「本当はヤバくない日本経済 破綻を望む面妖な人々」三橋 貴明
2009/06/01公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
■日本のニュースや報道番組を見ていると、
ニュースとキャスターの一言コメントばかりで
論調の根拠となるデータがないことが
多いものです。
この本は、そうした社会問題について
データを基に考えよう!
という一冊です。
■まず、著者は「日本は外需依存ではない」と
断定しています。
輸出のGDP比率は、日本15%、米国8%、
ドイツ40%、中国37%、韓国38%、
ロシア27%。
したがって、
「円高で輸出企業が困る」のは事実としても、
それが最重要課題ではないということです。
問題は、為替ではなく、絶対需要が
減少しているということ。
日本の製品は高くなっても売れるのですが、
需要自体が減ったら、
これは売れないということです。
・日本は外需依存国家ではない・・・輸出企業が苦境に陥っている最大の理由は、円高ではない未だかつて、通貨高で経済破綻した国は存在しない(p24)
■また、「日本が米国の言いなり」という表現については、
日銀の米国債の保有残高が減っているという事実から
これを否定します。
米国の言いなりは、米国債の保有残高を増やしている
中国である。これは、中国の外需依存であることと、
関係があるのでしょう。
・日本銀行は大々的な為替介入を実施した04年をピークに米国債の保有残高を減らし続けている・・・飼い犬のように米国債を購入し続けていると言えば、むしろ明らかに中国の方である。(p79)
■著者の結論は、
日本のマスコミは信用できない
ということです。
マスコミの論調は、
「円高・・・日本は破綻する」
「円安・・・日本は破綻する」
といったように、どうなっても日本はあぶない、
政府の対策は悪い、というものです。
つまり、これは報道ではなく
「プロパガンダ」なのでしょう。
■日本の経済も良くはありませんが、
他の国と比べれば「まだまし」ということです。
それでも日本には、
さらに良くなってもらいたいものです。
本の評価としては、★4つとしました。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・1 絶対値で見ない(割合で見る)
2 流れで見る(瞬間で見ない)
3 他者と比較をする(p14)
・120兆円・・・この途轍もない規模の資産を運用する国富ファンドは、「年金積立金管理運用独立行政法人」という名称を持つ。・・・以前はもっと単純な名前だった。すなわち、大規模年金保養施設「グリーンピア」建設で悪名高い、年金福祉事業団である。(p186)
・日本は元々の件数が少ないにもかかわらず、年々犯罪件数が減り続けている。・・・但し、日本には唯一、認知件数が高止まりしている犯罪の種別がある。それは外国人犯罪、特に来日した中国人と韓国人、それにブラジル人による犯罪である。(p196)
・世界中のブログを専門的に調査しているテクノラティ社によると・・・世界のブログ投稿において、最も使用されている言語は日本語なのである。(p209)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★★☆(82点)
■著者経歴・・・三橋 貴明(みはし たかあき)
1994年外資系IT企業、NEC,日本IBMなどに勤務後、2007年、2ちゃんねるで韓国経済に対する分析、予測をする。「本当はヤバイ!韓国経済」「本当にヤバイ!中国経済」「ドル崩壊!」「崩壊する世界 繁栄する日本」など著書がある。
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