「「苦しい」が「楽しい」に変わる本 ー「つらい」を科学的になくす7つの方法」樺沢 紫苑
2011/10/30公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(92点)
要約と感想レビュー
苦しいときがチャンス
日本では、毎年3万人の人が自殺でなくなっています。一方、東日本大震災の死者は1.5万人、行方不明者は4000人、合計2万人くらい。毎年、震災が起きているようなものなのです。著者は精神科医として、この自殺者を減らしたいとこの本を書いたのです。
世の中に完璧な人間がいないように、一つの悩みもない人はいないでしょう。一部の人はその悩みに苦しんでいますが、また一部の人は悩みを課題に転換し、自分を改善・成長させる機会に変えています。そこには、悩みをどう捉えるのかといった、考え方の差にあるのです。成長している人は、苦しいときがチャンスと考えるようなのです。
「苦しい」は、成長している瞬間です。(p59)
困難を乗り越えた自分をイメージ
気分というものは、脳内の作用で作られます。気分が悪くなる記憶を思い出したグループは、免疫細胞の数が低下し、その活動性も低くなったというデータがあるのです。脳内のことですから、考え方、生活を変えることで、改善させることもできるのです。精神科医である著者も、良いことを考えることをお勧めしています。良い状況を考えイメージし、それを脳が信じれば、脳は現実と勘違いしてくれるのです。
また、成長した自分をイメージすれば、脳はそれを当然のこととして実現してくれます。脳でイメージしたことを実現するのは、万物の霊長である人間の特性なのでしょう。だからとにかく、辛いときには、この苦しいときを乗り越えた自分をイメージします。そして、いずれこの状況も変わり、次のステップが来るということを知るべきであり、イメージすべきなのです。
誰でも簡単にできるイメージ・トレーニング。それは、「苦しいを超えた自分」をイメージすることです。「今の困難を乗り越え成長した自分」をイメージ(p33)
「逃げる」という道がある
最後に注意すべきことは、選択肢として「逃げる」という道があることです。嫌なことは断りましょう。嫌な人とは距離を取りましょう。ストレスで病気になってしまうくらいなら、逃げてしまえばよいのです。でも逃げられないなら、全力でぶつかりましょう。人に相談しましょう。いずれその困難を乗り越える自分をイメージするのです。
また、「インターネットを使って情報発信」するのもストレス発散になるそうです。そして、「睡眠」「運動」「休息」という最低限の健康を維持していくことが大事なのです。
専門家であり医師であり、メルマガも書かれているので、最後まで充実した内容でした。悩み対策の本としてお勧めできると思います。樺沢さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・彼は元米兵で、その訓練の一環で、サバイバルのテクニックを学んだそうです。米軍直伝のテクニックが「先のことは考えるな!『今』にフォーカスしろ」(p67)
・「あなたの嫌いな人」は「あなたに似た人」かも・・・自分が持つ欠点や弱点と同じものを相手が持っていると、それを攻撃したり、腹立たしく感じることがある(p97)
・「かげ口」ではなく「かげほめ」・・・嫌いな人間をほめるようにする。そうすると、おもしろいように人間関係が変わっていきます(p107)
・「怒り」とは相手を攻撃しているようで、実は自分を攻撃している(p152)
【私の評価】★★★★★(92点)
目次
第1章 「苦しい」と「楽しい」の基本
第2章 「苦しい」が「楽しい」に変わる7つの方法
第3章 「苦しい」をモチベーションに変える技術
第4章 「嫌い」を「好き」に変える人間関係を改善する5つの技術
第5章 変えられない「苦しい」を「楽しい」に変える方法
第6章 究極の「苦しい」解消法
著者経歴
樺沢紫苑(かばさわ しおん)・・・精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。メールマガジン「精神科医・樺沢紫苑 公式メルマガ」など15万部以上を配信している。その発行部数は国内でも屈指。Facebookページの「いいね! 」数は約14万。Twitterフォロワーは約12万人。こうしたインターネット・メディアを駆使して、精神医学、心理学の知識や情報をわかりやすく発信している。
精神科医関係書籍
「あなたが死にたいのは、死ぬほど頑張って生きているから」平光源
「自己評価の心理学―なぜあの人は自分に自信があるのか」
「「苦しい」が「楽しい」に変わる本 ー「つらい」を科学的になくす7つの方法」樺沢 紫苑
「精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方」
「精神科医は腹の底で何を考えているか」春日武彦
「人生に、上下も勝ち負けもありません 精神科医が教える老子の言葉」野村総一郎
「患者のカルテに見た自分」中沢正夫
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