「苦労して成功した中小企業のオヤジが新人のボクに教えてくれた「上に立つ人」の仕事のルール」嶋田 有孝
2017/09/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(96点)
要約と感想レビュー
社長秘書が社長となる場合があります。社長秘書は社長から何を学んだのでしょうか?この本では、中小企業の社長秘書が大阪のガンコ社長から何を学び社長になったのかわかります。
ある日、社長は事故報告書を手にすると関係者を担当者、課長、部長と下から呼び出しました。なぜかといえば、本当の話を聞くため、反省していなければ叱るため、落ち込んでいたら励ますためなのです。
・事故報告書・・ワシは、こういうときは、必ず相手を呼んで直接話を聞くんや。相手が反省してなかったり、言い訳ばっかりするなら、ボロカスに叱り飛ばさなあかん。相手が落ち込んどったら、励ましたらなあかん。それは書類で判断できへんやろ(p72)
ある日、社長は社長秘書と、現場の視察に出かけました。 現場の視察を終わると、社長は社長秘書に質問しました。「一番品質が良かったのは、どこやとおもう?」「なんであそこは品質が良うなったと思う?」実は品質の良い現場は、お客様がうるさい人だ、ということを教えたかったのです。
「今日、回ってみて、何か問題点に気付いたか?」「いいえ」著者である秘書はそう答えましたが、社長は、本社に帰ると現場担当者を呼び出しました。そして担当者に問題点を指摘し、これから現場へ行き確認すること、来週社長がもう一度現場に行くので、それまでに改善することを指示したのです。社長は自分が一番厳しいお客様になろうとしたわけです。
・得意先の担当が、とてもうるさい人やったんや。ほんの些細なことも見過ごさず、すぐにクレームをつけてきた・・結果として品質が良くなったんや・・つまり、うるさいお客さんほど、会社にとってありがたい存在ということや(p131)
人を育てようとする社長の執拗さに感動しました。メルマガ上では、これ以上は伝えきれません。★5としました。
嶋田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・提案の完成は、ゴールやない・・そこに必要なのは『これを絶対に実現させる』という、いばらの道を歩む覚悟、不退転の決意なんや(p24)
・例えば上司にペコペコするやつは、部下や下請けには偉そうにする。自分が上司にしていることと同じことを相手に求めるんや。自分に見せる顔が相手のすべてやない・・もっと人を見る目を磨け(p106)
・大将の名前を出して指示を出す・・・理由を聞かされずに行動する部下は、意欲が湧かへん。そして大将に対しては『現場の苦労も知らず変な指示を出しやがって』と腹を立て、中隊長には『なんでも上司の言いなりだ』と不満を持つ(p65)
・何度もやり直す。その過程で研ぎ澄まされていく。その結果いいものができる。あえてダメ出しをする上司、この役割は、大切やと思わんか?(p19)
・ワシはな、最初からお前らが失敗するかもしれんと思ってたんや・・お前らに経営の難しさを心底わからせたかった。だから、ワシは一切口を出さず、途中で助け船も出さんかったんや(p195)
・オヤジは、業界団体の会合には一切出席せず、同業者間の付き合いもしない。アドレス帳に載っているのは、大学校友会、県人会、ロータリークラブなど、業界の違う友人ばかりだ(p140)
▼引用は下記の書籍からです。
日本実業出版社
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目次
01 出会い
02 あえてダメを出せ
03 皆を巻き込め
04 成果を直接求めるな
05 常に足を運べ
06 知識と行動を循環させろ
07 責任から逃げるな
08 事実を正確につかめ
09 責任を転嫁するな
10 会社全体を見ろ
11 一人ひとりと向き合え
12 人を見る目を磨け
13 子どものように育てろ
14 「お客様の視点」で観察しろ
15 結果を恐れず行動しろ
16 信念を持って叱れ
17 感謝を忘れるな
18 弱さを乗り越えろ
19 過去を否定しろ
20 失敗でくじけるな
21 自分自身を変えろ
22 本業に力を注げ
23 ゴキブリのように生き残れ
著者経歴
嶋田 有孝(しまだ ありたか)・・・昭和41年生まれ、大阪府出身。平成元年、同志社大学法学部卒業後、株式会社日経サービス入社。人事部などの勤務を経て、社長室長、総務部長、東京支店長、営業本部長、副社長を歴任。平成25年6月、同社取締役社長に就任
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