「経営パワーの危機」三枝 匡

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経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)

【私の評価】★★★★★(93点)


●サラリーマン生活をしていると、よほど自覚しないと
 ( 経営 )というものを考える機会は少ないものです。


 また、宮仕えの特性として危機感も少なく、
 前からの仕事を継続していくことを考えるものです。


 ・会社の危機と社員の危機感は必ずしも相関しない。
  むしろ業績の悪い会社ほどたるんだ雰囲気であることが多い。
  ・・・優秀な経営者は危機感を人為的に創り出す。(p16)


●それを個人の資質の問題とするのは簡単ですが、
 この本では、企業を引っ張っていくリーダーを育成するためには、
 若いうちからリーダーの候補を子会社の社長など
 ( 経営 )の経験をさせることを提唱しています。


 ・高成長を狙う小企業のトップは大企業の社長に劣らない難しい
  経営判断を次々と迫られ、短期間に凝集した経営経験を積む。
  (p93)


●そして、選抜された経営者候補が、
 子会社の再建などに投入されたとき、
 どのような経験をするのか、
 この本では仮想体験することができるのです。


 著者も同じように若くして経営を任された経験を持つことから、
 ストーリーの設定と解説は、秀逸です。


●カルロス・ゴーンも若くして経営者として育成されましたが、
 日本ではそうした育成をする会社はほとんどないでしょう。


 ないからこそ、この本を読んで
仮想体験していただきたいと感じました。


 ストーリー仕立てで読みやすく、リーダーにふさわしい
 仮想体験ができる一冊ということで、★5つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・高リスク投資で少ない案件から投資先を選ぶのは
  素人のやり方で失敗率が高まる。
  リスク投資ばかりを行う米国のベンチャーキャピタルは・・・
  広い情報網から案件を集め、100件に一件くらいの割で厳選する。(p35)


 ・[皆でやる=誰もしていない]
  一人の社員に複数の仕事を兼務させることがやたらに好きな
  企業は辻褄あわせをしているだけのことが多い。トップが
  「皆でやれ」というのも危険信号だ。(p206)


 ・花王がトップからボトムまでデータにこだわり、
  「成功しても反省を繰り返す」と言われているのは、
  会社全体で失敗の疑似体験を蓄積するカルチャーを
  作ったからである。(p247)


▼引用は、この本からです。

経営パワーの危機―会社再建の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
三枝 匡
日本経済新聞社
売り上げランキング: 1499
おすすめ度の平均: 5.0
5 自己変革あってこその会社変革
5 「クールな戦略性」と「ホットなリーダーシップ」
5 理論と現場の融合
5 一度の通読ではもったいない「経営のバイブル」
4 リーダーシップ

【私の評価】★★★★★(93点)


■著者紹介・・・三枝 匡(さえぐさ ただし)

 1944年生まれ。三井石油化学に入社。75年スタンフォード大学MBA。
 ボストン・コンサルティング・グループに転職。
 その後、バクスター社、大塚電子、テクノインベストメントの代表取締役。
 86年三枝匡事務所を開設。事業再建のため、役員、事業部長、監査役
 などの立場で企業に参画する。2002年よりミスミ代表取締役。


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