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「なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか」本田 直之

2021/09/13公開 更新
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「なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか」本田 直之


【私の評価】★★★★☆(83点)


要約と感想レビュー

日本人シェフは人を裏切らない

フランスのミシュランでは22人の日本人シェフが星を獲得しているということを知って手にした一冊です。日本人の強みは、仕事が丁寧で一生懸命働くこと。フランス人が週35時間労働という制約がある中で、日本人は朝から晩まで12時間、週6日働いて、休日も料理のことばかり考えている。これで負けるはずがないのです。


つまり、日本人の強みは「信頼感」だというのです。日本人シェフは忠誠心が高く規律を守り、人を裏切らないのです。それだけ海外には人をだまそうとする人が多いのでしょう。


日本の男性はけっしてあきらめない精神と、しっかりとした規律を持っていて・・・それがサムライ魂ではないか(本田圭佑)(p10)

海外のほうがシェフとして活躍できる

びっくりしたのは、競争の激しい日本よりも海外に行ったほうが、シェフとして活躍できる可能性が高いという意見です。なぜなら、たとえばフランス・パリでは飲食店を開店できる場所が限られており、既存のレストランの営業権を買い取って開店するしかないのです。少ない枠の中で競争して、一度評価してもらえれば、安定して顧客が来てくれるのが海外のレストラン業界なのです。


逆に日本では多くのレストランが自由に乱立しており、その競争の中で勝ち抜くのは、逆に難しいというのです。海外では大リーグのように枠は少ないものの、良いは良い、ダメはダメと実力だけで評価される世界なのでしょう。


ダメなものはダメとはっきり言うのが、ヨーロッパやアメリカのいいところ。「おいしかったです」と言って帰って、食べログにとんでもないコメントを書かれるようなことはないのです(p127)

海外に出て勝負したシェフたち

海外に出て勝負したシェフやソムリエが15名紹介されていますが、これらの人たちは挑戦者であり、決して諦めない覚悟を持っているように感じました。長時間労働も語学のハンデも大変と言えば大変なのですが、そうした苦労をむしろ楽しいと考えることのできる人たちなのです。


海外の店で、料理の腕を上げ、語学を習得し、ジャーナリストに自分を売り込み、仕入先との関係を作っていく。読んでいる私のほうがワクワクしてきました。こうした海外で勝負したシェフの料理を食べたいというのは私だけではないでしょう。本田さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・いつもシェフに『なんでこの料理をつくろうと思ったんですか?』と聞いていたんです(松嶋啓介)(p65)


・ジャーナリストを家に招いて、料理をつくってどんどん食べさせる。あとは、食材の仕入れ業者にも通って、コネクションをつくりました(小林圭)(p82)


・つらいのは楽しいかもしれないです。安全な道は退屈で嫌になってしまう・・・みんなが思っているほど、僕は苦労とは思ってませんね(石塚秀哉)(p164)


・学会に行って驚いたのは、ヨーロッパでは料理人のステータスが高く、みんながスターだったこと。そもそも日本料理の世界には、学会はおろか、フランス料理やソムリエの世界にあるコンクール的なものすらほとんどありません(p267)


▼引用は、この本からです
「なぜ、日本人シェフは世界で勝負できたのか」本田 直之
本田 直之,ダイヤモンド社


【私の評価】★★★★☆(83点)


目次

海外では今、日本人の評価が高まっている
『ミシュランガイド フランス』で、なんと20人が星を獲得!
世界で活躍する秘訣とノウハウを教えたい
日本流の「おもてなし」こそ評価される
無理に海外に合わせなくていい
技術や情報はシェアする時代
日本にいるより、海外に出たほうがチャンスは大きい

パッサージュ53 佐藤伸一シェフ
ケイスケマツシマ 松嶋啓介シェフ
レストラン・ケイ 小林 圭シェフ
レストラン ソラ 吉武広樹シェフ
オ・キャトルズ・フェブリエ 新居 剛シェフ
ラ・カシェット 伊地知 雅シェフ
ジョエル・ロブション 須賀洋介シェフ
プティ・ヴェルド 石塚秀哉ソムリエ
オステリア・フランチェスカーナ 徳吉洋二シェフ
ダル ペスカトーレ 林 基就ソムリエ
マニョリア レストラン 能田耕太郎シェフ
コイシュンカ 松久秀樹シェフ
レストラン カンテサンス 岸田周三シェフ
日本料理 龍吟 山本征治シェフ
世界で活躍するために必要な34のスキル



著者経歴

本田直之(ほんだ なおゆき)・・・レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長。シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQ上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資事業を行うと同時に、少ない労力で多くの成果をあげるためのレバレッジマネジメントのアドバイスを行う。日本ファイナンシャルアカデミー取締役、コーポレート・アドバイザーズ取締役、米国Global Vision Technology社取締役、Aloha Table取締役、コポンノープ取締役、エポック取締役などを兼務


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