しています。
出井康弘さんは、2019年末には8万人となったベトナム人留学生のほとんどが、勉強よりも出稼ぎを目的に来日して、借金した留学費用と生活費と学費を稼ぐため、留学生に認められる「週28時間以内」の就労制限に違反してアルバイトをしてると指摘しています。
いろいろオールドメディアでは報道できないことがあるのですね。情報が少ないだけに、真贋について検証したうえで、自分なりの理解をしていきたいと思います。ダイレクト出版さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・かつてメディアが騒いだ酸性雨、ダイオキシン、環境ホルモンなどは、ここ10年ほど話にも出ません。どれも「仕事づくり」用の妄想だったからです(渡辺正)(p30)
・変節したSDGs・・・1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連の環境と開発に関する会議、通称アースサミットにおいて、環境の保護と成長の両立、つまりはSustainable Developmentの実現のための行動計画であるアジェンダ21として具体化・・・女性の地位向上等が不可欠であるかのように位置付けているのは不可解である(室伏謙一)(p25)
・ペットボトルのフタ集めは・・1箱600円は送料がかかるんです。するとその団体は、本当は売れないけど「売る」と称してわずか40円ほどの税金をもらい、それでワクチンを買って開発途上国に渡します・・送料にかかる600円をすべてワクチン購入に充てて、発展途上国に直接送ったほうがよくない?・・15倍のワクチンが送れます(武田邦彦)(p39)
・翁長雄志は・・・親中反日、沖縄分離工作を試みた・・市費で国有地を購入し、中国帰化人子孫集団と計って孔子廟を建設し、無料でその団体に用地を提供した。取得および造成費用は13億円にも上がる・・・巨大龍柱一対を建設した。中国に恭順の意を示すためである(惠隆之介)(p122)
▼引用は、この本からです

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ダイレクト出版株式会社
【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
第1特集 ECOに翻弄される世界
第2特集 「瀕死の健康」
著者経歴
藤井厳喜(ふじい げんき)・・・国際政治学者。ハーバード大学大学院博士課程修了。在学中の1982年に自身の シンクタンク「ケンブリッジ・フォーキャスト・グループ・オブ・ジャパン」を立ち上げ、約40年間発行する会員制レポートは「世界情勢を読み解くバイブル」として高い評価を得る。
杉山大志(すぎやま たいし)・・・東京大学理学部物理学科卒業、工学部物理工学修士。温暖化問題およびエネルギー政策を専門とする。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)、経産 省産業構造審議会、省エネ基準部会等の委員を歴任。
室伏謙一(むろふし けんいち)・・・室伏政策研究室代表。1972年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科修了(法学修士)。1998年、総務庁(現・総務省)に入庁。法令改正、規制改革、公害紛争処理や国際業務等に携わる。2004年退官後、三井物産戦略研究所やデロイトトーマツコンサルティングに勤務。
渡辺正(わたなべ ただし)・・・東京大学名誉教授。1948年生まれ。東京大学大学院修了、工学博士。東京 大学助手、助教授を経て1992年より同大学教授(生産技術 研究所)。2012年、同大学を定年退職(名誉教授)ののち 2020年度まで東京理科大学に勤務。専門は生体機能化学、科学教育、環境科学。
武田邦彦(たけだ くにひこ)・・・中部大学総合工学研究所特任教授。1943年生まれ。1966年東京大学教養学部 基礎科学科卒業後、旭化成 工業に入社。同社でウラン濃縮研究を研究し、研究所 所長も務める。その功績から1990年日本原子力学会特賞を受賞。原子力委員会、原子力安全委員会の一員として原発推進に関わる。
丸谷元人(まるたに はじめ)・・・テロ対策・危機管理コンサルタント。1974年生まれ。オーストラリア国立大学卒業。米海兵隊や民間軍事会社における対テロ戦闘や誘拐 事案対処訓練などを修了。発展途上国で国際テロ組織や民兵集団、マフィアなどを対象とした テロ対策とインテリジェンス活動を行なう。
鈴木宣弘(すずき のぶひろ)・・・東京大学教授。1958年三重県生まれ。東京大学大学院農学生命科学研究科教授。専門は農業経済学。1982年東京大学農学部卒業。農林水産省、九州大学大学院教授を経て2006年より現職。財務省関税・外国為替等審議会委員、コーネル大学客員教授等を歴任。
安田節子(やすだ せつこ)・・・食政策センター・ビジョン21代表。日本消費者連盟で反原発運動、食の安全と食糧農業問題を担当。市民団体・遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン元事務局長。表示や規制を求める全国運動を展開。食・農・環境問題の情報発信センター「食政策センター・ビジョン21」を設立。
井上正康(いのうえ まさやす)・・・大阪市立大学名誉教授。医学者。1945年広島県生まれ。1974年岡山大学大学院修了(病理学、医学博士)。インド・ペルシャ湾航路船医(感染症学)、Tufts 大学医学部客員教授(分子生理学)、大阪市立大学医学部教授(分子病態学)、宮城大学副学長等を経て大阪市立大学名誉教授。
福山隆(ふくやま たかし)・・・元自衛隊陸将。1947年生まれ。防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊幹部候補生として入隊。山手線内唯一の部隊: 陸上自衛隊第32普通科連隊長として地下鉄サリン事件の対応の指揮を執る。西部方面総監部幕僚長・陸将。退官後はハーバード大学アジアセンター上級客員研究員等を経て、現在は 広洋産業(株)顧問。
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