公明党支援団体「創価学会の研究」玉野 和志
2012/04/08公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(70点)
要約と感想レビュー
最近、テレビでのCMも見られる「創価学会」の研究です。文献の調査と、関係者へのインタビューから創価学会の歴史と組織の状況をまとめています。日蓮宗との決別から、政界への進出と、共産党との確執という歴史があります。そして出版妨害、盗聴、諜報活動等のスキャンダルもありました。
・自分が若いときによく目にした学会員はめちゃくちゃで、やれ今日はいくつ神棚を焼いてきたとか、何人折伏できたとか、そんなことばなり言って、いわば闘士のようなもので、おとなしく信心しているという感じではありませんでしたね(p39)
中国と創価学会の関係も記載しています。中国の革命家たち(とりわけ周恩来)は早くから創価学会という団体と関係を持ち、社会党でも共産党でもなく、池田大作や公明党を頼り、日中国交正常化に公明党が窓口となったのです。著者は創価学会が日本において労働者階級を組織した団体であったことを理由としてあげていますが本当なのでしょうか。
すでに公明党は日本の連立与党経験もあり、政治上は一大勢力といえるでしょう。過半数を取れなくても、連立政権に入ることで、政治に影響力を行使できるのです。政治力+財務力+組織活動。こうした力を創価学会は、どのように使っていくのでしょうか。
・公明党の議員さんとはいつも応援をする関係ですから、たとえば、あそこに段差があるから何とかしてくれないかというようなことは、すぐに言える関係です。自分たちで選んでいるわけですから、それだけ評価が厳しいところもありますよ。(p45)
内容的に、独自調査があまりなく突っ込みが弱い印象でした。逆に突っ込みすぎると出版できなくなるのかもしれません。玉野さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・創価学会の内部告発者として、おそらくもっとも有名なのが、山崎正友であろう・・彼がいまだもって『聖教新聞』紙上などで、創価学会からこっぴどく非難されるのは、学会から離れた後、かつて自らが中心的に関わった創価学会の諜報活動について、告発しているからである。(p90)
・学会の教学本の中にも、「仏法は勝負である」という表現が見られる。つまり仏法の正しさは必ず結果として現れるとされるのである。これを「現証」といい、その一つとしてかつては「罰が当たる」ということがしきりに強調されたのである。この点も初期の創価学会の勧誘を何やら脅迫めいたものにした理由である(p47)
・2008年現在、創価学会は世界192カ国にわたって1200万人以上の会員を抱えているという。その組織はSGI=創価学会インターナショナルと呼ばれている。・・したがって、海外でも創価学会は仏教系の新興宗教=カルトとして知られている(p143)
【私の評価】★★★☆☆(70点)
目次
第1章 学会員たちの信仰生活
第2章 創価学会の基礎知識
第3章 創価学会についての研究
第4章 創価学会の変化
第5章 これからの創価学会
著者経歴
玉野和志(たまの かずし)・・・1960年石川県金沢市生まれ。東京都立大学人文学部卒。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。東京都老人総合研究所、流通経済大学を経て、首都大学東京人文科学研究科社会行動学専攻社会学分野教授。社会学博士
創価学会関連書籍
「創価学会とは何か」山田 直樹
「乱脈経理 創価学会VS.国税庁の暗闘ドキュメント」矢野 絢也
「カルトとしての創価学会=池田大作」古川 利明
「お笑い創価学会信じる者は救われない」佐高 信、テリー伊藤
「池田大作「権力者」の構造」溝口 敦
「創価学会財務部の内幕」「学会マネー」研究会
「創価学会の研究」玉野 和志
「芸能人と新宗教」島田裕巳
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