「人に強くなる極意」佐藤 優
2015/04/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
鈴木宗男さんと一緒に刑務所に入った佐藤優さんの一冊です。やはり、人生うまくいっていると、どうしても驕り、侮りが出てしまうようです。佐藤さんであっても、例外ではなかったのです。
・「侮り」って人生の罠のようなものだと思います・・怖いのは、自分の中の「侮り」の気持ちに、自分自身はなかなか気がつかないということ。(p103)
そうした人生の生き方を説きながら、中に時々出てくる世の中の話が面白い。現在の脅威は中国であり、TPPは中国包囲網の一つという認識であること。検察の人を落とすテクニック。ときどき、本音の部分が、ボロッと出てくるのです。
・TPPは自由貿易の象徴であるかのようですが、本質は全く違う。米国の狙いは、中国の台頭をもはや一国で抑えることは難しいため、日米軍事同盟、米豪軍事同盟、米ニュージーランド軍事同盟をひとまとめにして、それをかぶせる経済体制をつくりたい(p70)
各章に関連書籍が紹介されているので、何冊か読んでみました。幅広い読書をされていることがわかりますね。佐藤さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・中国が潜在的脅威だという見方は甘い。日本にとって、中国は顕在化した現実的な脅威である。・・重要なのは、必要かつ十分な防衛費を確保することだと私は見ている。(p5)
・役人たちにナメられないためにも、明らかに彼らが嘘をついている時は毅然として、時には大きな声を出しても怒らなければいけない(p24)
・何か心当たりが少しでもあるなら、カウンセラーでも精神科医でもいい、専門家のところに駆け込むこと。・・これからのビジネスパーソンのメンタルヘルスを考えた時、専門家に客観的なアドバイスをもらうのは生き残っていくうえで非常に大切な手段。(p43)
・拘置所で体験した検察の取り調べなんて、まさに相手をびびらせるノウハウのオンパレード・・特に特捜の常識として「官僚、商社マン、銀行員、大企業社員といったエリートは徹底的に怒鳴りつけ、プライドを傷つけると供述をとりやすい」(p57)
・「内省ノート」をつけてみることをおすすめします。自分があきらめきれないことは何なのか、なぜあきらめきれないのか、・・・そうして目標が明確になったら、期限を区切ってみましょう(p180)
・できる人は「仕事の遠近感」を持っている・・・1週間、1カ月の時間の流れの中で、どの仕事をいつまでにこなすか。逆にいつから手をつければ大丈夫なのか、はっきりつかんでおくのです(p192)
・外務省時代の上司だった東郷和彦局長は、とにかく判断が早くてあまりブレなかった・・・この違いは、普段からいろいろなことを頭の中で考え、シミュレーションしているかどうか。(p197)
青春出版社
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【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章 怒らない
第2章 びびらない
第3章 飾らない
第4章 侮らない
第5章 断らない
第6章 お金に振り回されない
第7章 あきらめない
第8章 先送りしない
著者経歴
佐藤 優(さとう まさる)・・・1960年生まれ。日本の作家。学位は神学修士(同志社大学・1985年)。同志社大学神学部客員教授、静岡文化芸術大学招聘客員教授。在ロシア日本国大使館三等書記官、外務省国際情報局分析第一課主任分析官、外務省大臣官房総務課課長補佐を歴任。2002年に鈴木宗男事件に絡む背任容疑で逮捕される。2005年に執行猶予付き有罪判決(懲役2年6か月、執行猶予4年)を受け東京高等裁判所、最高裁判所は上告を棄却し、判決が確定した。
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