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「日本の生き筋ー家族大切主義が日本を救う」北野幸伯

2018/12/07公開 更新
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日本の生き筋ーー家族大切主義が日本を救う


【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

世界の未来を的中させてきたメルマガ「ロシア政治経済ジャーナル」北野幸伯さんの一冊です。ロシア在住が長い国際ジャーナリストらしい、日本への政策提言書となっています。


まず、タイトルにもあるように、日本人は労働時間が長すぎる。日本よりも短時間労働で、日本人より多く稼いでいる国は多いのです。収入が減らないという前提で短時間労働となれば、日本国民は今よりも幸せになるはずです。


さらに共働きで忙しいお母さんのために、ロシアと同じように保育園、幼稚園、小学校、中学校での「朝給食の導」を提案しています。朝食を作る時間が削減でき、子供はちゃんとした朝食を食べることができるのです。合わせて学校に朝、昼、夕の米飯給食を導入すれば、米の消費量も上がり、食糧自給率もあがるのです。


・長時間労働が、家族を破壊する・・・今より少ない労働時間で、今より国民が豊かになることは、可能であり、世界には、実例があふれている(p112)


その他の提言としては、税金ゼロの特区を作り企業を誘致すること。子供を生んだら住宅購入資金を補助することなどです。これらはすべて世界で行われており、成果を出しているのです。ちなみにロシアでは「子供を二人生んだ家族は、お金がもらえる」「三人子供を生んだ家庭には、住宅購入資金のローンを2000万円まで国が肩代わり」する制度があるという。


もちろんこうした思い切った政策は反対する人が多いでしょう。だからこそ中国のように日本の地方に特区を作り、テスト的に減税を行うのです。うまくいったら、全国展開すればよいのです。


・法人税をゼロにしたら、外国企業に、「日本で生産すれば、税金安いですよ。中国は人件費もかなり上がっていますし、独裁制で怖いでしょう?世界一安全で、従業員は世界一勤勉で、税金も安い日本に生産拠点を移しませんか?」とオファーしましょうと(p172)


日本は基本的に保守的ですから、大きく間違わない一方で革新的な改善が起こりにくいように感じます。これだけグローバル化している時代ですから、世界で実績を出している政策を検討してみる価値があるのかもしれませんね。


北野さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・地球規模でみると、世界の人が目指すのは、アメリカです・・・ロシアで成功した人たちは、なぜかロンドンに引っ越したがる。普通の優秀な人たちは、ドイツに向かいます・・・人々は、「仕事を求めて移動する」(p148)


・「もっとも大切な国家のグローバル化」とは、「外国企業を日本に呼び込むこと」です・・企業は、法人税を日本で払う。日本人を大量に雇い、雇われた人たちは、日本で所得税を払うのですから(p168)


・アメリカのタックスヘイブンがある。デラウェア州だ・・人口減少が申告な県の法人税を大幅に下げれば、東京圏から企業がやってくる(p155)


・コマツは・・創業地である石川県に回帰している工場を地方に分散している・・出生率が飛躍的に上がった・・従業員の生活が豊かになった・・退職者の健康寿命が伸びた(p164)


・少子化問題解決への投資は、リターンが高い・・この三人の子供たちが順調に育ち、成人し、就職したとしましょう・・・彼らが、大学を卒業してか22歳から60歳まで働くとすると、210万円×38年=7980万円、国に支払ってくれます。国が2000万円支援したら、リターンは7980万円(p277)


▼引用は下記の書籍からです。
日本の生き筋ーー家族大切主義が日本を救う
日本の生き筋ーー家族大切主義が日本を救う
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北野 幸伯
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【私の評価】★★★★☆(87点)


目次

第1章 日本を幸せにする三つのキーワード
第2章 家族大切主義と真の働き方改革
第3章 地方を復活させる秘策
第4章 給食革命と農業の復興
第5章 少子化問題を解決する方法
第6章 和ァームジャパン戦略



著者経歴

北野 幸伯(きたの よしのり)・・・1970年生まれ。国際アナリスト。ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学卒業後、プーチン大統領の元ブレーンとともに日露ビジネスコンサルティング会社IMT設立。1999年からメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を発行。イラク戦争、北朝鮮情勢、次はイランなど次々と予測を的中させる。モスクワに28年滞在。2018年、日本に帰国


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