「戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ」三枝 匡
2007/01/09|

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【私の評価】★★★★☆(85点)
●若くして経営者として活躍した
著者の実際の経験を脚色して、
小説仕立て(ケース・スタディ)
とした一冊です。
大企業の新規事業担当者が、
投資先のベンチャー企業に出向し、
事業を立て直します。
●著者の経験をベースとしているため、
本当にありそうな設定で
(本当にあったのですが)、
小説とは比較にならないくらい
現実味があります。
いきなり修羅場に入っていく
親会社の社員の気持ち、
いきなり外から上司がやってきたときの
部下の気持ちなどが
リアルに描かれています。
・なまぬるい会社に共通した特徴は、社員のエネルギーが内向しているということである。・・・「お客様」と「競争相手」に対する意識が薄く、もっぱら自分たちの都合がまかり通っていることが多い。(p78)
●MBAではケース・スタディを
重視する学校が多いようですが、
そのケース・スタディは、
表面的なものであることが多いようです。
その点、この本を読むことは、
MBAで学ぶケース・スタディより
もっと効果的なはずです。
・経営戦略のことをよく勉強していたつもりでも、いざ自分一人で考え悩むと、こんな簡単な理屈を割り切るまでに時間がかかる。そうして苦労し、悩んでいると、ちょっとしたきっかけで天からの啓示のようなひらめきが降ってきて、それで頭の中の混沌に整理がつくといった感じだ。(p259)
●経営にはプロがいるんだ・・・
ということを実感する一冊でした。
日産のカルロス・ゴーンのやったことと
比較しながら読むと、
さらに楽しめる一冊だと思います。
★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・部下をプロに育成するためには、その組織にプロの上司や教官がいなければならない・・・狭い組織の中で、突出してくる「出る杭」を、プロ意識の薄い上司や同僚が皆で叩いているうちに、部下は普通の人になってしまう(p8)
・画期的な成果を収めるマーケティング戦略は、しばしば、営業マンのそれまでの常識や習性に逆らう内容を持っている(p194)
・日本で成功する人のパターンは、二十代でたくさん恥をかき、三十代で一度は自信過剰になって失敗し、四十代では謙虚に努力して、五十代で花開く、といったところではなかろうか。(p260)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★★☆(85点)
■著者紹介・・・三枝 匡(さえぐさ ただし)
1944年生まれ。三井石油化学に入社。ボストン・コンサルティング・グループに転職。75年スタンフォード大学MBA。その後、バクスター社、大塚電子、テクノインベストメントの代表取締役。86年三枝匡事務所を開設。事業再建のため、役員、事業部長、監査役などの立場で企業に参画する。2002年よりミスミ代表取締役。
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