「教科書では教えない入門 新世界史 文藝春秋SPECIAL 2017年春号」

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文藝春秋SPECIAL 2017年春号[雑誌]

【私の評価】★★★☆☆(78点)


■世界史というと敷居が高いので、
 まずは雑誌からと手にした一冊です。


 テーマは脈絡がなく幅広い。
 なぜローマは滅んだのか。
 ニュートンの素顔。
 ペルシャからイランの歴史。


 マキャヴェリは
 なぜ「君主論」を書いたのか、などは、
 ただ「君主論」を読むより
 事前のインプットで読み方が変わるはず。


・マキャベリは人間を五箇条をもって定義している
 一、受けた恩はすぐに忘れ易い。
 二、すぐに飽きて、移り気である。
 三、偽善的であり、自分の行動に大義を欲しがる。
 四、危険に際しては臆病で、恐怖から行動する。
 五、利に対しては常に貪欲である(p177)


■面白いのは
 現代社会を歴史との比較で
 考えてみることでしょう。


 例えば、トランプ大統領の
 保護主義、民族主義が力を持ち
 90年間前の世界恐慌の
 再来となるのか。


 現在の金利の低さは、
 この1000年の金利の動きから見て
 どう考えるべきなのか。


 資本主義においてお金持ちは、
 より高い金利を求めて
 常に動いているのです。


・軍備を放棄し戦争を否定したつもりが、
 かえって軍事バランスを崩し、
 近隣国が戦争に踏み切るメリットを
 増大させてしまうことにもつながる。
 これが戦略に常に発生する
 パラドックスだ(p70)


■歴史をどう読むのかは、
 人それぞれでしょう。


 また、だからこそ
 歴史が面白い!
 ということでしょうか。


 文藝春秋さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・江戸時代、特に末期の平均身長は
 男性で155センチ、女性が143センチ
 平均体重も男性で50キロ台だったという
 推定値があります・・・日本の歴史で
 最も貧弱な体格だったと考えられます。
 しかも江戸時代は、身分制度によって
 職業選択の自由もなく、移動の自由も
 制限されていました(p9)


・五世紀にローマ帝国の西側(西ローマ帝国)が
 滅んだのは、その完備された道路網が失われた
 ことも大きな原因のひとつです。四世紀中頃から
 侵入してきた蛮族によって道路がズタズタに
 寸断され、馬や兵ががいた駐屯地を奪われることで、
 治安維持の基盤だった情報インフラが
 機能しなくなったのです(p11)


・ローマ帝国がキリスト教を国教とした・・・
 他宗教の人たちは住みにくくなります。
 アテネの古代オリンピックも中止されます。
 オリンピックとは、ギリスト教にとって
 異教の神であるゼウスを崇める祭典だからです。
 このときにローマ帝国は、それまであった
 <寛容さ>をひとつ失いました(p12)


・商人や旅人からお金を取り上げるのが「関所」で、
 民間団体が勝手に行うのが「山賊」「海賊」という
 だけのこと。どちらにも商人にとってはそれだけ
 コスト高になって、交易の妨げになります(p13)


・ヴァイキングはふつうに商売ができるときは
 ただの商人です。これは倭寇も同様で、
 明との交易がうまくいっている時期は
 海商の共同体だったのですが、
 明が海禁政策をとり、彼らの商売を
 禁じたために海賊となった。
 明がモンゴル系の北方民族に対しても、
 通商を断ったがために侵攻され、
 皇帝が捕虜になったりしています(p17)


・現在も存続している主なヨーロッパ王室は、
 イギリス、スペイン、オランダ、ベルギー、
 スウェーデン、デンマーク、ノルウェーなどだが、
 最も古いのは十世紀から続くデンマークの
 グリュックスブルク家である(p42)


・悪名高い魔女狩りや魔女裁判は
 宗教改革以前には見られず、
 ほとんどが宗教改革後のプロテスタント圏で
 起こっているのだが、
 それが宗教美術を破壊するのと
 同根の異常なまでの偏狭さや
 不寛容が生み出したものだった(p48)


・教皇選挙のたびにヨーロッパの有力政治勢力は
 水面下で選挙に介入し、自分に有利な
 教皇を当選させようと熾烈な争いを繰り広げた。
 そして代替わりするたびに教皇の政策は
 変更され、同盟する政治勢力も交替した(p59)


・ここで重要なのは、同盟という大戦略は、
 しばしば不快で、残酷でもあり、
 疲労を強いられるものだ、
 ということである(p75)


・ドイツとは何か・・・
 ナポレオン打倒後に開かれたウィーン会議では、
 35の君主国と4つの自由都市からなる
 ドイツ連邦が成立しました。
 これは各国が独立国でありながら、
 フランクフルトに連邦議会を置くというもので、
 その議長国はオーストリアでした(p110)


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【私の評価】★★★☆☆(78点)

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■目次

◎モンゴル帝国VS.五賢帝ローマ
安全、食事、健康、言論・行動の自由......。
最も人々が暮らしを謳歌した時代は?
「史上『最高の国』はどこだ?」出口治明
◎トランプ以後の世界史を語ろう エマニュエル・トッド
■■教科書に載ってない世界史14■■
◎古代ギリシアはペルシア帝国に操られていた 森谷公俊 
◎人間孔子とは何者だったのか 呉智英
◎ローマ帝国を滅ぼした難民と格差 井上文則 
◎女子継承で争ったヨーロッパ王室史 海野弘
◎ルネサンスを破壊した宗教改革 宮下規久朗
◎マキャヴェッリはなぜ『君主論』を書いたのか 原基晶
◎明を揺るがした日本の火縄銃 久芳崇
◎戦略家家康が駆使した「同盟の論理」 エドワード・ルトワック 
◎"金貸し"ニュートン 二つの錬金術 東谷暁
◎フランス革命も「外圧」の産物だった 中野剛志 
◎歴史人口学から見た太平天国の乱 上田信
◎トランプには真似できない大英帝国の支配術 中西輝政
◎臆病なビスマルクがドイツ帝国をつくった 臼井隆一郎
◎韓国大統領はなぜ悲惨な末路を迎えるのか 木村幹 
■■10分でわかる!気になる国の歴史■■
◎ナポレオンが火をつけたロシアの魂 中村逸郎
◎北朝鮮 粛清とミサイルの起源 鐸木昌之 
◎インド 開かれた亜大陸 脇村孝平
◎イラン 古代帝国から核開発までの二千五百年史 宮崎正勝
◎ラテンアメリカ 米国との終わりなき闘い 野谷文昭
◎「『古代ローマを調べてくれ』
孫正義が歴史から学んだ 三〇〇年帝国のつくり方」嶋聡
◎大転換がやってくる! 金利・株式会社・資本主義の終焉 水野和夫
■■世界を動かすアメリカ史■■
◎全採点! アメリカ大統領の値打ち戦後編 福田和也
◎トランプ対CIA 冷戦後に何が起こったのか? 春名幹男
◎「南シナ海で米中衝突」を予言! 1942年イエール大白熱授業 奥山真司
◎共和党VS.民主党 日本人が知らないアメリカ史 渡辺惣樹
■特別講義 宗教を知れば日本史がわかる■ 本郷和人
■大日本史(5) 満州事変と天皇機関説■ 山内昌之×佐藤優



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