「みんな年をとる―老齢化社会を生きる知恵」邱 永漢
2009/01/04公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(82点)
■だれでも年をとるのは初めてですから、
中年は中年の初心者であり、
老人は老人の初心者なのでしょう。
ですから、年をとったら、
年をとった人の助言を聞く必要があると
思うのです。それがこの本です。
■お金儲けの神様として有名な邱 永漢さんですが、
この本では、お金儲けではなく、
お金の使い方を説明しています。
つまり、
「死んでからお金は使えませんよ」
ということです。
・お金は使った人が使い方を本当に知っている人で、一生、全知全能を搾ってお金を儲けたのに、使わないでそのまま死んだ人が最大の浪費家ということになりませんか(p26)
■特に、サラリーマンは
老後のための準備が必要です。
なぜなら、自営業に定年はありませんが、
サラリーマンは60歳で仕事を
クビになってしまうからです。
60歳で仕事がなくなってから、
平均寿命でいえば
あと20年は残っています。
この20年をいかに生きていくかが、
その前の準備にかかっているわけです。
■私は、「仕事は準備である」
という言葉が好きなのですが、
老後も同様に「準備」が必要なのですね。
40歳から60歳の退職の準備を
しなくてはならないと言われて、
ちょっとショックを受けました。
本の評価としては★4つとします。
─────────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・私が「人にクビを切られて職場を離れる定年は六十歳だが、自分で自分のクビを切る定年が四十歳だ」と主張するのは、あとの四十年を上手に生きるためであるが、そう言っても、自分で自分のクビを切れる人は百人に一人もいないだろう(p61)
・将来もしかしたら、自分は金持ちになるかも知れないという予感を持った人は、たとえサラリーマンでも若いうちから、節税対策として、財産形成の過程で、所有を家族の間に分散しておくことである。(p182)
・若い人に囲まれて暮らすことができれば、年をとるのをいくらかでも遅らせることができる。そのためには若い人たちを身近に集めなければならないし、それをやろうと思えば若い人のためにお金を使うことを惜しまないことである(p237)
・私が一番嫌っているのは戒名である。・・・敬虔な信徒とはほど遠い人が死んだ途端に居士とか、信女になる。しかもそういう戒名を付けてもらうために信じられないくらい多額のお金を坊さんに搾り取られる。(p158)
▼引用は、この本からです。
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【私の評価】★★★★☆(82点)
■著者経歴・・・邱 永漢(きゅう えいかん)
"金儲けの神様"の異名をもつ作家、投資コンサルタント。1924年台湾生まれ。本名は邱炳南。台湾生まれ。東京大学卒業。1955年小説「香港」で直木賞受賞。著書多数。
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