「職場の理不尽―めげないヒント45」石原壮一郎, 岸良裕司
2022/04/06公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
職場の理不尽への対策
朝日新聞に1年間連載された「職場の理不尽」をまとめた一冊です。無能な上司にイライラする、自分にだけ面倒くさい仕事がまわってくる、上司の方針がすぐに変わる・・・こうした不満はどこにでもあると思うのです。この本では、コラムニストとコンサルタントが回答していますが、基本的にはプラスに解釈することがサラリーマンとしては正解となります。
例えば上司にイライラするなら、その仕事の本質的な目的を考えてみる。その仕事の本質的な問題を考える中で、本質が理解できれば、本質的な解決策を見い出せるかもしれないのです。自分が上司だったらどう対応するか考えてみるのも、自分を成長させるために効果的でしょう。
上司へのイライラ・・・仕事をするときに「この仕事の目的は何だろう」と考えてみるのもよいだろう(岸良)(p19)
問題を自己成長の機会に転換
やはりコンサルタントの岸良さんは京セラからゴールドラットのCEOとなっただけあって、理不尽を自分の成長のために転換するのが非常にうまいという印象でした。職場に不満があるということは、職場の課題が見えているということです。不満を口にするだけなら、グチでしかありませんが、改善策を添えれば、業務改善提案となるのです。
不満を改善提案に転換し、問題を自己成長の機会に転換し、ピンチをチャンスに転換するのです。良い職場であれば良いことだし、悪い職場であれば改善のチャンスがある。いずれの職場でも自分にとっては良い職場なのです。
京セラ時代、トヨタの方に研修してもらったとき、「問題とはいいことだ」ということを教えられました。まずは「問題を見つけろ」と(岸良)(p11)
仕事のご褒美は仕事
「過去と他人は変えられない」と言われるように「部下と上司は変えられない」のですから、自分の受けとりを変えるしかないのでしょう。自無能な上司も「仕事を邪魔しないだけマシ」と解釈して、イライラではなく自分のやる気を鼓舞するのです。
分が担当の仕事が理不尽に忙しくて、残業を振られたとしても「仕事のご褒美は仕事」と見方を転換して、残業は自分を成長させる機会と考えることを岸良さんは提案しています。このように理不尽に耐え、プラスに転換する技がサラリーマンには求められるのでしょう。
もし、いつも居酒屋で上司の悪口を言っていると知らないうちに、本人に伝わってしまうリスクがあるので、やめましょう。石原さん、岸良さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・上司が思いも寄らなかったことまで斟酌して、よりよい形を作ることができる、そういう人が仕事では結果を出していく(岸良)(p177)
・10億円を払えばあなたの命は助かりますと言われたら・・・我々にとって一番大事なのは、お金ではなく、時間(p180)
・上司の評価が気になり、だから失敗が怖くなり、そつない方向でしか考えられなくなるという、その流れに乗ることこそが自分にとっての一番のフラストレーションでしたね(岸良)(p185)
【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
「理不尽から始めよう」
1 汝の名は上司
2 あなたの評価は...
3 女が働く時
4 社長!
5 会社員は見た!
6 会社の中の困った人々
7 労働基準法って何ですか
8 好意とハラスメントの狭間で
9 会社百景
「悩みは古典芸能だ」
著者経歴
石原壮一郎(いしはら そういちろう)・・・1963(昭和38)年三重県生まれ。コラムニスト。大学時代に作成した「埼玉ラブホテルガイド」が注目を集め、月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』(扶桑社)でコラムニストデビュー。
岸良裕司(きしら ゆうじ)・・・1959(昭和34)年埼玉県生まれ。ゴールドラットジャパンCEO。全体最適のマネジメント理論TOC(Theory of Constraint:制約理論)を実践。活動成果の1つとして発表された「三方良しの公共事業改革」は、2007年4月に国策として正式に採用された。2008年4月、ゴールドラット・コンサルティング(現ゴールドラット)ディレクターに就任し、日本代表となる。東京大学MMRC(ものづくり経営研究センター)非常勤講師。
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