「人に嫌われない自己主張の技術」箱田 忠昭
2018/11/02公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
要約と感想レビュー
年間300回以上も講演を行うという箱田さんの一冊です。コミュニケーションの技術として内容は標準的なものですが、構成が素晴らしい。冒頭"つかみ"として7つの質問があって、その後に著者が小学校から対面恐怖症でそれをいかに克服したかが説明されます。
自己主張をうまくできないと人生はうまくいかないし、自己主張がうまくできれば人生うまくいく、ということが実感として伝わります。うまくいく自己主張とは、相手の立場や意見を考慮したものなのです。
・まとめ・・ 自己主張ができないと他人に利用され続ける・・相手を傷つけずに自分の主張を通すのが真の自己主張・・ほめ上手になれば自分の主張は通りやすい(p62)
「我が強い」のと、「自己主張」とは違います。「我が強い」というのは、事情を理解しようとせず、合理的な理由もなく、ごり押しする人のこと。その一方で「自己主張」は、相手を理解しつつ、事実を示し、自分の合理的な意見に導くことなのです。
つまり、上手に自己主張をするには、相手に言いたいことをすべて吐きださせて、聞いてあげるプロセスが必要なのです。相手が意見をすべて吐き出した後の心に空いた空間に、こちらの意見が入っていくのです。
・断るケースでは、「それは無理です」「他の人をあたってください」というようにむげに断るのではなく、かならず代替案を用意しています(p70)
この本の構成は、プレゼンの基本どおりの構成になっています。結論を先に言ってから、理由を説明し、実例をあげて補強し、最後にまとめる。図表も活用し、わかりやすい一冊に仕上がっていました。
箱田さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・相手の立場や意見を無視した自己主張は、一時的にはうまくいっても、かならずしっぺ返しを食らいます(p24)
・データなどを引用すると、客観性が高まり、説得力が増します。続いて、実例や具体例をあげて説明します・・・自分だけの体験を交えながら話すと説得力が格段にアップします(p198)
・一瞬で自己主張できる人に変身する方法・・・「あの人のようになりたい」と心から尊敬できる人をモデルとすることです(p59)
・自分のセミナーや講演を撮影したDVDをいくつも販売していますが、それを自分で見ることに恐怖を覚えます・・・映像によるチェックは大きな効果を持っています(p194)
・プレゼンを成功に導く話し方のコツ・・喫茶店で親しい人を説得するような話し方でプレゼンを行う(p212)
中経出版
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【私の評価】★★★★☆(82点)
目次
第1章 上手な自己主張は「できる人」への近道
第2章 人に嫌われずに言いたいことを伝える方法
第3章 人間関係を築けば無理なく主張できる
第4章 相手の話を聞くことで主張は通る
第5章 交渉の場で自分の主張を通す
第6章 プレゼンで自分の意見を主張するコツ
著者経歴
箱田 忠昭(はこだ ただあき)・・・インサイトラーニング代表。日本コカコーラ広告部マネジャー、エスティ・ローダーのマーケティング部長、パルファン・イヴ・サンローラン日本支社長を歴任。デール・カーネギー・コースの公認インストラクター。
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