「アメリカ、中国、そして日本経済はこうなる」 日下公人 三橋貴明

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アメリカ、中国、そして日本経済はこうなる (WAC BUNKO)

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■リーマンショック後、民主党政権で、
 東日本大震災前の一冊です。


 日本は対外資産が潤沢で
 まだまだ大丈夫という
 内容になっています。
 (結果的に東日本大震災は、なんとか
 乗り越えることができました。)


 ただ、民間のGDPの減少を
 政府が借金で肩代わりしていることに
 変わりはありません。


 規制緩和、法人税軽減、
 公務員と国会議員の削減など
 若い人が活躍できる社会を作ることを
 推奨しています。


・日本は豊かになって、
 若者は何か新しいことをやっている。
 それがわれわれの古い物差しから見ると
 遊んでいるように見える。
 しかし、その遊びから未来産業が生まれる、
 それが歴史の法則だと思う(日下)(p212)


■日本の国家財赤字については、
 家族で金をやりとりしている
 ようなものだとしています。


 つまり、おかあちゃんの財布に
 お金がないので、
 長男や長女の貯金を借りて
 生活しているということです。


 長男や長女は利子をもらいながら、
 いずれはお金は戻ってくると思っていますが、
 お金で食べ物を買い、
 自分も食べてしまっているのですから
 帰ってくることはないのです。


 最終的にはインフレや
 預金封鎖や財産税によって調整される。
 そのくらいは覚悟しなくてはならないと
 しています。


・国内向け国債の発行は所得移転にすぎない。
 そのときに国債を買える人が得をする・・・
 マスグレイブは、国内の金持ちと貧乏人の
 間の所得移転にすぎないから、それを
 アメリカ全体が借金国に転落したというのは
 おかしいと言っている(日下)(p165)


■日本は海外に多額の債権を持っています。
 (お金を貸しています)


 借金をしているほうからすれば、
 できるだけ借金をしておいて
 踏み倒したい。戦争を起こして
 チャラにしようとするかもしれない。


 そうしたことにならないように
 しっかりした軍事力を持ち、
 戦争にならないようにしなくてはならない
 という主張が新鮮でした。


 日下さん、三橋さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・社民党の福島瑞穂は、
 「出入国を管理するのはおかしい、
 人間の出入りを自由化しろ」と、
 まじめに言っている(日下)・・・
 韓国では国籍を取るときに、韓国語の試験や
 韓国の歴史認識などの試験もあるんですね(三橋)・・・
 日本の場合は、日本国籍をとるためには、
 「五年間、素行が良好である」(日下)(p193)


・鳩山さんの国連での演説(2009年9月、
 温室効果ガス25%削減という
 「鳩山イニシャチブ」の演説)は
 聴衆が三分の一ぐらいしかいない中で
 ぱらぱらと拍手されているにもかかわらず、
 テレビなどでは、コメンテーターたちが、
 「こんなに世界に評価された首相は初めてです」
 「大絶賛された」と報道する。
 これは怖いです(三橋)(p188)


・いま帝国主義をやっているのが中国で、
 アフリカを全部中国にしようと思っている
 勢いです。人間をどんどん送り込んで、
 地下資源をみんな取って、それで現地の人間に、
 中国製の服を着て中国製の靴を履くようにしている・・
 だからアフリカ人に独立精神が芽生えてきたら、
 中国人皆殺し事件が起こる(日下)(p67)


・オーストラリアに行って、鉱山の権利を
 買っていますが、あれは本当にどうなるか
 心配で、権利だけ買って、軍隊のにらみが
 きいていないのは没収されかねない。
 海外資産を没収されないためには、
 核を持つことが一番安上がりで効果は
 絶大だと私は言っています(日下)(p121)


・日本的にはホワイトカラーも
 現場に行きますよね(三橋)・・・
 アメリカは奴隷を使ったからで、
 日本は奴隷なしでここまで来たからでしょう。
 基本的なことを言えば、日本は自分で働く文明。
 アメリカは人をこき使う文明(日下)(p228)


・山一証券・・・大蔵省は、
 「それは飛ばしなさい」と教えた。
 そして、飛ばしの先まで教えた。
 山一証券は、その通りやって、
 一時はしのいだ。ところが、
 そのイギリスの会社の担当者が
 アメリカの会社に移った・・・
 「山一の中身は自分が全部知っている。
 大蔵省をごまかす方法も全部知っている」
 というので、今度は移った会社で
 やり出した(日下)(p23)


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■目次

第1部 米中二大国をめぐる世界経済
第2部 日米中三極構造の中の日本



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