「チベット大虐殺と朝日新聞」岩田温

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チベット大虐殺と朝日新聞

【私の評価】★★★☆☆(75点)


■香港の抗議デモが報道されるなかで
 手にした一冊です。
 香港デモもチベットのように
 武力鎮圧されるのでしょうか。
 朝日新聞はどう報道するのか。


 本書は2008年に出版されていますが
 2008年といえばチベット暴動がおこり、
 長野の北京オリンピック聖火リレーでは
 チベット支援者と4000人の中国人とが
 衝突しました。


 チベット支配を維持しつつオリンピックを
 成功させたい中国と、
 中国のチベット弾圧を世界に知ってほしい
 チベット支援者の戦いです。


 結果としてみれば、
 北京オリンピックは無事終了し、
 中国の圧勝と言えるのでしょう。


・長野「聖火リレー」レポート・・・「チベットに平和を」と叫ぶ日本人に対して、中国人が猛然とくってかかるのである。ここでも彼らは巧妙である。誰もマスコミの人間がいないと見ると、日本人につかみかかり、殴り飛ばす。ところが、マスコミが来たと見ると、つかみかかっていた当人が「暴力はよくないよ」、「平和的に話し合おうよ」などと平然と言ってのける(p276)


■この本では1950年前後の
 中国のチベット侵攻と
 その後のチベット暴動、
 1989年のチベット動乱を
 朝日新聞がどう伝えたのか
 整理しています。


 チベット暴動は反共亡命者のデマでは
 ないのか、実力行使もやむをえないなど
 朝日新聞らしい報道があります。


 ダライ・ラマ、チベット問題に対しては
 朝日新聞は一貫して中国共産党寄りの
 報道となっています。


 反権力の朝日新聞にとって
 権力とは日本の政権であり、
 中国共産党は権力ではないのでしょう。


・チベットのダライ・マラ14世に、ノーベル平和賞が授与されることになった・・・平和賞があまりに政治的になり、対立を助長することにもなりかねないことに違和感を持つ人も少なくない。平和のための賞が結果として、チベットの緊張を高めるおそれさえある。こんなことになれば、「平和賞」の名が泣こう(朝日新聞・1989年10月7日)(p128)


■朝日新聞は裏切らないと思いつつ、
 後半、朝日新聞の記事が少ないな
 と残念に思いました。


 2008年は民主党政権成立の直前であり、
 朝日新聞も絶好調という時代では
 ないでしょうか。


 これからも朝日新聞の報道を
 見ていくつもりです。


 岩田さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・チベットの不幸な流血事件・・・国外にあるダライ・ラマとそのグループを含むチベット関係者は、中国の一部としてのチベットの現実に冷静な目を向けてほしい。およそ200万人のチベット族の平和な生活のためにも、無謀な挑発が行われるようなことがあってはなるまい(朝日新聞・1989年10月4日)(p125)


・朝日新聞のインタビューで(石原慎太郎都知事は)、中国の人権問題やチベット政策を批判・・・だが、率直なだけでは知事としての役割は果たせない。日中共同声明と平和友好条約でうたった「ひとつの中国」尊重の原則をないがしろにし、中国との友好に水をさすような態度は慎むべきである(朝日新聞・1999年4月23日)


・チベット暴動説は疑問 亡命者の政治的宣伝か・・チベットで反共暴動が起こっているとの報道が行われ、統治国府系紙は連日大々的に報じているが、当地観測筋では「針小棒大なもの」として批判的に見ている・・・チベット問題の報道は・・亡命しているチベットのラマ教徒の話に基づいたもので、それをそのまま受取ることは危険であるとしている。何故なら彼らは恐らく宗教的な偏見から反共意識の強い亡命者で、彼らの発言は多分に"政治性がある"と見ているわけである(朝日新聞1956年7月23日)(p58)


・今日の問題 チベットの暴動説・・・チベットに"暴動"が伝えられ、共産軍が反乱分子を爆撃したとか、反共臨時政府樹立の動きがあるとか・・チベットから逃げ出してきたラマ僧やラマ教徒の話によるものが多いようだ。そうだとすると、これらの報道をそのまま信用するのは、マユツバものかもしれない・・・四川省の暴動はさる2月にも起こったというから、ちょいちょい起こることは間違いないようだ。それにしても浮世離れした所だけに、話に尾ヒレはつくのであろう(朝日新聞1959年8月13日)(p60)


・「実力行使もやむをえない」と虐殺を肯定・・公正な正義をこそ チベット事件解決の道 森恭三・・一人のダライ・ラマが死んで、あとつきがえらばれる方法にも一端があらわれている非合理性が世界の天井とよばれるこの国の社会のいたるところに、はびこっているにちがいない・・・(中共は)パンチェン・ラマを前面におしたて、ここにチベット人民の意思があると主張しつつ、他方では、国府がチベットの反動的支配階層を助けて、反乱をそそのかしたのだ、といっている・・本当の人民の意思、あるいは外からの工作が、世界を納得させるような方法で証明されるならば中共の実力行使もやむをえなかった、という結論が出るかも知れぬ(朝日新聞1959年4月5日)(p75)


・「その後のチベット」 反乱で民主化早まる・・・去年の3月、チベットに大規模な武装反乱が起こってから一年あまりたった・・・チベットの反乱鎮圧後、中国側がうった手はあざやかであった。鎮圧と同時に、党の各級委員会や政府機関からたくさんのチベット人幹部や、チベット語のできる漢族の幹部をひきぬき、工作隊を組織して続々とチベットの農村に送り込んだ・・・彼らの指導により、大量の積極分子がつくられ・・・農民たちは農ド主の圧制をうったえ、山とつんだ借金の証文を自分たちの手で焼きはらった(朝日新聞1960年4月3日)(p94)


・中共治下のチベット 盗賊の横行止む・・・チベットは過去4年間中共によって統治されてきたおかげで、片田舎にさえ盗賊が横行するというようなことはなくなった・・・盗賊どものあるものは射殺されたが、ある者はチベット特有の刑罰の方法で手を切り落されたり、にたった油をかけられたり、焼け火バシでめくらにされたり、あるいはむち打たれたり、土の獄舎に放りこまれたりした。この情容赦もない処罰方法に盗賊仲間はすっかりちぢみ上り結局彼らはつかまらない中に百姓や羊飼いに身を変えて法を守るようになった(朝日新聞1954年8月24日)(p48)


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■目次

はじめに:朝日新聞のチベット報道
第一部;朝日新聞のチベット報道
第一章:豹変する朝日新聞
第二章:無神論集団・朝日新聞の暴走
第三章:口をついて出る朝日新聞の「嘘」の数々
第四章:中立を装う悪質な偽善集団・朝日新聞
第二部:朝日新聞が伝えないちべっと問題の真実
第五章:朝日新聞が報道しないチベット侵略の真実
第六章:中華思想という侵略イデオロギー
第七章:中国に媚び諂う恥ずべき政治家の面々
第八章:日本が赤旗に侵略される日



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