人生を変えるほど感動する本を紹介するサイトです
本ナビ > 書評一覧 >

「ロシア やはり恐ろしい闇の歴史: 教科書に載らない暗黒の履歴とは」歴史の謎を探る会

2023/02/27公開 更新
本のソムリエ
本のソムリエ メルマガ登録[PR]

「ロシア やはり恐ろしい闇の歴史: 教科書に載らない暗黒の履歴とは」歴史の謎を探る会


【私の評価】★★★★☆(80点)


要約と感想レビュー

ロシアは殺戮と謀略の歴史

ロシアのウクライナ侵攻を見て、ロシアの歴史を学ぶ必要性を感じて手にした一冊です。ロシアの歴史は、独裁者の歴史でした。農奴制を法制化したイワン3世。シベリアを征服したイワン4世。徴兵制を敷いたピョートル1世。ポーランドを分割したエカチェリーナ2世。ロマノフ家を抹殺したレーニン。ロシアは常に強い支配者を求めているのです。


そしてロシアの歴史には、常に殺戮と謀略があります。ロシアはポーランドをドイツと分割支配したとき、カティンの森で4000人のポーランド人を殺害しています。スターリンはウクライナで農業集団化を強制し、ウクライナから食糧を押収して、600万人ともいわれる餓死者を出しています。レーニンは富農、売春婦、高利貸しを絞首刑、銃殺にしています。


・レーニンが富農を嫌ったのは、彼らが読み書きができ、自立心を持っていたからだとされる(p180)


プーチンが排除されても違う権力者が出てくる

また、ロシアでは弱い支配者は、革命やクーデターで排除されてきました。プロイセン(ドイツ)との和平を進めたピョートル3世は、クーデターで殺害されています。新たなツァーリとなった妻のエカチェリーナ2世は、クーデターに事前に同意していたらしいのです。その子であるパーヴェル1世は、貴族の不満から近衛連隊のクーデターで暗殺されるのです。


1853年のクリミア戦争ではロシアは、オスマン帝国、イギリス、フランス連合に破れ、50万人もの戦死者をだしています。ロシアの威信は地に落ち、国内の不満が拡大し、その後のロシア革命への導火線となったのです。


専門家の一部はウクライナ侵攻が短期間で終わらずロシアが撤退するようなことになれば、プーチンは排除され、また違う権力者が出てくると予想しています。この本を読むと、専門家がそう考えるのは当然であり、ロシアには独裁の歴史しかないからです。


・クリミア戦争の発端は、ロシアの"オスマン帝国苛め"である。すっかり弱ったオスマン帝国に、ロシアは次々と難題をふっかけていた(p143)


敵対者を抹殺してきた歴史

なぜロシアがウクライナに侵攻するのか、信じられない!という人がいますが、ロシアの歴史を学ぶべきなのでしょう。ロシアで実業家の不審死が続いているのも、支配者が気にくわない人たちを抹殺してきた歴史を繰り返しているだけなのです。専制国家が世界を支配しないことを祈るのみです。


ただ、時代とともにロシア国民の自由を求める意思は大きくなりつつあるように感じますので、100年後には、国民国家になっているかもしれません。もう少しロシアを調査してみたいと思います。歴史の謎を探る会さん、良い本をありがとうございました。


無料メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」(独自配信)
3万人が読んでいる定番書評メルマガ(独自配信)です。「空メール購読」ボタンから空メールを送信してください。「空メール」がうまくいかない人は、「こちら」から登録してください。

この本で私が共感した名言

・16世紀末には農民の移動は全面的に禁じられる・・飢饉のときは、農民は餓え死にするか、領主に殺されるのを覚悟で逃亡するかどちらかだった(p50)


・アンナ女帝・・反対派を弾圧、約2~3万人をシベリアへの流刑に処している(p109)


・(ロシアの秘密警察)オフラーナは、社会に鬱積した憤懣がツァーリと政府に向かうのを恐れ、「シオンの議定書」をでっちあげて民衆の鬱憤をユダヤ人に向けさせた(p155)


▼引用は、この本からです
「ロシア やはり恐ろしい闇の歴史: 教科書に載らない暗黒の履歴とは」歴史の謎を探る会
歴史の謎を探る会 、河出書房新社


【私の評価】★★★★☆(80点)


目次

1 ルーシ~キプチャク=ハン国編―240年間の「タタールの軛」より酷かったルーシ時代
2 モスクワ大公国編―恐怖の「雷帝」イワン4世はなぜ錯乱死を遂げたのか?
3 ロマノフ朝興隆編―近代化の祖ピョートル1世はなぜ肉親を幽閉・殺害したか
4 ロマノフ朝女帝輩出時代編―実はドイツ人!華麗なる女帝エカチェリーナの"裏の顔"とは
5 ロマノフ朝の終焉編―過激思想と暴力に引き裂かれた帝政ロシアの断末魔
6 レーニン&スターリンのソ連編―レーニンが収奪・虐殺の手法を教え、スターリンが冷酷・大胆に実行した
7 ソ連崩壊~現代ロシア編―ソ連が崩壊しても"恐ろしあ"は変わらない


著者経歴

歴史の謎を探る会・・・歴史の中に埋もれている"ドラマチックな歴史"を楽しむべく結成された、夢とロマンを求める仲間たちの集まり。学校では教わらない史実の裏側にスポットを当て、一風変わった視点からのアプローチには定評がある。


ロシア関係書籍

「諜報国家ロシア-ソ連KGBからプーチンのFSB体制まで」保坂 三四郎
「ロシア やはり恐ろしい闇の歴史: 教科書に載らない暗黒の履歴とは」歴史の謎を探る会
「ロシア皆伝」河東哲夫
「ロシアについて 北方の原形」司馬 遼太郎
「ロシア闇の戦争―プーチンと秘密警察の恐るべきテロ工作を暴く」アレクサンドル・リトヴィネンコ
「プーチン 最後の聖戦 ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは?」北野 幸伯


この記事が参考になったと思った方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
 にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ


ブログランキングにほんブログ村



<< 前の記事 | 次の記事 >>

この記事が気に入ったらいいね!

この記事が気に入ったらシェアをお願いします

この著者の本


コメントする


同じカテゴリーの書籍: