「トヨタ現場の「オヤジ」たち」野地 秩嘉

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トヨタ 現場の「オヤジ」たち (新潮新書)

【私の評価】★★★★☆(89点)


■トヨタには副社長が6人いて、
 そのうち1人が中卒から現場で
 叩き上げた河合満さんです。


 河合さんは現場でカイゼンを繰り返し、
 大幅な効率化を実現し、
 人を育て、現場を掌握しています。


 トヨタでは金型の交換を10分以内で
 行うことが有名ですが、
 河合さんがカイゼンしたのですね。


・僕が担当していたところは1時間半くらい
 段替えにかかっていた。
 それを2年くらいかけてカイゼンして、
 9分にしたんです。
 鍛造で初めての「シングル段替え」
 (10分以内の金型交換)だったから、
 表彰してもらいました(p134)


■トヨタはカイゼンにより作業の効率化が
 進んでいますが、
 大事なのは人間関係だという。


 部下が年末一人だったら家に呼ぶ。
 部下が提案してきたらやらせてみる。
 QCサークルでリーダーをやってもらう。


 言われてやるのではなく、
 自分でやってみて、カイゼンの楽しさを知り、
 自ら「やってみよう」と考える人を
 増やすことが大事なのです。


・部下には「経験は宝。やってみなくてはわからんよ」
 といろいろ試してもらうようにしました。
 現場では人間関係、チームワークが大事なんです。
 人は自分で「やってやろう」と思って仕事をしないと、
 危ないし、生産性も上がりません(p40)


■トヨタの現場の一流の人は、
 経験と知識も一流ですが、
 魅力も一流なのだと思いました。


 「オヤジ」と言われながら、
 役員室を使わず現場を歩く副社長は
 すごいなと思いました。


 野地さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・自分たちで作るとおもしろくなる。
 上から、「やれ」と言われると、
 つまらないものに見えてしまう・・・
 自動車工場で働きたいという人は、
 自分で作る楽しさに触れると、
 とたんにやる気になりますね(p186)


・手作業の部分も残してある。
 それはロボットの性能を上げるためだ。
 ロボットは人間がやったことを真似る。
 人間の技能が上達しない限り、
 ロボットの性能はよくならない(p41)


・アゴとはじゃべるという意味だけれど、
 アゴだけじゃ人は動かん。
 さらに言えば、「きちんとやれ」とか、
 「ちゃんとやれ」なんて、いい加減な言葉ですよ・・
 ちゃんとやれと言うのなら、
 まず自分の腕を見せる(p63)


・それと「めんどう見」です・・
 正月に故郷に帰れずに居残っているのは
 家に連れてきて飯を食わす。
 そのことは故郷の父親、母親に
 手紙やはがきを書いて知らせる。
 それも組長の責任、オヤジのやることですよ。
 パーソナルタッチ、PT活動と言っていた(p63)


・全員が班長、組長になれるわけじゃない・・
 QCサークル、「創意くふう」の集団活動・・
 4,5人の単位で集団を作り、全員がリーダーを
 務める経験をさせました。人に教えると、
 やっぱり、教えた方も伸びるんです(p64)


・鍛造でも部品の在庫を持っていたことがあった・・・
 すると、鈴村さんがやってきて、
 「何、しとる」と雷を落とす。「全部、なくせ」と。
 それが問題の顕在化なんだ。
 部品の在庫を持っていたら、たとえ作業が少々、
 止まっても、間に合わすことができる。
 しかし、いつも間に合わせでやっていたら
 真の対策をしないでしょう(p110)


・アンドンは異常を見えるようにするためのもので、
 見つけたら、それをカイゼンする。カイゼンする
 風土がなかったら、トヨタ生産方式を
 導入することはできません(p137)


・アンドンという道具に対しても誤解があります。
 あれ、大野さんが導入した最初は
 「トイレに行きたくても言えない人」がいたから、
 アンドンを付けたんです。
 世界の生産現場では作業者がラインを
 止めるなんてことは難しい(p140)


・現場にいて、カイゼンしたり、くふうしたりすると、
 喜びがある。自分がカイゼンしたことで、
 反対番(次の直の作業者)が
 「お前、すごくよくなったぞ」と言ってくれる。
 やりがいがあるから、また、
 何かカイゼンしなきゃって思うんだよ(p141)


・手作業で1人で1台のエンジンを組んでみると、
 原理原則がわかる。頭の中にノウハウが全部、入る。
 次にラインをひくときに、
 この仕事は前でやったほうがいい、
 これは後でやったほうがいいとわかるようになる。
 なんでもかんでも機械におんぶしてしまうと
 そういうことがわからない(p160)


・トヨタでは作業者も経営者も一緒です。
 みんな、今までとは違う仕事をやろうと考える。
 カイゼンする。カイゼンしたり、
 創意「くふう」すればちゃんと、
 お金もらえるしね(p138)


・長いラインをひいてしまうと、
 100個を10人でつくっていたのを、
 50個になったからといって5人では回せないんです。
 ラインが長いから、どうしても人数がかかってしまい、
 6人か7人は必要になる。それで生産性は落ち、
 競争力も落ちる。私たちは大反省して、そして、
 もう一度、ラインを組み直したのです(p181)


・作業に使う道具は集中して研ぐ・・
 それ以前はそれぞれの職人が
 「自分の道具は自分で研ぐ」
 と言っていたのを、副社長までやられた
 大野耐一さんがやめさせて、
 専門チームが研ぐ方式に変えた(p17)


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■目次

1 トヨタが地方企業だった頃
2 15歳の新入社員
3 鍛造工場という現場
4 トヨタに入った日
5 車が買えた日
6 「トヨタウェイ」と「トヨタ生産方式」
7 「カイゼン」とトヨタ式人材育成術
8 工長の白い帽子
9 鳴り止まなかった電話
10 モノ作りを考える
11 現場で働き続ける



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