「創価学会とは何か」山田 直樹
2009/01/03公開 更新本のソムリエ [PR]
Tweet
【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
公明党が発案した2兆円規模の定額給付金が実施されます。そういえば、昔、竹下首相のときに地域振興券というものがありました。公明党は宗教法人である創価学会が作った政党です。政治の世界で力を持つことで、自民党と組んで、すでに日本国を動かす与党ですので、創価学会の権力基盤を確個たるものとしています。
・与党入りで公明党が条件として提起したのが、経費も含め7700億円もの巨費を投じた「地域振興券(=商品券)」である。(p21)
公明党といえば、創価学会が支持母体であることは、公知の事実です。電車の中刷りによくある「SGI」も創価学会ですし、最近はテレビで創価学会のCMをよく見かけます。創価大学、聖教新聞などあらゆる分野で活動していることがわかります。
日本人として、公明党について書籍を集めて勉強してみることにしました。面白いのは、創価学会は信者から財務という名の寄付を募り、資金を集めて、選挙で政治家を国政に送り込んでいます。そして、政治家を動かして、国の金を国民にばらまく傾向があるようです。国の金を使って公明党つまり創価学会の権力を盤石のものとしているのです。
・"王仏冥合"・・・その望みを実現させるために池田は二つの大きな目標をたてました。一つは公明党を作って政治を牛耳り、もう一つが優秀な学会員子弟達を政官財各界に送り込み、国家の中枢、重要な部分を自らの勢力で抑えてしまおうという"総体革命"です。(p147)
創価学会は、日蓮正宗の信徒団体であったものが、1990年に破門されています。こうした経緯のなかで、創価学会と日蓮正宗は、激しい中傷合戦、訴訟で戦っているようです。日本の宗教はあまり戦いは好まないと思っていたのですが、戦いを選ぶ宗教もあるのですね。
元々は日蓮宗だったのですが、日蓮宗の支配下に入るほど創価学会は協調的ではないのです。支配下に入るくらいなら、支配する側に回る。支配できなければ攻撃するのが、創価学会のやり方のように見えます。信者も多いし、金もある。雑誌や新聞といったマスメディアも持っている。金で広告費を出してマスコミにも影響力を持っている。政治に与党となっているのですから、恐るべき宗教組織といえるのでしょう。
・1990年12月、池田大作・創価学会名誉会長は、日蓮正宗の信徒代表である「総講頭」の資格を剥奪される。・・・翌年、破門された池田創価学会は、依頼、前章で示したような口汚い罵倒や凄まじい攻撃を宗門に対して仕掛けていく。その攻撃の一つが、全国各地で起こされていった訴訟である。(p94)
いろいろあるようですが、与党である公明党、創価学会については、日本の運命を左右するほどの力を持っていますので、これからも注視していきたいと思います。
この本で私が共感した名言
・「ゲス」「ヘビ」「犬畜生!」「カセネタ屋」「薄汚いドブネスミ」「人間の皮をかぶった鬼畜」「衣を着た畜生!」「インチキ坊主」・・・こんな言葉で一方的に他人を貶め、嘲罵を繰りかえしている「新聞」があるのをご存知だろうか。(p72)
・実は、創価学会(フランス創価学会インタナショナル)は、95年12月にフランス国民議会に、「カルト(セクト)」と報告されている。議会に提出された「セクト調査委員会報告書」の基準には、・多少を問わず反社会的な教説 ・公共秩序の攪乱 ・多くの裁判沙汰(p105)
・65年に池田が行った大石寺の正本堂建立御供養という資金集めで、学会は目標の十倍以上の355億円を集めてしまいました。池田は、全国規模の供養について、"将来は一切、いたしません"と言っていたのに、これに味をしめて以後、次々と金集めを行うようになったんです(後呂雅巳)(p126)
・独裁者となった池田は、折々にこんな言葉を残すようになる・・「勝つか負けるか。やられたらやりかえせ。世間などなんだ。私は恐れなど微塵もない。勇者は私だ。(中略)反逆者には『この野郎、馬鹿野郎』でいいんだ」(埼玉指導 89年3月12日)(p168)
▼引用は、この本からです。
【私の評価】★★★☆☆(74点)
目次
第1章 今、なぜ創価学会なのか
第2章 言論弾圧
第3章 メディア支配
第4章 "宗教者"の正義
第5章 連敗の裁判
第6章 不公平税制
第7章 狂気の選挙戦
第8章 池田大作の人生
第9章 池田後の教団の行方
著者経歴
山田 直樹(やまだ なおき)・・・1957年生まれ。「週刊文春」の専属記者を経て、フリーのジャーナリストに。政治、経済、事件、宗教などを取材。
創価学会関連書籍
「創価学会とは何か」山田 直樹
乱脈経理 創価学会VS.国税庁の暗闘ドキュメント」矢野 絢也
「カルトとしての創価学会=池田大作」古川 利明
「お笑い創価学会信じる者は救われない」佐高 信、テリー伊藤
「池田大作「権力者」の構造」溝口 敦
「創価学会財務部の内幕」「学会マネー」研究会
「創価学会の研究」玉野 和志
「芸能人と新宗教」島田裕巳
読んでいただきありがとうございました!
この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓
人気ブログランキングに投票する
メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」 42,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。 >>バックナンバー |
配信には『まぐまぐ』を使用しております。 |
お気に入りに追加|本のソムリエ公式サイト|
コメントする