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日本復活のための提言「新日本人道」北野 幸伯

2020/02/07公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(87点)


要約と感想レビュー

戦略不在の日本の歴史

ロシアの外交官養成機関「モスクワ国際関係大学」で学んだ著者が教える、日本が繁栄し滅びないための提案です。日本人は外国から見ると、企業も政府も戦略的思考、戦略的行動が苦手だという。例えば第一次大戦のとき、ドイツの猛攻で劣勢となったイギリスは、日英同盟に基づき日本に「陸軍を送ってくれ」と何度も要請しました。日本は海軍を出しましたが、陸軍の派兵は断り続け、最後まで送りませんでした、イギリスは日本に失望し、日英同盟は1923年に解消されてしまうのです。


同じように太平洋戦争前の日本の仮想敵国は、陸軍がソ連、海軍がアメリカと陸海軍ばらばらで最後まで統一できませんでした。日中戦争でも、満州利権を日本が独占しようと考えたためにアメリカ、イギリス、ソ連を敵にまわしてしまい、日本包囲網を作られてしまいました。中国は戦闘に弱いのですが、「情報戦」「外交戦」によって、アメリカ、イギリス、ソ連を味方につけることに成功したのです。何が大切なのか、誰が主敵なのかわかっていなければ、いくら強くても負けてしまうことがあるのです。


・もっとも重要なことは、「主敵を定めること」です。戦前、日本政府は、これができていませんでした。陸軍は、「ソ連が主敵」と主張し、海軍は、「アメリカが主敵」としていました(p141)


戦略とは誰が敵なのか

現代の中国は「平和的台頭戦略」によって、他国の企業を取り込んで経済的な繁栄を達成しました。その勢いを借りて日米・日露・日韓関係を破壊することで、日本を孤立させ、日本を破滅させようとしているのです。ところが日本は、中米貿易戦争がはじまったら中国から日本への批判がなくなったので、これ幸いと習近平の訪日を計画していることに、著者は驚くのです。


アメリカから見れば、「米中覇権戦争」がはじまった途端に、アメリカの敵である中国に接近する日本を見て、「裏切り者!」と思うに違いありません。イギリスが苦しいときに無視した日本は、またアメリカが苦しいときに無視どころか敵を助けようとしているのです。日本政府は、こんな基本的なことも理解できていないのです。


・中国の戦略は、日米、日ロ、日韓関係を破壊し、日本を孤立させることです。日本政府は大戦略を忘れ、日米、日ロ、日韓関係を冷却化させてしまった・・これはまさに「中国の戦略通りに動いている」(p139)


日本を破滅させようとする中国

第二次大戦のときヒトラーと対立したチャーチルは、ヒトラーに勝つためにそれまで対立していたアメリカとソ連とヤルタで同盟を組みました。今、中国は日本を破滅させるために日米、日露、日韓関係を破壊しようとしているのに、日本は習近平を招待する一方で、アメリカ主導のタンカー防衛有志連合への参加を拒否する日本。


このままいけば、日本は戦前のように中国の戦略にはまって滅んでしまう、という危機感があるのだと思いました。北野さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・チャーチルは、「我が大英帝国は、独立自尊の国。田舎者のヤンキーや、共産主義者(ソ連)の手は借りぬぞ!」などとは言いませんでした。むしろ彼は、悪魔(ヒトラー)に勝つために、もう一人の悪魔(スターリン)と喜んで手を組んだ。それでイギリスは救われたのです(p75)


・第二次大戦・・・私たちのご先祖様の戦争は、少なくとも日本の独立をかけた戦いだった。戦略が不完全で完敗しましたが、それでも、私たちの祖父、祖母は、任務のために尋常でない勇気を示したのです。だから、日本は戦争で負けたとしても、私の祖父が、日本を守るために戦い、満州で戦死した事実には、感謝しています(p89)



北野 幸伯、扶桑社


【私の評価】★★★★☆(87点)


目次

第1の掟 「和の世界」を創れ
第2の掟 知性によって日本を自立国家へと導け
第3の掟 「理想を目指す」現実主義者であれ
第4の掟 日本の「真の国益」は何かを常に考え行動せよ
第5の掟 常に「大戦略」の視点から物事を見よ
第6の掟 日本を愛し、他国・他民族への尊敬の念を忘れるな
第7の掟 言葉と行動によって日本の名声を高めよ



著者経歴

北野 幸伯(きたの よしのり)・・・1970年生まれ。国際アナリスト。ロシア外務省付属モスクワ国際関係大学卒業後、プーチン大統領の元ブレーンとともに日露ビジネスコンサルティング会社IMT設立。1999年からメールマガジン「ロシア政治経済ジャーナル」を発行。イラク戦争、北朝鮮情勢、次はイランなど次々と予測を的中させる。モスクワに28年滞在。2018年、日本に帰国


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