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「中国人の少数民族根絶計画」楊海英

(2020年5月27日)|本のソムリエ
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【私の評価】★★★★☆(82点)


■新型コロナウイルス、南シナ海行政区設置、
 香港デモ、ウイグル人の収容所建設、
 尖閣諸島で日本の漁船を追うなど
 話題の多い最近の中国ですが、


 内モンゴル出身の著者から見た
 中国と中国人は
 どのようなものなのでしょうか?


 モンゴル人にとって中国人は信用できない、
 というのが共通認識のようです。


 つまり、好意で中国人避難民を
 受け入れていたら避難民を保護すると
 中国軍閥がやってきて母国を失った。


 高度な自治権を与えると約束したのに、
 約束を反故にし、モンゴル人を殺し、
 土地と家畜奪い、中国人のものとした。


 中国人のこれまでの行動から、
 モンゴル人は中国人の恐ろしさを
 身に染みて知っているなのです。


・中国やチベットやウイグル人の東トルキスタン、南モンゴルを侵略していった経緯も、やはり人海戦術でした。まず最初に避難民がやってくるのです・・・やがて彼らは中国人村落を作るようになる・・・そして、その後にやってきたのが中国人軍閥でした。軍閥は「中国人の避難民を守る為に来ました」と言って、モンゴル人に対して強権を振るうようになる(p130)


■興味深いのは、中国人の精神構造と
 日本人の精神構造が全くちがう
 ということでしょう。


 日本人は満州に学校を作ったが、
 中国人はウイグルに収容所を作っている。


 日本人は契約したら守ろうとするが、
 中国人は契約してからが
 交渉だと思っている。


 日本人は共存共栄を考えるが、
 中国人は自分が有利になったら
 乗っ取ることを考える。


 日本人は平和のために植林するが、
 中国人は侵略戦争を正当化しようと
 しているのではないかと考える。


 顔かたちは似ていますが、
 精神性、発想が全く違うのです。


・中国社会の実態を知らずに、中国人の精神構造を知らずに夢のような「日中友好」を話す人たちの価値観は、小さい時から中国人に虐待され、騙されて育ったモンゴル人とは、生理的に合わないのです(p10)


■そして、今、目の前でウイグル人、
 チベット人が苦しんでいる。
 香港人が恐怖に叫んでいる。


 香港の人はこうした中国の恐ろしさを
 身近に知っているからこそ
 中国が直接、香港の「国家安全法」を
 制定することに対して命をかけて
 デモを行なっているのでしょう。


 それに対して、中国が2013年に
 尖閣諸島を「革新的利益」と
 表現しはじめた危険性を日本人は
 理解しているのでしょうか。


 楊さん、
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・モンゴル人が中国に留まる代わりに高度な自治をやらせてもらうという約束を反故にされました。チベット人とウイグル人に対しても同様です。最初は甘い言葉で「大人」を装い、いざ自分の掌中に入ったらすべてをひっくり返そうとする(p166)


・1966年に中国で文化大革命が勃発した当時、内モンゴル自治区には150万人弱のモンゴル人が住んでいました。その中で少なくとも34万6000人が逮捕され、そのうち2万7900人が殺されました(p35)


・静岡県立大学にウイグル人の女子学生がいて日ごろから「なんでウイグル人はテロばかりやるんだ」と中国人留学生に糾弾されていました・・・「我が国古来の領土を分裂させようとしている」と一方的に吊し上げられる。中国人学生は多人数で、ウイグル人学生はたったの一人、しかも女子学生です。そうした中国人の容赦のなさ、節度のなさは、モンゴル人を大量虐殺した文革時代と何ら変わっていません(p133)


・「カモシカの仔は家畜にならない。シナ人の言うことは信用できない」と子どもの頃からモンゴルの大人たちはずっとそのように語っていました・・シナ人は媚びるような笑顔で草原に現れ、粗末な商品で遊牧民を騙して放牧地をのっとる(p9)


・ウイグルの知人は「ウイグル人は商売しようと申請しても許可は降りない。中国人は書類がなくても自由に何でもできる」と嘆いていました(p86)


・現在、新疆ウイグル自治区に住んでいるウイグル人の数は800万人弱です。それに対し、1949年時点でわずか29万人だった中国人は、いまは800万人(p89)


・沖縄については中国のさまざまな新聞で、「琉球問題は未解決だ」とか「琉球は中国の領土だ」、「日本に強奪された領土だ」といったプロパガンダが始まっています・・・「環球時報」という新聞・・・沖縄大学の劉剛教授が書いた「沖縄の帰属は未定。日本はのさばるな」という見出しの記事を目にしました(p137)


・内モンゴル自治区に入ってきた中国人たちは、植林する日本人たちにまったく感謝しないどころか、「日本人は下心があって活動しているに過ぎない」と見て警戒を緩めません・・・「植林を口実に侵略戦争を正当化しようとしている」という発想です。戦友が眠る故地に木を植え、砂漠化を阻止して平和を祈念しようという日本人の精神性は、中国人にはまったく理解できないのです(p252)


・モンゴル独立運動家のバボージャブらは、日本の軍事力を利用してロシアと中国を追い出そうと考えた・・・モンゴル人たちは中国人が支配する中華民国よりも近代化の進んだ日本を「よりマシな奴隷主」として選択します・・・満州国は傀儡国家に過ぎませんが、モンゴル人にとってはそれなりに満足できる存在だったのです(p73)


・満州国の興安総省だけでも、1941年の時点で335の学校があり、2万3579人の生徒が登録されていました。日本に比べて同時期の中華民国政府は、内モンゴルでたった一つ、国立イケジョー盟中学を設置しただけでした(p76)


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▼引用は、この本からです

楊海英、潮書房光人新社


【私の評価】★★★★☆(82点)


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■目次

序章 中共による少数民族大虐殺
第1章 中国という諸民族の牢獄
第2章 近隣諸国へ膨張する中華ナショナリズム
第3章 シナの謀略「民族絶滅」
第4章 ユーラシア外交が日本を救う
第5章 日本が内モンゴルと同じ轍を踏まないために
第6章 独裁者習近平の外交と日本
第7章 習近平は第二の毛沢東になるのか
第8章 「邪悪な国家」中国と世界、そして日本


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