「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」エリヤフ・ゴールドラット
2004/08/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
要約と感想レビュー
本書はTOC(制約理論)の教科書とも言われますが、内容的にはトヨタ生産方式の一部を分りやすい理論として紹介しているように感じました。トヨタの場合は、カンバンにより在庫を制限し、ボトルネックに合わせて他の工程は生産していくという考え方です。そして、ボトルネックとなる部分は見えていますので、そこをさらに改善していくのです。
・つまり、『ボトルネックの一時間当たりの生産能力イコール工場の一時間当たりの生産能力』となるわけだ。(p247)
トヨタ生産方式の本はたくさんありますが、この本のようにストーリー形式になっているものがあると非常に面白いと思いました。ある青年が小さな工場に入社し、苦労しながら生産現場を変えていくという物語だと理解が早くなると思いました。
本書のよいところは、生産理論に留まらず、本当の問題はそこで働く人々の考え方(ポリシー)が非常に重要であることを指摘していることだと思います。やはり、現場で革命的なTOCを適用しようとするとき、どうしても従来のやり方に固執してしまうのが普通の人間だからです。
この本で私が共感した名言
・ルー、まだわからないのか。真の制約条件は機械なんかじゃない。ポリシーなんだ。(p513)
・一番ゆっくり歩く人のペースによって列全体のスループットが決まる。(p180)
・TOC導入において克服しなければいけない最大の障害が、変化に対する抵抗であることは、みんな認めるところだと思う。(p535)
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★★☆(88点)
目次
1 突然の閉鎖通告
2 恩師との邂逅
3 亀裂
4 ハイキング
5 ハービーを探せ
6 つかの間の祝杯
7 報告書
8 新たな尺度
著者経歴
エリヤフ・ゴールドラット・・・イスラエルの物理学者。1948年生まれ。TOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)の提唱者として知られる。本書『ザ・ゴール』で説明した生産管理の手法をTOCと名づけ、その研究や教育を推進する研究所を設立した。その後、TOCを単なる生産管理の理論から、新しい会計方法(スループット会計)や一般的な問題解決の手法(思考プロセス)へと発展させ、アメリカの生産管理やサプライチェーン・マネジメントに大きな影響を与えた
TOC関連書籍
「ザ・キャッシュ・マシーン」リチャード・クラフォルツ
「優れた発想はなぜゴミ箱に捨てられるのか? 限界を突破するTOCイノベーションプロセス」 岸良 裕司
「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」エリヤフ・ゴールドラット
「ザ・ベロシティ」ディー・ジェイコブ
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