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「マキアヴェリ語録」塩野 七生

2010/04/27公開 更新
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マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)


【私の評価】★★★★☆(89点)


要約と感想レビュー

■マキアヴェリの「君主論」「政略論」から
 塩野さんが選り選って引用した一冊です。


 私も44歳になってやっとマキアヴェリの言葉の
 意味がわかってくるようになってきたのでしょうか。


 私には、マキアヴェリの言葉には、
 実務者としての経験と物事の本質を見る
 力が感じられました。


・将来起きうる紛争も、芽のうちにつみ取っていれば、対策も容易になる。(p79)


■特に、上に立つものは、
 ある意味、権威というか威厳というか
 下から恐れられる面を
 持っていなくてはなりません。


 そのためには、知識、経験、人脈、表現など、
 何らかの強みを持っていなくては
 ならないのでしょう。


 いずれにしろ、下から見くびられるようでは
 仕事はできません。


・君主にとって、厳重のうえにも厳重に警戒しなければならないことは、軽蔑されたり見くびられたりすることである(p93)


■ただ、そうしたリーダーの資質というものは、
 学ぶことで得られるものもありますが、
 性格的なものもあるように感じます。


 結果からしかリーダーは評価されないのですから、
 方法・手段はともかく、人に動いてもらい、
 成果を出せるようでなくてはならないのです。


・結果さえよければ、手段は常に正当化されるのである(p110)


■私も「結果」を求められる
 世代になってきたようです。


 塩野さんも「作品」によって
 評価されているのですから、
 私は塩野さんに感謝したいと思います。


 塩野さん、
 よい本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・予測しなかった事故は、立ち直るのに非常な困難をともなう。だが、あらかじめ考えにいれておけば、たとえ不意を襲われたとしても、容易に立ち直れるものである。(p125)


・君主にとっての最大の悪徳は、憎しみを買うことと軽蔑されることである(p94)


・君主は、自らの権威を傷つけるおそれのある妥協は、絶対にすべきではない。たとえそれを耐えぬく自信があったとしても、この種の妥協は絶対にしてはならない。(p116)


・人間というものは、自分を守ってくれなかったり、誤りを質す力もない者に対して、忠誠であることはできない(p88)


・ある人物を評価するに際して最も簡単で確実な方法は、その人物がどのような人々とつきあっているかを見ることである。(p256)


・民衆とは、キケロも言ったように、無知ではあるけれども真実を見ぬく能力はもっているのだ。(p239)


マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)
塩野 七生
新潮社
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【私の評価】★★★★☆(89点)



著者経歴

 塩野 七生(しおの ななみ)・・・1937年7月、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。1968年から執筆活動を開始。1970年、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』で毎日出版文化賞を受賞。この年よりイタリアに在住。1981年、『海の都の物語』でサントリー学芸賞。1982年、菊池寛賞。1988年、『わが友マキアヴェッリ』で女流文学賞。1999年、司馬遼太郎賞。2002年にはイタリア政府より国家功労勲章を授与される。2007年、文化功労者に。『ローマ人の物語』は2006年に全15巻が完結


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