「日米中アジア開戦」陳 破空

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日米中アジア開戦 (文春新書)

【私の評価】★★★☆☆(72点)


■天安門事件に民主化リーダーとして参加し、
 二度投獄される。現在米国に亡命し、
 評論家として活動している陳さんの一冊です。


 中国共産党は独裁・専制国家であり、
 情報を統制し、人民を監視し、
 軍事力を強化しています。


 そして選挙のない共産党らしく
 権力闘争の一環として簡単に
 周辺国に武力侵攻を行う可能性が
 あるとしています。


・初めて軍事委員会主席となった身では
 軍部において威信のかけらもない。
 そこで、例えば尖閣諸島で絶えず軍事的な
 騒ぎを起こすなど対外的に紛争を挑発する。
 こうすれば軍を動かし、軍に命令することが
 できる・・・1979年、鄧小平は華国鋒から
 軍権を奪うためにわざと中越衝突を引き起こし、
 最後には何のためらいもなく解放軍を
 ベトナムへ侵攻させた(p81)


■面白いところでは、
 陳さんが日本は中国人民に謝るべきである
 としているところでしょう。


 日本は、日中戦争により
 蒋介石の国民政府を弱体化させ、
 中国共産党を強化してしまった。


 日本は、中国共産党が中国を支配する
 手伝いをしたようなものなので、
 その意味で中国人民に謝るべきであると
 いうのです。


・中国共産党は日中戦争を契機に成長した。
 対岸の火事が大きく燃え上がっている間に
 武装を強化し、その足場を奪い、
 漁夫の利を得たのだ。そしてついには
 中国共産党が政権の座を奪い、その結果
 中国人民に未曽有の苦しみを与え、
 今に至るまで中国を害し続けているのである・・・
 もし謝るのなら、日本はこのことについて
 中国人民に謝るべきである(p113)


■中国共産党を倒せるのは、
 謀略に慣れている
 中国人民だけでしょう。


 周辺諸国に迷惑をかけずに、
 中国人の手で民主化を
 していただきたいと思います。


 陳さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・中国のネットユーザーの
 こんな示唆的な書き込みがある
 「戦争すればいい!勝てば釣魚島が手に入り、
 負ければ新中国が手に入る」(p91)


・中国政府が対外的に公表する防衛費の数字には、
 高精度武器の開発費や外国からの軍備調達費、
 さらに各地方政府から支出される軍隊への
 予算といった項目は含まれていない。
 国際的には、中国政府が公表した数字を
 2,3倍にしたものが実際の国防予算と
 見積もるのが普通である(p17)


・後に李鵬は回想している。「鄧小平は
 兵士の心を掌握できるか憂慮していた・・・
 大虐殺の命令が下された1989年6月4日、
 鄧は姿をくらましていた。鎮圧計画が
 失敗したら一家ともどもパキスタンへ
 脱出しようと、軍用機をこっそり
 準備していたのだ(p18)


・2010年3月、中国政府は突然声高に宣言した。
 中国は南シナ海における全ての主権を有しており、
 これは中国の「核心的利益」であると。
 これにより、中国はASEAN諸国が署名した
 「南シナ海行動宣言」(2002年)を
 反故にした(p40)


・いわゆる海監船とは実は軍艦で、
 海監機とは実は戦闘機である。
 ただ名前を変えただけで、
 これは中国共産党のお得意の
 目くらまし戦法である(p99)


・大量の中国人がロシア極東地区へと進入している・・・
 ロシア人は「狼が来たぞ」と驚き、
 中国人が戦わずして極東地域を
 手に入れるのではと心配している。
 だが中国人は内心ではこう思っている。
 「ここはもともと我々祖先の土地だ」と。(p127)


・解放軍高級幹部には北部出身者が増えており、
 南部出身者は少なくなっている。
 それは中国共産党の指導者の多くが、
 南方人は北方人よりも聡明で、
 謀反を起こす可能性があると疑い、
 信用しない傾向にあるからである(p157)


・中国共産党上層部と各級役人たち自身が、
 親族や財産を多量に国外に移している・・・
 開戦時に米軍が、中国共産党高官が
 外国に移した不正な金の実態を
 暴いたビラを撒くだけで、
 中国共産党の統治への信頼は
 すぐさま地に落ちるだろう(p245)


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■目次

第1章 軍国主義は日本ではなく中国だ
第2章 中国の隣国いじめ
第3章 文革世代、習近平の弱点
第4章 尖閣諸島、北京の危険な賭け
第5章 開戦、そのとき中国の同盟国は?
第6章 百年の腐敗 北洋水師と解放軍
第7章 日中開戦シミュレーション―激戦尖閣諸島
第8章 米中サイバー大戦
第9章 ヒートアップする米中対立
第10章 米中開戦のシミュレーション―サイバー攻防から開戦へ



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