「変見自在 サンデルよ、「正義」を教えよう」高山 正之
2017/10/15公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
■高山さんは産経新聞の記者。
非常に頭の良い人ですが、
言い方が辛辣ですね。
頭が良いので、
頭の悪い人の気持ちが
分からないのでしょう。
・一橋大教授の藤原彰は空に立ち上がる真っ黒な
煙幕を「日本軍の毒ガスだ」と朝日新聞で断言した。
毒ガスは無色で空気よりやや重いことは
オウムのサリン部隊だって知っている(p22)
■ただ、歴史の見方として、
西欧も中韓も日本人のような
お人好しではありません。
お人好しが歴史に消えてしまった
という事実もあるのです。
そうした事実は、歴史に学ぶべき
なのでしょう。
・米国の戦法はインディアン討伐が原型だ。
まず滅ぼす相手の兵糧を絶つ。
それでバイソンを皆殺しにした。
戦士が決起すると、それを避けて
銃後の家族の方を襲って殺した。
米国のフィリピン制圧も同じ手法だ。
植民地支配に抵抗するアギナルド軍
二万将兵とは戦わず、彼らの故郷の田畑を焼き払い、
彼らの妻子二十万人を殺した。
対日戦でもまず、鉄屑石油の禁輸で糧道を絶ち、
日本が決起すると、兵士の持つ戦場を飛び越えて
日本本土をひたすら爆撃した(p81)
■お人好し日本人を覚醒させる
一冊でした。
本書の内容が事実かどうか
もう少し内容を検証していきます。
高山さん
良い本をありがとうございました。
───────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・フランスは植民地仏印で阿片を売って儲けた。
その阿漕さにベトナム人が抗議すると
フランス人は旧式の爆撃機ポテを飛ばし、
彼らに機銃掃射と爆弾を降らせた(p17)
・ベトナム史について学会の泰斗という
明治学院大学教授を取材した・・
泰斗は「日本軍の長い占領時代に」・・
とか、句読点代わりに言う・・
いや日本軍の支配は昭和20年3月に仏軍を
追っ払ってからの5か月だけど。
「えっ、ウソ」・・
フランス人たちは昭和18年にサイゴンに
四階建てチーホワ刑務所を完成させている。
「戦場にかける橋」を書いたピエール・ブール
は脱走罪でここに収容された。
彼が描いた「残忍な日本軍捕虜収容所」の
モデルはこの刑務所だった。残忍な拷問を
やったのはフランス人で、やられたのは
抗仏のベトナム人だった。
明学の泰斗はそれも知らなかった(p22)
・後藤乾一早大大学院教授はインドネシア学の
権威だそうだが・・「日本軍はスマトラの
底なし穴に原住民三千人を突き落として殺した」
とやった。調べたら穴には底があったうえ
骨一つ出てこなかった(p22)
・朝日新聞はよく慶大教授の添谷芳秀に
「日本は大国を目指すな。二流国家という選択がある」
と書かせた・・蓮舫の二番でいいという主張は
この添谷理論を思い出させる(p27)
・朝日新聞が生みだしたコピーが
「国民総背番号制」というあざとい言い換えだった。
「あなたは番号で管理されていいのか」
「個人情報を国が握るのに耐えられるのか」
このキャンペーンが奏功して世論は後ろ向きになり、
廃案に至った。・・反対のためには
白?大教授の石村耕治を使って
「SSNでなりすまし詐欺が横行」
といかにも欠陥のあるシステムのように
思わせる嘘も並べた(p39)
・トリッキーとは相手を嵌めるほどの意味で、
例えば文相になったばかりに藤尾正行に
「日本が朝鮮を一方的に併合した」とけしかける。
「いや日韓併合は向こうにも責任がある」
と言わせて辞任に追い込んだ朝日新聞流の
やり口を言う(p45)
・日本軍がコレヒドール島に上陸すると
待っていたように翌日には白旗を掲げた。
それで十万が捕虜になった・・
喰うために戦争を始めたのに日本は開戦
のっけに三十万もの捕虜を抱え、
彼らのために収容所を建て、
三食ただメシを食わすことになった・・
しかし捕虜となった日本軍兵士を彼らは
捕虜(POW)にせずJSP(降伏日本軍兵士)
とした。捕虜にすれば収容所を作ってメシを
喰わせる義務が生じる。カネがかかるから、
それをやめた(p73)
・あのとき毒餃子を急ぎ回収した生協が
それを日本の捜査当局でなく、
北京にこっそり引き渡したことも覚えている。
なんで生協が証拠隠滅をやったか。
