人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

【書評】朝日新聞の正体「変見自在 ヒットラーは生きている 」高山正之

2025/08/21公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

「変見自在 ヒットラーは生きている 」高山正之


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー


中国と朝日新聞の関係

辛辣なコメントで批判の多い高山正之さんの週刊新潮連載コラム「変見自在」からまとめた一冊です。副題の「ヒットラーは生きている」とは、ナチスが得意だった民衆を洗脳するプロパガンダが、現代社会も行われていると言いたいのではないでしょうか。


この本では「朝日新聞」が、コラムの半分くらいにでてきます。産経新聞社の記者であった高山正之さんから見た「朝日新聞」像が興味深いのです。


まず、中国と朝日新聞の関係です。中国が文革で混乱したとき、産経新聞の柴田穂は、「文革は毛沢東の仕組んだ権力闘争だ」と報じ、柴田は追放されました。他社も真実を報道して追放されましたが、朝日新聞の秋岡家栄は追放されなかったのです。秋岡の報道の貢献に対し、秋岡は定年退職すると人民日報日本代表になったという。


中国と朝日新聞の関係は続きます。美土路昌一社長は岡崎嘉平太に「日本は中国で非道をやった」と報道させ、広岡知男社長は本多勝一に「ナチのように振る舞った日本軍」の嘘を連載させたというのです。


尖閣でも朝日(新聞)は一貫して中国の主張を指示して領土問題化させてきた。その見返りかどうか,朝日(新聞)の北京支局長は中国政府機関に再就職している(p56)

朝日新聞と慰安婦問題

朝日新聞は10年前,安倍首相から「慰安婦問題は朝日新聞が吉田清治の嘘を広めたのが元」と指摘され、社長はクビ,部数も半減しました。以来,朝日新聞の社是は「安倍首相の葬式を出す」ことであり、「モリカケ」は朝日新聞の根本清樹主幹が創った中傷ネタだと著者は主張するのです。


安倍元首相が凶弾に倒れると、朝日新聞の朝日川柳で栗田亘が「疑惑あった人が国葬そんな国」「忖度はどこまで続くあの世まで」などの句をあえて選び、死者を冒涜しました。


安倍元首相は統一教会がらみで暗殺され、統一教会と自民党との関係を問題視するマスコミが多いのですが、朝日新聞は批判する資格がないとしています。その理由は、統一教会の文鮮明は悪が支配する世にメシアとして再臨したと自称しています。この「悪」とは日本による韓国併合であり、日本は朝鮮の富を奪い,朝鮮人を奴隷にしたサタンだと教えているのです。


事実は、日本は毎年,国家予算の2割を投じて韓国に電気を灯し,鉄道を走らせ、数千という学校を作り、日本国と同等に扱ったのです。ところが、朝日新聞が「日本は朝鮮に謝罪しろ」と報道して、「悪い侵略国家である日本」という世論を作り上げました。


統一教会の文鮮明が日本の信者に「日本はサタンだ。悪いことばかりしたと朝日新聞も書いているじゃないか」と説教し、「霊感の壺を買いなさい。あなたは救われ,日本の罪も薄まるだろう」と金を出させたのです。朝日新聞は統一教会の共犯者だというのが著者のロジックなのです。


朝日(新聞)は10年前,安倍首相から直に「慰安婦問題は朝日が詐欺師吉田清治の嘘を広めたのが元」と指摘された。それは事実だったから,社長はクビ,部数も半減した(p19)

戦勝国の「歴史認識」戦略

戦後の「日本は侵略した悪い国家」というイメージは、戦勝国である中国、アメリカ、ロシア、朝鮮の基本戦略となりました。米国は日本に原爆を落とした罪悪感から、「日本軍はもっと残忍だった」を裁判で証明しようと南京大虐殺とかバターン死の行進などを断罪しました。


最近、神奈川大学名誉教授の常石敬一や共産党の下里正樹らが「731部隊は中国人ら3000人を細菌戦の人体実験に使った」と主張していますが、731部隊がどのようなことをしたのかという事実検証も重要ですが、何らかの意図をもって主張している可能性があるというわけです

 
江沢民は対日外交の基本として「日本軍は残忍で3500万人を殺した」ので「日本には歴史問題を永遠に語り続けよ」と命じています。江沢民が訪日したときも宮中晩餐会で「日本は侵略国家だった歴史を忘れるな」と発言しています。天皇陛下が、池田維(ただし)元アジア局長に「中国に行ったのはよかったのだろうか」と聞いたら、朝日新聞は「陛下が訪中を「よかった」と言った」と報道(2017年10月30日付)したという。


