「デッドライン決断術-ムダな仕事はネグれ! 」吉越 浩一郎
2015/09/17公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(85点)
要約と感想レビュー
「早朝会議」の吉越さんの決断のコツです。吉越さんは天使のブラのトリンプで14年間社長をしていましたので、決断とは経営者としての決断です。
決断はYESかNOですので、報告者は、「この問題には、こうしたいと思います」と提案しなくてはなりません。つまり腹案を持ったうえで、報告するということです。決定者はそうした提案に対して、もっと情報を要求するのか、ここで決めるのか判断するのです。
・会議は「話し合いの場」ではない。「決断を下す場」である。だから、報告する人間には、ただ問題提起して「どうしましょう」ということは許されない。こちらが下す決定は「イエス」か「ノー」かの二者択一だから、報告者は「こういう問題があるので、こうしたいと思います」という自分の結論を示さなくてはいけないわけだ(p138)
決定者は決断を急いで、拙速になってはいけません。決断するために、十分な情報を集め、共有する必要があります。いわゆる衆知を集めるのです。
一方で、決断が遅れれば、その間は、問題を先送りすることになります。そうした限られた条件の中でバランスのとれた決断をするために、期限を決めて、議論していくことが必要なのでしょう。
・「与えられた状況」が変われば従来のパターンは通用せず、前例のない判断を下して自らを変えることが必要だ・・そこには前例にとらわれない「判断」が求められる・・「判断」のところでデッドラインを設定することが大事だ(p81)
「いつまでに決める」「そのために、これらの情報を集め、分析する」そうしたことをオープンな場で共有して議論を進めることが大事なのでしょう。トリンプの業績が良いことの原因がよくわかりました。
吉越さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・会議というのは、結論だけではなく、判断にいたるプロセスまで社内で共有することが大事だ。・・現場での微調整が必要になっても・・グズグズと考え込むことなく先に進めるわけだ(p75)
・会社とは、いわば「売上を高めて利益を上げる機械」なのだ。この本質をわきまえずに、これからの荒波を乗り切ることはできない(p27)
・特殊な事態が発生した後には必ず「反省会」を開き、改善点を見つけてマニュアルに残したものだ。「禍を転じて福」とするような態度が、本来なら仕事のレベルを向上させるのである(p118)
・仕事のできる人間というのは、メールの返信ひとつにしても早い。周囲を観察して、そういうことに気づけるかどうかも、「暗黙知」を身につけられるかどうかのポイントだろう(p134)
・働く人々の勤勉さを「悪用」して、リーダーたちがサボっているといってもいい。・・日本人の「忠誠心」もまた、無駄遣いされ、悪用されている(p196)
▼引用は下記の書籍からです。
祥伝社
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【私の評価】★★★★☆(85点)
目次
第1章 なぜ頑張っても幸せになれないのか
第2章 こんな時代にこそ求められるデッドラインの発想
第3章 リーダーは「判断」するのが仕事
第4章 「ネグる力」を身につけよ
第5章 個人もこの国もデッドラインで立ち直れる
著者経歴
吉越 浩一郎(よしこし こういちろう)・・・1947年生まれ。大学卒業後、メリタジャパンなどを経て1983年にトリンプ・インターナショナル(香港)入社。プロダクトマネジャーなどを経て、86年よりマーケティング本部長。87年代表取締役副社長。92年代表取締役社長。毎朝八時半に開かれる「早朝会議」をはじめ、「ノー残業デー」「がんばるタイム」など、効率重視の経営で、19年連続の増収増益を達成。2006年、予定どおり60歳で社長を退任。吉越事務所を設立。
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