「知らないからできる 既成概念を覆す「0(ゼロ)ベース思考」」岸良 裕司、 尾関 克巳、 岡本 崇史
2017/02/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(86点)
要約と感想レビュー
現場の近くでリードタイムを短縮する
中年サラリーマンと新入社員が、TOC(制約理論)を使って会社の課題を解決していく物語です。大量の不良品発生というトラブルに対し、現場に近い倉庫を借りて臨時の修理工場にしてしまうという解決策を見出し、別の例では、赤字続きの工場を在庫削減で黒字転換させてしまいます。
実は、これらは実話に基づく物語なのです。
作りすぎはあの世行き。(p121)
制約を把握する
制約理論とは、「どのような問題も、ごく一部が制約となって起こっている」という世の中の真理です。工場であれば、発注から納品までの時間(リードタイム)が長すぎるのかもしれない。プロジェクトであれば、制約自体が見える化されていないのかもしれない。組織であれば、組織の目標や成功基準が共有化されていないのかもしれない。
問題があるとすれば、どこかに制約(ボトルネック)が存在するはずなのです。
目的、成果物、そして成功基準を・・きちんと書き出したもので、それを関係者と作ることで、みんなのコンセンサスをまとめたんだよ(p50)
メンバーの意識が最大の制約
ものごとを同時並行でやったり、広いスペースを確保すると効率は良くなるように感じますが、現実は逆だという。本当は、ひとつひとつやったほうが早いし、狭いスペースのほうが、ものの滞留が減って効率が上がるというのです。
組織の中での最大の制約は、メンバーの意識ではないかと感じました。考え方を統一し、良い人間関係を維持すれば、良い方向に組織は動いていくのです。岸良さん、尾関さん、岡本さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・在庫を入れておく棚に、低いほうから赤、黄、緑のテープを貼って、在庫の量がひと目でわかるようにした(p136)
・エンジニアを倍投入しても、各コードが倍に増えるわけじゃありません・・だからコストは上がりません。それどころか開発期間が短くなるのだから、お客さんから早くお金が入るじゃないですか(p207)
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【私の評価】★★★★☆(86点)
目次
第1章 逆境はチャンス
第2章 流れの改善が業務のキモ
第3章 既成概念からの解放
第4章 マネジメントが変われば現場も変わる
著者経歴
岸良裕司(きしら ゆうじ)・・・1959年生まれ。ゴールドラットジャパンCEO。全体最適のマネジメント理論TOC(Theory of Constraint:制約理論)をあらゆる産業界、行政改革で実践。活動成果の1つとして発表された「三方良しの公共事業改革」は、ゴールドラット博士の絶賛を浴び、2007年4月に国策として正式に採用された。成果の数々は国際的に高い評価を得て、活動の舞台を日本のみならず世界中に広げている。2008年4月、ゴールドラット博士に請われてゴールドラット・コンサルティング(現ゴールドラット)ディレクターに就任し、日本代表となる。東京大学MMRC(ものづくり経営研究センター)非常勤講師。
尾関克己(おぜき かつみ)・・・ゴールドラット・コンサルティング・ジャパン パートナー。2008年、前職でのCCPMの社内導入を機会に来日中のゴールドラット博士と出会う。「日本のものづくりを全体最適で改革する」という現ゴールドラット・コンサルティング・ジャパン代表である岸良裕司氏の理念に共感。本書でも語られる数々の目覚ましい成果を認められ、2009年6月、プロジェクトディレクターとしてゴールドラット・コンサルティング・ジャパンに転職。転職後はTOCのトップエキスパートとして目覚ましい成果をクライアント企業にもたらし続けている。TOC国際大会での数々の発表事例、専門誌への論文投稿など幅広く活動。日本のみならずGlobalに活躍の場を広げている。本編主人公のモデルとして監修を担当。
岡本崇史(おかもと たかし)・・・外国語大学英米語学科に入学後、作家になるため中退。本編の執筆を担当。
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