今でこそ「配達するスーパー」のふりをしているが、
本性は共産党系の資金集め組織だ(p85)
・マレーシアは英領時代に阿片が広まったが、
それも英国人の下僕となった華僑がマレー人
労働者に売り付けたからだ。・・
マレーの華僑は阿片で稼いだ金で農園や
錫鉱山を買って長者になった・・
マハティールが登場して「阿片売人と
一緒に国づくりはできない」と華僑絶縁を宣言し、
売人たちは南の島に追放された。
それが今日のシンガポールになる(p89)
・高峰譲吉がアドレナリンの結晶抽出に成功した・・
それにジョン・エーベルが「高峰が俺の発見を盗んだ」
と言い掛かりをつけた。
彼は羊の副腎から抽出したと主張したが、
それは後に嘘と分かった・・
同じ時期、北里柴三郎の血清療法は
部下だったエミール・ベーリングが
ノーベル医学賞を横取りした(p96)
・ニューヨーク・タイムズ東京支局は
朝日新聞社屋の中にある。支局のスタッフには
朝日から出向している者もいる・・
歴代の東京特派員も朝日に倣う。
みな日本嫌いでデビッド・サンガーは
小錦が横綱になれないのは日本人の
人種差別のせいだと書いた・・
そしてニコラス・クリストフ。
朝日のスタッフに吹き込まれるまま、
日本の女には人権はない、日本兵は
中国人の子供を殺してすき焼きにして
喰うのが趣味とか、嘘八百を五年間も
書き続けた・・次がハワード・フレンチ・・
オーストラリア人女性を死なせたのは
在日帰化人をは知らずに「日本人は紅毛碧眼に
歪んだ性欲をもつ。その好例」とやった(p106)
・伊丹では空港周辺の住民がジェット機の騒音がひどいと
毎日のように怒鳴り込んでいた・・
実はここの住民は「戦前、空港拡張のため朝鮮半島から
集められた人々」で「戦後一転して不法占拠者にされた」と。
この記事を書いた吉野太一記者はいかにも彼らが
強制連行(徴用)の朝鮮人のように書くが、
それは嘘だ。現に朝日自身が徴用朝鮮人は
ほぼ全員が半島に帰ったと書いている(p135)
・彼らが初めて米大陸にきたとき数千万頭の野牛と
二億三千万羽の旅行鳩が天地にあふれ、
一千万人のインディアンが平和に暮らしていた・・
旅行鳩は一羽も残らず、野牛もほぼ絶滅の際にある。
インディアンも「白人国家の優れた力を思い知らせ、
戦いを挑んだことを悔やむように兵士もその家族も
徹底的に殺す」(ウィリアム・シャーマン将軍)
ことで、こちらもほぼ絶滅させられた(p148)
・トルコ軍を悩ませたもう一つの勢力がセルビアだ。
この国は強かった。彼らの都、コソボが落ちても
ゼダの要塞に籠って抵抗した。
余りの手強さにトルコ軍はここを落とした後、
強いセルビアが復活しないよう彼らの都、
コソボにイスラム教徒のアルバニア人を住まわせた。
セルビア人の心の拠りどころを奪ってしまう手法だ。
先の戦争のあとGHQは都会のいいところを
三国人に不法占拠させ、パチンコ屋をやらせて
日本の景色を一変させた。
これと一脈通じるところがある(p152)
・中国人永住者は十年前の三万人から今は十五万人という。
その理由は竹中繁雄法務省入管局長時代に永住資格の
条件を「日本在留二十年」から勝手に半分の十年に
短縮したためだった。こんな大事を国会の審議も
なしで役人が勝手にやれることに驚く(p158)
・東北大の西澤潤一教授は東京五輪のとき、
光を使って情報を伝える光ファイバの特許を
申請した。しかし特許庁は意味が分からないと
不受理にした。中国人のチャールズ・カオは
苦笑する教授を慰めた足で米国に渡り、
西澤の理論をちゃっかり頂いたうえで光ファイバには
ガラス繊維がいいという論文を書いた。
それに米コーニング社が乗っかって
光ファイバの特許を取り、今日はのカオも
いただいた理論でノーベル賞を取った(p195)
・東ティモール問題は中国が尖閣の領有権を
言い出したのと同じパターンだ。
オーストラリアがティモール沖に豊富な
海底油田があると知って、インドネシア領の
東ティモールを独立させ、石油利権に
与ろうとした国際詐欺事件だ(p215)
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【私の評価】★★★★☆(84点)
■目次
第1章 ウソつき新聞は今日も健在
第2章 真実は歴史を知ることで見えてくる
第3章 恥を知らない人々
第4章 美談はまず疑ってかかれ
第5章 悪人ほど「正義」を気取る