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「ニュースで伝えられないこの国の真実」辛坊 治郎

2015/09/18公開 更新
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ニュースで伝えられない この国の真実


【私の評価】★★★★☆(88点)


要約と感想レビュー

有料メルマガの内容

まぐまぐさんの有料メルマガ「辛坊治郎メールマガジン」のバックナンバーをまとめた一冊です。ああ、こんな事件があったな。最近、ぜんぜん聞かないな。あの事件の真相はこうだったの?!と思いながら読める本になっています。


最近の話題では、震災復興で巨大防潮堤を本当に作るのか?、大阪府構想はなぜ難しいのか?、セウォル号の現実、STAP細胞問題とは何だったのか?等が面白い。


STAP細胞問題については、小保方さんが作った「光る細胞」を、本当に多能性をもつES細胞にすり替えて若山実験室に届けた人がいるとしています。そして若山教授がその細胞を使って光るマウスを作り出したのです。小保方さんが犯人ではないことを辛坊さんはわかっているようです。


また、大阪府構想は、大阪市の議員、職員の働く場所がなくなることであり、ものすごい抵抗があったという。共産党以外の与党議会を飼いならして好き勝手に大阪を食い物にしてきた大阪市職員にしてみれば、大阪市がなくなるなんて「とんでもない」のことなのです。


一時、あれだけ報道された事件も今は昔。テレビ報道とは移ろいやすいものだし、いいかんげんなものだと感じました。


・北海道の奥尻島・・「二度と津波被害を出さないため」という美名の下に、島民1人当たり2000万円、合計約1000億円の公費を投入して、高さ11メートル、長さ14キロの巨大防潮堤を作ったんです・・観光業は閑古鳥が鳴き、土建業者に転じた漁民の多くは仕事がなくなる(p22)


マスコミに左翼の活動家が多い理由

マスコミに左翼の活動家が多いのは、事実のようです。例えば、テレビプロデューサーに左翼の人が多い理由は、政治活動に熱心で会社から目を付けられた左翼社員は出世できず現場でプロデューサーになるという。その人が「左派色の強いドキュメンタリー」を作っているというわけです。


また朝日新聞の慰安婦問題の捏造については、この問題の発端となる記事を書いた「村隆記者の義理の母親は、日本に賠償金を求める韓国組織の関係者であったという。しかも日本軍に強制連行されて慰安婦になったという金学順は慰安婦になる前、既に14歳の時に妓生というプロ娼婦になるために親に売られていて、植村記者はそれを隠して記事をでっち上げていたというのです。


この本を読んで、確かにテレビで伝えられないことがあるのだな、と思いました。テレビでは無理でも書籍ならこうして書けるところが素晴らしいのです。書籍の役割を再確認できました。辛坊さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・冷凍食品農薬混入事件で逮捕された容疑者・・・この男、勤続8年にもなるのに、ボーナス込みの給料が年間で200万円ほどでした・・これは低すぎませんか?この男、妻と子どもがいたそうですから、一家3人で生活保護を申請すれば家賃込みの手取りは確実に15万円を超えます(p121)


・テレビなどの放送メディアは唯一、法律で「言論統制」が定められている・・
 一 公安及び善良な風俗を害しないこと
 二 政治的に公平であること
 三 報道は事実をまげないですること
 四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにるすこと(p3)


・サラリーマンの給料は、消費税値上げで物価が上がっただけでは決して増えることはありませんよね・・公的年金受給者の年金算定には「消費税アップ分も含めた物価の変動」を反映させることが決まってしまいました(p27)


・ロシアはクリミア制圧の理由に「ロシア人の保護」を揚げています・・もしウクライナがNATOに加盟していたら、ロシアはこんな無茶はしてません。だって、「集団的自衛権」で自動的にNATOはロシアと戦う権利が発生してしまいますからね(p78)


・大阪の公立学校はやっぱりひどいです・・・なんと大阪府内の多くの公立学校で、校内人事を教員の選挙で決めていることが明らかになりました・・想像してください。民間の会社で人事を社員の選挙で決めたらどうなります?(p158)


・週刊文春・・例の太平洋横断の失敗直後、事故原因を証明するマッコウクジラとの衝突映像が公開される前、ネットの噂を中心にして嘘ばっかり書いた・・記者にきちんと説明したにもかかわらず、それでも平気で私の説明を無視して嘘を書くんですからひどいもんです(p222)


▼引用は下記の書籍からです。
ニュースで伝えられない この国の真実
ニュースで伝えられない この国の真実
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辛坊 治郎
KADOKAWA/中経出版 (2015-04-18)
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【私の評価】★★★★☆(88点)


目次

第1章 政治報道に隠された真実
第2章 海外報道に隠された真実
第3章 社会報道に隠された真実
第4章 マスメディアに潜む影



著者経歴

辛坊治郎(しんぼう じろう)・・・1956年生まれ。早稲田大学法学部卒業後、読賣テレビ放送に入社。プロデューサー・報道局解説委員長等を歴任し、現在は大阪綜合研究所代表。「ウェークアップ!ぷらす」「朝生ワイドす・またん!」などテレビ番組の司会・ニュース解説などで活躍する


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