優秀な人はどんな目標を持っているのか?「いまあなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。」岸良裕司
2023/02/24公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★★(92点)
要約と感想レビュー
ゴールドラット・ジャパンは成果報酬制
外資系コンサル会社ゴールドラット・ジャパンのCEO岸良さんの一冊です。岸良さんの動画は面白くてYouTubeで見ていましたが、この本は、書籍を読みながら岸良さんの動画をQRコードで参照できる!という革新的な一冊なのです。ゴールドラット・ジャパンは、制約(ボトルネック)を改善することで、課題を本質的に解決する会社であり、報酬は原則として成果報酬だという。それだけ成果を出すことに自信があるということなのでしょう。
例えば、在庫・流通システム(SCM)構築が頓挫しかけたプロジェクトでは、著者はプロジェクトの目的がSCM導入になっていることに気付きました。本当の目的は、リードタイム半減、在庫半減だったのに、システム導入が目的にすり替わっていたのです。そこで著者は、「ザ・ゴール」を読んでもらい、現状の制約を最大限活用することだけを考えて運用を変えたのです。その結果は、なんとリードタイム4分の1、在庫100億円削減を達成したという。
リードタイム半減、在庫半減、顧客サービス向上が目的・・・SCMシステムが完成しても、目標には到達しない・・制約の能力を最大限活用すること(p51)
抵抗勢力は応援勢力
問題解決のプロフェッショナルである著者は、抵抗勢力は応援勢力であると断言しています。抵抗勢力が懸念を示すのは、抵抗勢力がやることを真剣に考えているからだというのです。だから著者は、気がかりなことはありますか?その原因はなんでしょうか?その原因を解消する方法はありますか?と抵抗勢力の懸念を解消することに注力するのです。
また、トヨタ式のように「なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?」と問い続けると、普通の人は言い訳を言い始めるという。だから、「なぜ?」と質問するのではなく、「どういう状態になったらいいんだろう?」と問うというのです。三流のコンサルタントは、答えを教えます。一流のコンサルタントは、質問しながら、相手が解決策を見つけるのを誘導してあげるのです。そういえば、トヨタ生産方式を生み出した大野耐一さんも答えを教えなかったという。答えを教えてしまうと、自分で答えを見つける機会を奪ってしまうことになるからです。
人の最も優れた才能の一つが「不平不満をつべこべ言うこと」(p44)
あなたの人生の目標は何か?
この本が面白いのは、ゴールドラット博士との著者の交流から、ゴールドラット博士本人も、子どもの頃から、「あなたの人生の目標は何か?」という質問を両親から浴びせられて苦しんだといったエピソードを教えてもらえることでしょう。著者も大学生時代は、毎日六本木で朝まで遊んで1年生を3回続けたというエピソードが笑えます。
動画と書籍の融合にワクワクして読みました。内容も充実しているので★5とします。岸良さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・靴ひもは結べるかい。じゃあ、その結び方を隣の人に言葉で教えることはできるかい(p83)
・会社は何のために私を雇ったか?・・・諸先輩方がやりたくてもできなかったことだけやるようにしよう!(p111)
・プロフェッショナルとは?・・本番に備えて常に訓練を怠らない人(p126)
【私の評価】★★★★★(92点)
目次
Prologue ブレークスルーを生む「問いの力」
Chapter1 悪い問い
Chapter2 良い問い
Chapter3 正解をつくる
Chapter4 成長し続けられる目標設定
Epilogue 訓練すれば誰でも天才になれる
著者経歴
岸良裕司(きしら ゆうじ)・・・ゴールドラット・ジャパンCEO。全体最適のマネジメント理論TOC(Theory Of Constraint:制約理論)を実践し、活動成果として発表された「三方良しの公共事業」はゴールドラット博士の絶賛を浴び、2007年に正式に採用される。2008年、ゴールドラット博士に請われて、イスラエル本国のゴールドラット・コンサルティング・ディレクターに就任。トップエキスパートとして、ゴールドラット博士の思索にもっとも影響を与えた一人と言われている。妻は絵本作家の「きしらまゆこ」。
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