「プーチン 最後の聖戦 ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは?」北野 幸伯


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【私の評価】★★★★★(94点)
要約と感想レビュー
■テレビを見ていると
「中国が靖国参拝を批判して・・」
「韓国議員が竹島訪問・・・」
「ロシアがグルジアを攻撃・・・」
「拉致被害者の安否を・・・」
「沖縄米軍基地の移設が・・・」
「北朝鮮のミサイル発射・・・」等
いろいろな国際関係の報道がされています。
でも、新聞を読んでもテレビを見ても、
どうも今ひとつ外交というものがよくわからない・・
という人のための一冊。
国家間の外交とは、
思ったよりも単純な理論で動いていると
この本は教えてくれるのです。
・そもそも「国益」ってなんでしょう?これはいろいろあるのですが、もっとも大事なものを二つあげるとすれば、
1 金儲け
2 安全(p114)
■ロシアを中心に見てみると、
エリツィン時代の1998年のロシアの資源は
新興財閥のものとなり、
欧米は会社ごと買収しようとした。
しかし、2000年に大統領となったプーチンは
マスコミ・政治を支配し、
欧米による買収を阻止し、
新興財閥から資源を取り戻したのです。
するとその後、キルギス、グルジアで
選挙を批判するデモから
チューリップ革命が起こった。
これは偶然ではなく、
必然だというのです。
ロシアの資源を支配できなかったアメリカが、
別の手段を使ってロシアの周辺国に
傀儡政権を作ろうとしたのです。
・プーチンが大統領選に勝利したのは2000年3月。・・プーチンは、就任早々「革命的改革」に乗り出します。それが、「連邦管区」の設置。・・連邦政府は、連邦法に違反した首長を解任できる権利をもつ(p44)
■それに対しプーチンは、
中国と手を結び、
上海協力機構を強化し、
軍事演習を実施した。
さらに石油のルーブル取引を開始し、
外貨準備のドル比率を下げた。
明らかにアメリカとの戦いを
選んだのです。
プーチンからメドベージェフ大統領となり
一時、欧米、ロシア間の雰囲気はよくなりますが、
またプーチンの時代が戻ってくる。
これからどうなるか、
あなたなら予想できますね。
・プーチン、仮想敵国・中国との同盟を決意・・・ロシア人エリートのアメリカ観・中国観を一言でいうと、「アメリカを憎み、中国を恐れる」となります(p171)
■こうした流れで見ていくと、
アメリカと中国の覇権のぶつかりが、
必然だとわかります。
そして、アメリカの一極支配を終わらせようとする
プーチンが帰ってくるのです。
・・・。
北野さんの驚異的なところは、10年前に
リーマンショック(アメリカの没落)を
予言したこと。
そしてまた、
予言は当たるのでしょうか。
・いまから10年後、すでに「ドル体制」は崩壊し、自国内には石油に代わる資源がありあまっている・・・そう、アメリカには、もはや戦争する理由がなくなるのです。・・・欧米の時代は終焉を迎え、アジアの時代が始まるのです(p326)
北野さん、良い本を
ありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・グリーンスパンさんが、「米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だった」、それは「誰もが知っている事実」と語っている・・しかし、日本だって、「石油」のために戦ったことがあります・・私たちはただ、「世界は平和で、石油もガスも電気もいつでもある」と「勘違い」しているのです(p139)
・尖閣諸島中国漁船衝突事件・・・アメリカが「尖閣諸島は安保条約の適用対象」と宣言した効果は大きかった。中国は、日本のことを「屁」くらいにしか考えていないでしょうが、アメリカと戦うことはできません(p248)
・世界の歴史は「覇権争奪戦」である・・・歴史を振り返ってみると、「No.1国家とNo.2国家は、つねに決着がつくまで争っていた」(p266)
・中東産油国で反米の国もあります。その代表がイラクとイランでした。しかし、アメリカはイラクを攻撃し、傀儡政権をつくった。残るはイランです(p290)
・中国の国家ライフサイクルを見ると、2010年代は「成長期後半」に当たります。それが正しいとすれば、2018年末から2020年ごろに、日本の「バブル崩壊」に相当するできごとが起こるでしょう(p323)
・「平和な時代」が過ぎ去ろうとしている・・・なぜかというと、「アメリカが日本を守れなく日」が近づいている。(p330)
▼引用は下記の書籍からです。
集英社インターナショナル
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【私の評価】★★★★★(94点)
著者紹介
北野 幸伯(きたの よしのり)・・・1970年生まれ。国際アナリスト。ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学卒業後、プーチン大統領の元ブレーンとともに日露ビジネスコンサルティング会社IMT設立。1999年からメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を発行。イラク戦争、北朝鮮情勢、次はイランなど次々と予測を的中させる。モスクワに28年滞在。2018年、日本に帰国
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