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「革命社長」吉越 浩一郎

2005/08/15公開 更新
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革命社長


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

 実績を出している社長は何が違うのでしょうか。まず、仕事はきつい。実際にトリンプでは、中途入社の人がついていけなくて退社するケースが多いという。そのスピードと責任追及についていけない人がいるのです。


 第一に期限の決め方が厳しい。基本は明日だという。最長でも1週間。私の会社でも「明日の朝まででいいから」という上司がいますが、このような期限の決め方でも、早朝に会議をしているからこそ仕事が回っているのでしょう。


 さらに、残業は基本的にないので、担当は時間内に集中して業務を完結させるように強制しています。課長職は2週間連続で休暇を取らなくてはならないことも、ルール化して実行させているという。


・毎日18時には全社員退社しますから、その後、子供を迎えに行って夕飯も作れる・・・今では18時25分になると無条件に社内が消灯されるシステムにしちゃったから、平日はだれも残業できません。(p88)


 また情報をオープンにしています。早朝会議で、「こういうことが起こった」「こういう報告があった」と、すべて会議でオープンにして、「誰が、何を、いつまでに」ということを決めるのです。


 誰が何やっていて、その実績がすべてオープンであり、業績により降格もありえる職場ですから、休んでいる間もあまり気が休まらないのかもしれません。店舗調査も抜き打ちで月20店舗について、接客の点数を付けて店舗ランキングを出すという。


・うちは、課長が部長に昇格するだけじゃなく、部長から課長に降格する人もいれば、そこからまた部長になった、なんていう人も何人かいます・・・朝の会議で各部署のやっていることがみんなの前でオープンになってしまうから、どの部署のどの役職の人が仕事ができるのか、できないのかが一目瞭然。(p92)


 社長自らが現場感覚を持っていて、担当者にも現場の情報を要求しているところもポイントでしょう。もし、全く同じ仕事のスタイルの人がいたとしても、現場を知らなければ、間違った判断を下してしまい、会社はすぐにぼろぼろになってしまうはずだからです。


 特に企画系の人は、現場感覚から全くズレたことを言うらしいのです。例えば「アンケートを取ります」と主張するのが現場感覚のない人の特徴で、直接本人に聞きに行けばいいというのが著者の感覚なのです。絶対やると決めたことは、任せたうえで、常に進捗状況をチェックして、どうしてもうまくいかない時にはトップ自らの責任で、徹底的に入っていってでもやらせるのが吉越流なのです。


 もう、吉越社長は引退を考えているようです。しかし、これからが本当の吉越社長の力量を評価されるときなのでしょう。引退後に、トリンプの成長を維持できる人をいかに育てたかということが数字で評価されるのです。


 吉越社長の優秀さと、こういう会社もいいな~と思わせる仕事のやり方に★4つとしました。


この本で私が共感した名言

・たとえば私が「他の部署にお願いしてあることがまだあがってこないので、これ以上進められません」と言うと、「それは頼んだことを追いかけていない自分の責任だ」と返されます・・・デッドラインを自己責任として守って完了させない限り、仕事は終わらないということなんですね。(佐藤真貴)(p64)


・会社はトップで変わることを目の当たりにしました。トップがどういう方向を示すかで、社員の心まで変わる。(営業本部長 木田博明)(p10)


・社内にある問題を僕が引きずり出すと、初めの頃はみんな「えーっ!」って声を出して驚いていたのに、僕があまりにオープンにどんどん出しちゃうものだから、次第にしーんとして僕のメモを読むようになりました。(p143)


・ホンダは役員だけを大部屋に入れていると聞きますけど、これはとても重要なことだと思います。・・・役員同士で情報の共有化ができれば、同じ認識に立って「そうだな」と前に進むことができる。(p38)


▼引用は下記の書籍からです。


【私の評価】★★★★☆(88点)


目次

第1章 仕事を楽しくする法則!
第2章 社員をイキイキさせる法則!
第3章 会社をとことん伸ばす法則!
第4章 商品が愛され続ける法則!



著者経歴

 吉越 浩一郎(よしこし こういちろう)・・・1947年生まれ。大学卒業後、メリタジャパンなどを経て1983年にトリンプ・インターナショナル(香港)入社。プロダクトマネジャーなどを経て、86年よりマーケティング本部長。87年代表取締役副社長。92年代表取締役社長。毎朝八時半に開かれる「早朝会議」をはじめ、「ノー残業デー」「がんばるタイム」など、効率重視の経営で、19年連続の増収増益を達成。2006年、予定どおり60歳で社長を退任。吉越事務所を設立。


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