「本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法」出口治明
2020/05/28公開 更新

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【私の評価】★★★★☆(83点)
要約と感想レビュー
日本生命で国際業務部長などを歴任し、ライフネット生命保険会長の出口さんの一冊です。
1万冊を読んだという出口さんの読書の時間は、寝る前の1時間です。寝る前に1時間くらいならテレビを見ると思えば、できそうな読書習慣ですね。
・「朝1時間、新聞を3紙読む」ことと、「就寝前の1時間、本を読む」ことは、私の習慣です・・忙しいからといって、歯を磨かない人も、お風呂に入らない人もいない・・(p121)
出口さんは、興味あれば本を7~8冊読んでから、実際に現地に行ってみるという。
例えば、神社について興味があれば、神社についての本を7~8冊読み、日本中の「一の宮」を訪ねてみる。ワインなら本を読みつつ、自腹でワインを飲んでみる。知識だけでなく、自分で経験し、人と話すことで、知的な教養が身につくのでしょう。
・取引先に、とても神社が好きな人がいました・・・3カ月ほどかけて7~8冊の本を読み、「神社って、こういうものなんだな」ということを大枠で理解したあとで、日本中の「一の宮」を訪ねてみることにしたのです(p75)
私の周りにはいないタイプの人でとても刺激になりました。世の中にはまだまだ自分の知らない知的な世界が広がっているのです。ビジネスだけではなくもう少し厚い本にも挑戦してみようと思います。
出口さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・すべてのビジネスは、人間と人間がつくる社会を相手にしているのですから、「人間とはどういう動物なのか」を理解することを優先したほうがいいと思うのです(p138)
・誰でも一度くらいは、仕事で足を引っ張られ、悔しい思いをしたことがあるでしょう・・・「あの小説に出てきたように、人間の世界は嫉妬深いんだな」と客観的に物事を捉え、「まぁ、今回は仕方ないな。次回はこの轍を踏まないようにしよう」と自分を落ち着けることぐらいなものでしょう(p90)
・人間が生きていく以上、「この世界をどのようなものだと理解し、どこを変えたいと思い、自分はその中でどの部分を受け持つか」を常に考える必要があると思っているのです(p30)
・自分の仕事に関する勉強は、最低限、押さえておく。そのうえで、自分の好きなことを教養として学んでいけばいいと思います(p45)
・欧米の経営者は、ホッブズやルソー、デカルトといった古典の原典をしっかり読み込んでいます・・簡単に要約された『論語』を日本の経営者が読んで、それを座右の一冊に挙げるのは、少し、情けないような気がしています(p54)
・どのジャンルを学んだらいいか・・・好きなものから学べばいい・・・他人から薦められたら、騙されたと思って試してみる、という方法もあります(p43)
・「厚い本→薄い本」で体系的に知識を得て、「ああ、ワインの世界というのは、こんなものなんだな」ということがわかったら・・・あとは、実際にワインを飲んでいくだけです(p75)
・教養は、言葉を替えれば、人間の「精神のあり方」であり、その人の人生に対するスタンスだと考えています(p27)
・ギリシャ・ローマ時代からルネッサンス期にかけて、「人を自由にする学問」と見なされていた科目があります。文法学、修辞学、論理学、算術、幾何、天文、音楽の7科目です・・・中国の「四芸」(琴・囲碁・書・絵画)も、古くから教養人のたしなみとされていました(p46)
・ビジネス書があまり好きではないのは、1ビジネス書は、後出しジャンケンである 2ビジネス書は、抽象化されすぎている という、おもに2つの理由からです(p134)
▼引用は、この本からです
出口治明、KADOKAWA
【私の評価】★★★★☆(83点)
著者紹介
出口 治明(でぐち はるあき)・・・1948年、三重県生まれ。ライフネット生命保険株式会社代表取締役会長。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。ロンドン現地法人社長、国際業務部長等を経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師等を務める。2006年ネットライフ企画株式会社設立、代表取締役社長に就任。2008年にライフネット生命を開業、2012年東証マザーズ上場。2013年より現職
目次
1章 本とは「何か」―教養について考える
2章 本を「選ぶ」―「おもしろそうな本」という鉄則
3章 本と「向き合う」―1行たりとも読み飛ばさない
4章 本を「使う」―著者に左右される人、されない人
5章 本を「愛する」―自分の滋養、他者への架け橋
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