【書評】「歪曲報道: 巨大メディアの「騙しの手口」」高山 正之
2007/01/03公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
マスコミは真実を伝えない
新聞、テレビなどのマスコミは、営利を目的とした私企業であり、政治的にも大きな影響力を持っています。そうした影響力を持つからこそ、広告費を集めることができますし、また、うまく利用しようという力が働くのも当然のことでしょう。
著者は、産経新聞出身ですから、そうしたマスコミ業界の裏の話を知っているわけです。マスコミは真実を伝えることで成り立っていますが、真実を伝えていないこともかなりあるようです。
日本軍が中支の渡河作戦で煙幕をたいた報道写真が見つかった。『朝日』はこれを「中国戦線で毒ガスを使った」ことにした。嘘の補強に藤原彰・一橋大学教授を使った。彼は「これぞ毒ガス」と大嘘を記事に添えた。(p118)
朝日新聞とNHKはあやしい
また、マスコミは多くの圧力にさらされます。そして、その時の責任者の判断で報道は大きく左右されるのです。
例えば、NHKの磯村尚徳キャスターが朝鮮戦争に触れて「北朝鮮が侵攻して」と口にしたところ、朝鮮総聯や土井たか子やが抗議してきたため、NHKは磯村に「私ごときが歴史評価を変えるなど僭越な・・・」と番組の中で謝罪させたことがありました。
さらに笑ったのはNHKのアフガニスタンの取材です。NHKはアフガニスタンの地元部族に安全保証費として100万円を支払って、「アフガンの自然と人々」のような番組の取材をしたそうです。
一方、著者は、100万円の支払いを拒否してアフガンに入ったところ、老人に襲われるわ、村全体が盗賊を副業としていたりして、アフガンの真の姿がそこにあったということです。
『朝日新聞』がその市民団体の声をこう伝える。「子供と教科書全国ネット21」と「つくる会の教科書採択を阻止する会」は連名で、「政治的暴挙」とする抗議声明を出し・・・・『産経』はこう書いている。「杉並区役所には過激派の中核派が支援する『つくる会の教科書採択を阻止する会』や共産党と友好関係にある『杉並の教育を考える会』の活動家ら・・・」と。(p111)
中共寄りの報道機関が多い
「朝日新聞」とNHKのあきれた報道を列挙する内容でしたが、冷静に事実を検証するスタイルであれば、より説得力があったのではないかと感じました。
北朝鮮の拉致事件が契機となって朝日新聞、NHK,TBSが、北朝鮮、中共寄りの報道をすることが明らかでしょう。そうした現実を直視するきっかけになる本だと思います。★3つとしました。
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この本で私が共感した名言
・NHKの番組「問われる戦時性暴力」はより厳しい始末がされるべきだろう。松井やよりという札付きの活動家と北朝鮮人工作員が組んで出演した模擬法廷・・・その法廷の演出に当のNHKの職員も一枚噛んでいた。(p77)
・米軍は・・・7年の占領期間中には2536件の殺人と3万件の強姦事件を起こした。そんな米国でも呆れるのがソ連兵・・・・・・そんな世界で例外が日本軍で、彼らはほとんど強姦と掠奪をしなかった。(p204)
・「日本は昔、アジアの国々でたいそう悪いことをしたな」と言い出した・・・違うね、ともう一度否定する。朝鮮についていえば植民地(colonize)じゃない。あれは併合(annex)だった。米国がテキサスを手に入れるときの併合と同じだ。それに日本の統治はうまくいった。少なくともフィリピンを植民地支配した米国に何かいわれるほど非道なことはしていない。(p2)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★☆☆(79点)
目次
I 日本を敵視する日本のメディア
II 新聞は詐欺師を褒め、殺人鬼を庇う
III 「日本軍は残虐」の嘘を検証しない日本の新聞
IV 安倍政権が朝日新聞の葬式を出す
著者経歴
高山正之(たかやま まさゆき)・・・1942年生まれ。ジャーナリスト。1965年、東京都立大学卒業後、産経新聞社入社。社会部デスクを経て、テヘラン、ロサンゼルス各支局長。1998年より3年間、産経新聞夕刊1面にて時事コラム「異見自在」を担当し、その辛口ぶりが評判となる。2001年から2007年まで帝京大学教授
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