「米中貿易戦争で日本は果実を得る」高橋 洋一

| コメント(0) |

米中貿易戦争で日本は果実を得る

【私の評価】★★★★☆(87点)


■元財務官僚の著者は、
 マスコミは物事の本質が分かっていない、
 と断言しています。


 例えば、マスコミはTPPに
 反対の立場を取ることが多いのですが、
 TPPは特許や資本の自由化を含む
 自由経済圏をつくる仕組みです。


 同じ仕組みである日欧EPAについても
 マスコミはあまり報道していません。


 TPPは、50%以下の出資しか認めず、
 ハイテク技術を盗もうとしている中国にとっては
 非常に都合の悪い仕組みなのです。


・中国はいつの間にか、自国が入れない
 自由貿易圏であるTPP11や日欧EPAに
 包囲されている状況を安倍総理に
 つくられたということだ(p125)


■また、マスコミはトランプ大統領の
 対中貿易戦争によって、自由貿易体制が
 揺らいでしまうと報道しています。


 しかし、実際のトランプの主張は、
 中国が自由貿易を行いたいならば、
 同じ条件にしようと言っているだけなのです。


 つまり、投資を自由化し、
 技術を盗んだり提供させるのをやめ、
 人の往来を自由にする。


 中国にとっては、
 これまでうまく日米に資金を出させ、
 工場を作り、技術を盗んできたのが
 できなくなるということです。


・「対米投資を自由にやりながら、
 対中投資は自由にさせず、
 アメリカの知的所有権を侵害している」
 というのがトランプ論法(p3)


■テレビや新聞では
 本当に大事なことは分からないように
 なっているのだと思いました。


 本当にマスコミが勉強不足なのか、
 それとも意図的に本質を報道しないのか
 知りたいものです。


 高橋さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・筆者は、「この米中貿易戦争は、
 いずれトランプ大統領の勝利に終わり、今後、
 中国は共産党独裁放棄か経済崩壊かを迫られ、
 イバラの道を歩き始めることになる」
 と予測している(p2)


・日本も知的所有権保護にもっと力を入れるべきだし、
 トランプ政権に追随して、中国からの投資にも
 制限をかけたほうがいいかもしれない(p65)


・筆者が驚いたのは、ベトナムが、日本が
 主導するTPPに参加を決めたときだ・・・
 ベトナムは、中国同様、社会主義国だが、TPPに
 参加するということは、まさに「社会主義国をやめる」
 という宣言であり、「中国と同じ道を歩むのはいやだ」
 という意思表示であり、中国と完全に袂を分かつ
 ということを意味していた(p129)


・中国にとって最悪なのは、日本とアメリカが、
 韓国をなだめながら北朝鮮を取り込むことだ。
 今、その綱引きがまさに始まろうとしている(p112)


・韓国がつらいのは、中国への輸出額が下がっている
 にもかかわらず、韓国の輸出額全体の約25%
 (GDPの約11%相当)を中国が占めていることだ・・
 日本の対中輸出額はGDPの約3%にすぎないから、
 それほど恐れることはない(p108)


・日本のメディアはFTA(自由貿易協定)や
 EPAの話になると、チーズやワインが安くなるという
 話ばかりを書き立てる。あれば、FTAやEPAの
 本質をわかっていないからだ(p123)


・EPAは・・FTAの要素である
 「物品およびサービス貿易の自由化」に加え、
 たとえば人の行き来の自由や投資の自由、
 政府調達、二国間協力などを含めて
 締結される包括的な協定のことであり、
 資本の自由化や、国有企業を民間企業と
 同列に扱うこと、そして知的所有権などの
 問題も含まれている。つまり、共産党支配で、
 資本の自由化を認めるわけにはいかない
 中国は他国とFTAは結べても、
 絶対にEPAを結ぶことはできない・・(p123)


・プーチン大統領と頻繁に会っているのが
 日本の安倍総理だ・・・
 もちろん、安倍総理の頭の中には
 北方四島問題があるだろう。
 しかし本音を言えば、狙いはロシアの
 石油や天然ガス資源なのではないか(p136)


この記事が参考になったと思った方は、
クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
blogranking.png


人気ブログランキングへ


米中貿易戦争で日本は果実を得る
高橋 洋一
悟空出版
売り上げランキング: 299

【私の評価】★★★★☆(87点)

[Amazonで購入する]

[楽天ブックスで購入する]



■目次

第一章 米中貿易戦争の背景を読む
第二章 「アメリカ勝利」が見えている米中貿易戦争
第三章 米朝首脳会談の行方
第四章 韓国の憂鬱
第五章 EUとロシアの今後を読む
第六章 収穫期に向かうアベノミクス
第七章 意味なき「出口論議」
第八章 日本経済の光と影
第九章 財務省不要論



にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ第3位
にほんブログ村



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読

>月別(2002年7月~)