「ザ・チョイス―複雑さに惑わされるな!」エリヤフ・ゴールドラット
2009/04/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
要約と感想レビュー
ロットを小さくして売れ行きによって生産調整
小売店において、在庫を減らしながら、いかに売れ残りを減らし、品切れをいかになくすかという問題について解説してくれる一冊です。これはセブンイレブンで行われている方式ではないのか?!というのが、第一印象でした。
アパレルなどの小売では、見込み生産を行い、売れ残りはアウトレットなどで処分しています。品切れ、売れ残りを少なくするためには、初期のロットを小さくし、売れ行きによって生産調整を行うという方法があります。また、小売店における品切れをなくすためには、発注と納入の周期を短くすることが必要です。週一回の配送なら毎日にする。毎日配送なら、一日二回の配送にすることで、品切れはほとんどなくなります。
補充頻度を週一回から、一日一回に増やすことで品切れはほとんどなくなり、在庫も半分以下にまで減らすことができる(p218)
不平を言うか改善を続けるかの選択
本書のタイトルである「チョイス=選択」とは、不平を言うか、改善を続けるか、選択するのはあなたです、という意味です。これは、継続的に改善をしていきましょう!という意味であると私は解釈しました。
この本では、課題がどんな状況でも、たとえどんなに複雑に見えたとしても、その課題の本質は実は極めてシンプルなんだという。それに気づき、本質の課題を解決すれば、すべてがうまく回り始めるのです。
新しい試みがうまくいかない時、選択肢は二つある。一つは、結果に対して不平をブツブツもらすこと。もう一つは、何をどう修正しなければいけないのか、その結果から新たな知識を獲得することだ(p10)
小説形式で読みやすい
いつもの小説形式で読みやすい一冊でした。小売のノウハウを理論として標準化し、わかりやすく説明する技術は西欧のほうが一歩進んでいるように感じました。
本の評価としては、★3つとします。
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この本で私が共感した名言
・補充モードへ転換する・・・適切な補充体制によって品切れはほとんどなくなり、その結果、売上げは増加する。もう一つは、売れ行きの悪い商品の在庫減少だ。(p165)
・博士は、「トヨタ生産方式の産みの親である大野耐一氏がいなかったら、TOCは存在しなかった」と常に公言するほど、大野氏を尊敬してやまない(p286)
・セネカが言った言葉を知っているかな?『幸運は、準備と機会が巡り合った時に訪れる』・・・「不運はその逆だ。不運とは、現実と準備不足が巡り合った時に訪れる。(p13)
▼引用は、この本からです。
ダイヤモンド社
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【私の評価】★★★☆☆(77点)
目次
二つの選択肢
ゴールドラット・レポート あらためて、常識とは何か
なぜ、当たり前のことができないのか
ものごとは、そもそもシンプルである
矛盾と対立
信念を行動に
調和
ゴールドラット・レポート 決して、わかったつもりになるな
ウィン‐ウィン
機会はいくらでもある
ゴールドラット・レポート 販売期間の短い製品
限界なき可能性
明晰な思考とトートロジー
ゴールドラット・レポート コンフォートゾーン(Part1)
人はもともと善良である
ゴールドラット・レポート コンフォートゾーン(Part2)
感情、直感、そしてロジック
フリーダム・オブ・チョイス
著者経歴
エリヤフ・ゴールドラット・・・イスラエルの物理学者。1948年生まれ。トヨタ生産方式の生産管理の考え方をTOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)と名づけ、研究所を設立。TOCを普及させるために、ゴールドラット・グループを創設。その後、TOCを単なる生産管理の理論から、新しい会計方法(スループット会計)や一般的な問題解決の手法(思考プロセス)へと発展させ、アメリカの生産管理やサプライチェーン・マネジメントに大きな影響を与えた
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