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「自己評価の心理学―なぜあの人は自分に自信があるのか」クリストフ・アンドレ,フランソワ・ルロール

2022/08/10公開 更新
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「自己評価の心理学―なぜあの人は自分に自信があるのか」クリストフ・アンドレ,フランソワ・ルロール


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

 自尊心について分析した一冊です。世の中には、自己評価の高い人と自己評価が低い人がいます。自己評価の高い人は、粘り強く努力し、一度決めたことを簡単に諦めません。その一方で意固地になって、失敗の傷を広げてしまうこともあるのです。


 逆に、自己評価の低い人は、粘り強さに欠け、困難にぶつかったり、人から反対されると、すぐにあきらめる傾向にあります。その一方で人のアドバイスを素直に聞くので、大きな失敗がなく正しい判断をすることが多いのも事実なのです。確かに、自己評価の低い人が何かをしようと思った時、他人からどう見られているかどうかで、するかしないか判断が変わるのは事実なのでしょう。


・自己評価の高い人の場合、その事柄にどこまで思い入れがあるかで続けるかどうかが変わってくる・・・自己評価の低い人は自分の思い入れではなく、社会的な制約に従って、決めたことを続ける場合が多い(p43)


 自己評価の高い人は、まず行動して、成功したら素直に喜び、失敗したら冷静に原因を解明し、落ち込むことなく次の挑戦を行います。プラスのサイクルです。逆に、自己評価の低い人は、そもそも行動することが少なく、時々行動して成功しても自分の能力によるものだとは思わず、逆に失敗すると自分はダメだと思ってしまう傾向にあるのです。


 では、どうすれば自己評価を高めるプラスのサイクルを実現するのかといえば、この本では「もううんざりだ」というのではなく「じゃあ、こうしてみよう」と言い方を変えることを推奨しています。つまり、自分はダメだと考えるのではなく、改善して再度挑戦するように、口癖を変えることで行動の癖を変えるのです。


・自己評価の低い人は失敗をしたり、人から批判されたりするのに耐えられない(p51)


 自己評価の高い人の場合は、自分が失敗した時に他人の悪口を言う傾向にあるという。だから自分を変えるのではなく、他人を変えたくなったときは、要注意ということなのでしょう。このように自己評価が高くても、低くても一長一短であり、良い悪いではないことがわかります。自分の自己評価の傾向を知り、よいところは伸ばし、悪いところはうまく付き合っていくことが大事なのでしょう。


 「子供の行動にかかわらず支持してやるのが「愛情」で、子供の行動によって支持するかどうか変わるのが「教育」である」といった名言も多く、自尊心という人間にとって永遠のテーマを面白く読めました。アンドレさん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・自分に自信が持てたり、臆病になったりするのは、誰と一緒にいるかで変わる(p34)


・自己評価の高い人は成功を望み、低い人は失敗を恐れる(p59)


・自己評価の低い人がグループでの活動を好む理由・・・失敗の責任を軽くしたいのである(p283)


・自己評価が低いことの利点はいくつかあるが、その最大のものは「人から受け入れやすい」ということだろう(p63)


・女性は自己評価が下がった時に誘惑に弱い(p148)


・世の中には成功を恐れて失敗を好む人々がいる・・・むしろ安心する・・自己評価を維持するためであるという(p291)


・若者は自殺を図ることによって、両親に助けを求めている場合も多い(p113)


▼引用は、この本からです
「自己評価の心理学―なぜあの人は自分に自信があるのか」クリストフ・アンドレ,フランソワ・ルロール
クリストフ アンドレ, フランソワ ルロール、紀伊國屋書店


【私の評価】★★★★☆(88点)


目次

第1部  あなたは自分をどう評価していますか
 第1章  自己評価の三つの柱
 第2章  肯定的評価と否定的評価
 第3章  自己評価が低くても心配することはない
 第4章  あなたの自己評価は安定しているか
第2部  自己評価を理解する
 第5章  自己評価はどのようにしてできあがるのか
 第6章  大人の自己評価
 第7章  自己評価か自己イメージか
 第8章  自己評価の理論
第3部  自己評価改善法
 第9章  自己評価と心の病
 第10章  自己評価の応急処置
 第11章  我を愛する、ゆえに我あ



著者紹介

 クリストフ アンドレ(Christophe Andre)・・・精神科医。トゥールーズの大学で精神医学を学んだあと、パリのサン・タンヌ病院に勤務。社会恐怖症および集団精神療法の専門家で、企業の顧問医も務めている。また、パリやボルドーなどいくつかの大学で講座を持っている。著書に、『難しい性格の人とのつきあい方』(フランソワ・ルロールとの共著、1996年、邦訳は紀伊国屋書店より刊行予定、仮題)、『ほかの人が怖い、内気、あがり症、その他の社会恐怖症』(共著、1995年)、『認知療法』(1995年)がある


 フランソワ ルロール(Francois Lelord)・・・精神科医。ネッケル病院の医長を務めたあと、カリフォルニア大学で行動療法を学ぶ。職業的なストレス予防の分野で企業の顧問医を務めている。著書に、『難しい性格の人とのつきあい方』、『ある平凡な精神科医の小話集』(1993年)、『精神病患者たちのための自由』(2000年)がある


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