マイケル・ブルメンソール・・この男はナチスを逃れて世界でたった一か所ユダヤ人を受け入れていた上海の日本租界にたどり着いて生き延びた。戦後,米国に渡ってカーター政権の財務長官にもなった。引退後,上海を訪れ,「日本軍は我々を迫害したが,支那人が我々を助けてくれた」と日本に感謝でなく嘘を返してきた(p5)

朝日新聞と電通の関係

興味深いところでは、朝日新聞と電通の関係でしょう。


著者は一例として2002年のサッカーW杯の日韓共同開催は、当時の電通社長の成田豊の発案だとしています。電通社長の成田は朝日新聞に協力を求め,日韓共同開催の世論を作ったというのです。実は、成田豊は日本統治下の韓国で生まれ、韓流をNHKに流させたのも成田だという。


なぜ、朝日新聞が電通に頭が上がらないのかといえば、新聞社の収益の半分を占める新聞広告を仕切る電通新聞局が朝日新聞に優先して割り当てているからだというのです。本当なのかしら。


また、2023年に電通OBの高橋治之が東京五輪組織委の出入り業者から2億円の賄賂を取って捕まりました。著者に言わせれば、組織委には多くの電通職員が出向しており、問題は電通にありそうなのです。ところが、朝日新聞は組織委を批判しますが,なぜか「電通」については批判せず、むしろ「元副会長の竹田宮様はどうなのか」と世論をそちらに持っていこうとするというので、朝日新聞らしいなと著者は感じるというのです。


このように、何らかの意図をもって事実を押し曲げる報道や、研究に名を借りた悪意が存在することを著者は伝えたいわけです。私も時間をかけて検証していきたいと思います。高山さん、良い本をありがとうございました。


無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信)
3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。

この本で私が共感した名言


・朝日(新聞)は加計問題で加戸前愛媛県知事の証言を載せなかった。それも朝日(新聞)には不都合だったからだ(p58)


・不法入国した中国人や韓国人はもともと写真のついていない保険証を使って日本人に成り済ますことができる・・マイナカードはこうしたふざけた抜け道を塞ぎ、200万はいるという成り済まし日本人を締め出し、日本人の生活を守るのが目的だ・・・朝日(新聞)がマイナ潰しに今、死に物狂いだ(p198)


・自衛隊がイラク・サマワに出た折,朝日(新聞)の特派員,川上泰徳は詳細な駐屯地の地図や邦人脱出ルートまで誌面に載せた。結果,複数のロケット弾が駐屯地に撃ち込まれた。川上の行為は外患誘致罪が成立するのではないか(p55)


・(日本)政府は・・巡航ミサイルを400基も買い込んだ。それを聞いて(朝日新聞の)天声人語が「だいたい敵基地攻撃は違憲じゃないか」と中国人みたいに批判してきた(p119)


・中米コスタリカは・・悪い為政者ばかり出て,その都度軍がクーデターを起こし,新しい指導者が軍から出て,また悪さをしてまた軍事クーデターという悪循環を繰り返した。そしてら何度目かの指導者がよくできたワルで,政権を取るとすぐに軍隊を廃止してしまった・・・朝日新聞はそんなコスタリカを,あの国も軍隊を放棄した,9条仲間だ,いい国だと大はしゃぎしてきた(p52)


▼引用は、この本からです
「変見自在 ヒットラーは生きている 」高山正之
Amazon.co.jpで詳細を見る
高山正之 (著)、新潮社


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次


第一章 知らぬは朝日ばかりなり
第二章 大嘘吐き、世にはばかる
第三章 美名も悪名も裏がある
第四章 誤情報より醜悪な事実
第五章 歴史は何度も繰り返す
第六章 どの口が言う


著者経歴


高山正之(たかやま まさゆき)・・・1942年生まれ。ジャーナリスト。1965年、東京都立大学卒業後、産経新聞社入社。社会部デスクを経て、テヘラン、ロサンゼルス各支局長。98年より3年間、産経新聞夕刊1面にて時事コラム「異見自在」を担当し、その辛口ぶりが評判となる。2001年から07年まで帝京大学教授


朝日新聞関連書籍


「変見自在 ヒットラーは生きている 」高山正之
「日本を貶め続ける朝日新聞との対決全記録」ケント・ギルバート、山岡鉄秀
「こんな朝日新聞に誰がした」長谷川熙・永栄潔
「体験的本多勝一論―本多ルポルタージュ破産の証明」殿岡 昭郎


この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


ブログランキングにほんブログ村



<< 前の記事 |

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする


同じカテゴリーの書籍: