「人生100年時代のお金の不安がなくなる話」竹中 平蔵、出口 治明
2017/09/14公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
■出口さんはライフネット生命創業者。
竹中さんは、元内閣府特命担当大臣
(経済財政政策)
年金、社会保障(医療、生活保護等)
に詳しいお二人の対談です。
年金については、高齢化によって
制度を変えていかないと
継続できないようです。
竹中さんの提案は、
年金を収入が減ってしまったときの
保険に戻すというものです。
・年金も・・年をとっても一定の所得があれば、もらえないのが原則だったはずです・・まず、「年金を保険に戻したらどうですか」というのが私の考えです(竹中)(p53)
■お金の心配をするよりも、
どう老後を生きたいのか
考えたほうがいい、
というのがお二人の提案です。
老後をパチンコとカジノで
暮らしたいと思えば、
そんな金はありません。
ただ、高齢化によって
人口が減っていく日本では
慢性的に労働力が不足します。
社会のために自分の能力を
活用していきたいと思えば、
仕事はいくらでもあるのです。
・お金の心配よりも、「何をしたいか」を考えたほうがいい・・「どう生きるか」を考える(p92)
■人生50年から人生80年の
世の中になりました。
高齢化は労働者にとって
売り手市場です。
女性パワーと高齢者パワーが
日本の宝なのかもしれませんね。
竹中さん、出口さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・2030年代後半以降は、毎年人口が100万人減ると言われています。毎年1県がなくなるくらいの規模で人口が減ります。働き手が不足するわけですから、働き口は不足するということは考えられません(竹中)(p52)
・高齢化社会というと、暗いイメージを持つ人が多いのですが、本当は、秦の始皇帝が不老長寿を望んだように、歴史的には理想の社会だと考えるべきです・・(出口)(p80)
・1992年ごろ、・・フィンランドが破産しかけたことがあります・・・フィンランド史上最年少(36歳)で首相に就任したエスコ・アホ氏は、失業者にお金を支給するのではなく、全員に無料でパソコンなどIT関係の職業訓練を受けられるようにしました・・フィンランドは国際競争力ナンバーワンの国になりました(出口)(p110)
・具体論から入っては絶対ダメなんです・・今何が問題なのか、という議論があって、そのうえで、どの施策が一番適切なのかを検討して、副作用について検討するのは、そのあとです・・先に具体例を出されると、全部つぶされます(p149)
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【私の評価】★★★★☆(81点)
著者経歴
出口 治明(でぐち はるあき)・・・1948年、三重県生まれ。ライフネット生命保険株式会社代表取締役会長。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。ロンドン現地法人社長、国際業務部長等を経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師等を務める。2006年ネットライフ企画株式会社設立、代表取締役社長に就任。2008年にライフネット生命を開業、2012年東証マザーズ上場。2013年より現職
目次
序章 「歴史」から見て、今はどんな時期なのか?
第1章 2020年の世界を予想する
第2章 年金・格差 自分たちが生きていくための「お金」の話
第3章 「日本」の経済は大丈夫か?
第4章 今後のために知っておきたい「お金」と「生き方」のリテラシー