「体験的本多勝一論―本多ルポルタージュ破産の証明」殿岡 昭郎

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体験的本多勝一論―本多ルポルタージュ破産の証明

【私の評価】★★☆☆☆(67点)


■ベトナム戦争当時、本多勝一氏は
 ベトコン村のルポルタージュ『戦場の村』を書き、
 世論をベトコン側に有利に導きました。


 著者は報道の自由のないベトコン側の言うことを
 そのまま記事にしてしまう本多勝一氏の
 報道姿勢を批判します。


 特に、ベトナムで共産主義の仏教弾圧に
 抗議する12人の僧が集団焼身自殺した事件
 (現在のチベットのようですね)を
 単なる性的なスキャンダルのように書いていた
 ことを批判しました。


 なぜなら、ベトナム共産党が
 仏教を弾圧していることは明らかであり、
 裏を取ればすぐにわかることだったからです。


 しかし、本多氏と朝日新聞は、
 著者を民事提訴したのです。


・『中国の旅』はひどい本である。
 第一に方法論的に、つまり報道と取材の
 自由のない中国で、中国側の言いなりに
 記事を書いているからである・・(p34)


■面白いところは、朝日新聞側の弁護士が、
 全員共産党系の弁護士であったということです。


 また、取材したことをそのまま書いているのであって
 裏は取っていないということ。
 朝日新聞記者らしい取材方法なのです。


 著者は朝日新聞によって
 20年もの歳月を裁判に取られました。
 朝日新聞らしい反対者つぶしだと思いました。


 殿岡さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・朝日新聞記者だった本多勝一氏と対決することになって、
 人生の四分の一にも当たる時間を費やして裁判を闘った。
 そして、地裁、高裁、最高裁と三連勝した・・(p4)


・本多氏が「ベトナム民衆の立場」として期待した
 南ベトナム民族解放戦線は、国際世論と国内世論を
 欺く「おとり」としての役目を終え、北ベトナム
 共産主義者によって解体され、吸収され、
 跡形もなくなっていったからである。
 第三勢力論は、共産主義者が演出し、コントロールし、
 たとえば本多氏やラクチュールやジョン・バエズのような、
 あるいは小田実氏と「べ平連」に集まった、
 本格的左翼ではない"政治的にナイーブな"
 大衆民主主義者によって拡大、宣伝されて、
 世界中に蔓延した(p29)


・十人の弁護士の氏名と所属・・
 全て共産党系の弁護士である(p103)


・本多氏側・・証人申請・・
 当時、朝日新聞社社史編集顧問の秦正流氏、
 『朝日ジャーナル』編集長の筑紫哲也氏、
 創価大学教授の新井直之氏、
 著述業の加納大こと藤田計成氏、
 東京大学教授の奥平康弘氏であった。・・
 法廷に圧力を加え、世論を盛り上げようとの
 思惑があったのだろう(p121)


・本多氏は『事実とは何か』(朝日文庫版)の中で・・
 『事実』だけで記事にするのは、それが目的ではなく、
 手段として最も有効だからである。主張やいわゆる
 主観を加えると、説得力が弱くなるからにすぎない。
 目的は、やはり説得・主張にある」とも書いている(p130)


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【私の評価】★★☆☆☆(67点)



■目次

本多勝一氏はどんな左翼だろうか
第1部 裁判提起まで
第2部 裁判始まる
第3部 証人尋問
第4部 録音テープをめぐる攻防
第5部 判決下る



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