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「中国の移植犯罪 国家による臓器狩り」 デービッド・マタス、トルステン・トレイ

2019/05/14本のソムリエ メルマガ登録
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中国の移植犯罪 国家による臓器狩り


【私の評価】★★★☆☆(73点)


内容と感想

 中国では肝臓、腎臓、心臓といった臓器移植が、1ヶ月以内に行うことができるという。通常臓器移植は、自分に適合するドナーが現れるかどうか運しだいであり、何年も待つことになります。ところが中国ではオンデマンドで自分に適合した臓器を探してくれて、1ヶ月以内に臓器移植が行えるのです。


・中国の様々な病院のホームページに、外国人患者に1~4週間の待ち時間で適合する臓器を提供する、という宣伝が載るようになった・・・移植用臓器が死刑囚から摘出されていないのなら、もし、臓器提供源へのアクセスが主に死刑判決によるものでないなら、どのようにすれば数週間、数ヶ月前の移植手術の予定を立てることが可能なのだろうか(p34)


 中国は公式には、「臓器は死刑囚から供給されている」としています。しかし、1カ月以内に適合する臓器を探し出し、移植手術を行うためには死刑囚では間に合わないでしょう。いつでも臓器を取り出せる数万人の人を拘束しておいて、データベース化する必要があるのです。


 法輪功や新疆ウイグル自治区の収容所の経験者が、健康なのに血液検査などを受けたという証言があり、こうした収容所の人が臓器の提供源であると推定されます。つまり、中国の収容所にいる人は、お客様に適合する臓器を持っていると罪状は死刑となり、臓器を摘出されてしまうのです。


・ある法輪功学習者の話で注目したのは、彼が2年間の拘束期間中、健康に問題はないにも関わらず10回にわたる血液検査を受けたということだ。血液検査のコストは高い。なぜ拘束された法輪功学習者は、レントゲン、超音波、血液検査など、特定の身体検査を受けるのであろうか(p36)


 中国では年数万件の臓器移植が行われており、毎年数万人が殺されていると推察されます。これは100万人を収容しているという中国の収容所が、現代のアウシュヴィッツであるという状況証拠なのでしょう。吐き気がしてきました。人類は歴史に学ぶことが難しいのかもしれません。良い本をありがとうございました。



この本で私が共感した名言

・中国のある病院のホームページは臓器移植は6万米ドル、肝臓移植は10万米ドルと広告を出している(p37)


・中国衛生部(厚生労働省に相当)副部長は、移植用臓器の主な供給源は処刑された囚人から来ると語った・・(p53)


・中国政府側の説明は、「罪を償いたいために、死刑囚は臓器を提供する」というものである(p31)


・最初の医学界の目撃者は亡命先から出現した。1995年、1人の外科医が、処刑場で生存中の死刑囚から臓器を摘出したと発言した・・・1997年、1人のインターンが、腎臓と肝臓の移植手術を待つ中国共産党政府高官のため、ウイグル人政治犯を対象に血液検査をしたことを詳述した(p84)


・囚人からの臓器摘出は1994年に始まった。1997年、新疆グルジャ事件の後に、最初のウイグル人政治犯を対象に、小規模な臓器狩りが行われた。法輪功学習者に対する臓器狩りは、2000年後半に始まった・・・人数不明のチベット人と「全能神」のような家庭教会の信者も犠牲となった。法輪功学習者に対する大規模な臓器狩りは、2002年の秋に始まった(p85)


・中国では、囚人(良心の囚人を含む)から臓器を摘出しており、この医療の倫理的原則が破られている。良心の囚人のほとんどが法輪功学習者で、さらに、ウイグル族、チベット人、その他の人々が犠牲となっている(p2)


・公式発表された「処刑された囚人」の説明以外に、必ず他の臓器ドナーのグループがあり、しかも、いつでも臓器を摘出できるように、拘束された状態で待機する「臓器供給源」の存在が推察されるのだ(p36)


・死刑を宣告された囚人は、移植用臓器摘出の対象であることも聞かされた。処刑日は近くの病院が決定し、臓器移植に必要な時刻に厳密に合わせる。臓器のために支払われた金は、病院と刑務所の看守で半々に山分けされる(p167)


・中国では・・政治的な理由で投獄される者もあり、宗教そして法輪功のような精神的な信念から投獄される者もいる。また、チベット人やその他、中国からの分離を望むグループも投獄の理由となる・・・オンデマンド式で臓器などを獲得するために処刑することは、非倫理的である。臓器需要を目的として死刑にするのは倫理に反するものである(p54)


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【私の評価】★★★☆☆(73点)



目次

1章 岐路に立つ移植医学
2章 汚染された供給源
3章 極東圏における臓器狩りの悪行
4章 臓器を摘出された人数は?
5章 中国の臓器移植の問題点
6章 数字
7章 法輪功迫害について
8章 中国の死刑囚の臓器利用がイスラエルの新移植法に与える影響
9章 処刑された囚人を臓器提供に利用し続ける中国の現状に学界はどう対応すべきか
10章 中国での汚れた臓器移植制度における国際製薬会社の責任
11章 医学の使命


著者紹介

 デービッド・マタス(David Matas)・・・カナダのマニトバ州ウィニペグ市を本拠地とする国際人権弁護士。カナダ勲章の受章者である。2010年ノーベル平和賞候補となる


 トルステン・トレイ(Torsten Trey)・・・MD,PhD。ドイツの医師。2007年「臓器の強制摘出に反対する医師団」を共同で設立。DAFOHの執行理事を務め、不法な臓器狩りの停止と、医学倫理の基準推進に従事している


ウイグル・チベット関係書籍

中国人の少数民族根絶計画」楊海英
「中国の移植犯罪 国家による臓器狩り」 デービッド・マタス、トルステン・トレイ
犠牲者120万人 祖国を中国に奪われたチベット人が語る侵略に気づいていない日本人」ペマ・ギャルポ
チベット大虐殺と朝日新聞」岩田温
ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在」福島 香織
在日ウイグル人が明かす ウイグル・ジェノサイド― 東トルキスタンの真実」ムカイダイス



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