「国家情報戦略」佐藤 優、コウ・ヨンチョル
2015/07/15公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
■日韓両国で諜報活動に携わり、
最終的に国家に裏切られた
二人の対談です。
諜報とは、危険な仕事であるだけでなく、
政権の都合によって
切られてしまう可能性が
ある仕事なのです。
お二人は、思ったより淡々と
インテリジェンスの世界を
語っている印象でした。
・木に関する情報をたくさん持っていても、山全体を把握することができるかどうかはわからない。山全体を把握できる人こそが、インテリジェンスには必要なのです(コウ)(p56)
■外交・諜報の世界は、
映画のようなルールなき世界ではなく、
一定のルールがあると分かりました。
また、電話は盗聴されているし、
電子メールもチェックされている。
スパイは、
私たちのすぐ隣にいるのです。
・国際社会においては「国家元首は嘘をつかない」という原則があって、国家元首が嘘をつくと、外交ゲームがものすごい面倒くさいことになる・・しかし、北朝鮮はこのルールを守らない(p156)
■国家による情報収集と
それを支える組織、人材が
重要であるとわかりました。
情報こそが、
国家の命運を左右するのでしょう。
佐藤さん、高さん、
良い本をありがとうございました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・戦後の日本には政治犯罪はないという建前になっているが、それは嘘だ・・時の政権にとって都合がよくないので、整理される個人や組織が存在する(p7)
・私が現役時代、つまり五年前の実情をいえば、ワシントンの日本大使館には職員が180人いましたが、アメリカの内政情報を集めているのは、わずは二人でした。日本の外務本省でもアメリカ調査を担当していたのは二人だけでした(p63)
・在外大使館に赴任する外交官の多くは「公式に認定されたスパイ」・・・いっぽうブラック工作員は身分を隠して潜伏活動を行っています(p101)
・ロシアは北朝鮮の黄海道に特殊レーダー基地を通信傍受基地を運営していることが知られています・・ロシア版「エシュロン」として、アメリカNSA傘下の本家「エシュロン」と同じ任務を遂行しています。ロシアはこのような通信傍受基地を、北朝鮮以外に、キューバとベトナムでも運用しています(p87)
講談社
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
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■目次
第1章 フジテレビ秘密情報漏洩事件
第2章 韓国と日本のインテリジェンス
第3章 友好国とのインテリジェンス協力
第4章 日本人の情報DNA―陸軍中野学校の驚異
第5章 北朝鮮はどうなる
終章 核の帝国主義
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